第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-012

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36クラシック板支援(1/5) 
【クラ板アルバム 最終回〜我が哀しみ・ショパン】
こんにちは、クラシック板です。夕暮れの一時、2ちゃんねらーの皆様いかがお過ごしで
しょうか。「クラ板アルバム」も、いよいよ最終回となりました。

最終回の今回は、ショパンのワルツをお送りしようと思います。ショパンと言えば、「ピアノの
詩人」として、ピアノ好きの女性の絶大なる支持を受けています。ベートーヴェン信者の
私としては、「ピアノの新約聖書(ベートーヴェンのピアノソナタ)を聴かず、ショパン
ばかりにうつつを抜かすとは何事だゴルァ!」と言いたい気持ちもありますが、しかし
ショパンのピアノ曲はどれも歌心に満ち、なるほど「ピアノの詩人」の異名にも納得させ
られます。

今回は、ショパンの遺した曲の中で、彼の哀しい恋のエピソードにまつわる曲をご紹介
します。まずはショパンの恋の物語をお読みください。
37クラシック板支援(2/5) :2005/04/04(月) 17:00:53 ID:0sPJnzBO
 フレデリック・フランソワ・ショパン。誰もが認める「ピアノの詩人」。そんな彼が遺した
曲に、「別れのワルツ」として知られる曲がある。ワルツ第9番変イ長調作品69-1がそれだ。
こうやって曲名だけ書くと、無味乾燥な曲に思われる。だが、この曲にはショパンの哀しい
想い出が一杯詰まっているのだ。

 ショパンの親友の妹に、ワルシャワの貴族の娘だったマリア・ヴォジンスキと言う少女が
いた。若きショパンは彼女にピアノを教えた。幼い少女に、当然ショパンは何の関心も
なかった。興味を持ったらロリコンだ(笑

 しかしショパンは25歳の時に16歳のマリアと再会。美しい女性に成長したマリアに、
ショパンは一目で惚れ込んでしまう。次第に惹かれあう2人。やがでショパンは、
マリアに求婚した。ショパンを愛していたマリアもこれを受け入れた。ショパンは、愛する
女性であるマリアに、1曲のワルツを書いて贈った。

 ピアノの詩人、ショパンはきっと幸せの絶頂だったに違いない。だが、幸せとは長く
続かないものなのだ。
38クラシック板支援(3/5) :2005/04/04(月) 17:01:22 ID:0sPJnzBO
 ショパンの健康状態は、その頃既に思わしくなかった。そもそも病弱だったのに加えて、
当時不治の病とされた肺結核の兆しもあった。

 これを知ったマリアの親族は、マリアとショパンとの結婚に猛反対した。それには、一介の
音楽家に過ぎぬショパンと貴族の娘である身分の違いもあろう。ポーランド時代に急進グループと
付き合っていた事も挙げられるだろう。

 マリアはショパンに惚れ込んでいた。マリアの母親も、親族一同が反対する中、唯一の
弁護者だった。しかし、マリアの母親の応援むなしく、親族一同の反対には勝てなかったのか、
やがてマリアは心変わりし、ユゼフ・スカルベックと言う伯爵と結婚してしまった。

 ショパンは、悲しみのどん底に沈んだ。そしてマリアの結婚は上手く行かず、スカルベック
伯爵とは離婚。その後再婚するが、この再婚も上手くゆかず、結核に苦しむ夫に、マリアは
長い間苦しんだと言う。
39クラシック板支援(4/5) :2005/04/04(月) 17:01:51 ID:0sPJnzBO
 ショパンは、マリアに贈ったワルツの楽譜や、マリアからの手紙を封筒に入れ、「我が
哀しみ」と記して封印した。彼は、それを命の次に大切な宝物として、亡くなるまで
肌身離さず持ち歩いていたと言われている。

 マリアとの交際中に、愛する恋人に贈ったワルツ。それが「ワルツ第9番変イ長調作品69-1」
である。幸せな気分の中に、どこかはかなげで不安な気持ちを漂わせる円舞曲を聴くと、
ショパンの哀しい声が聞こえてくるようでならない。

 「別れのワルツ」。クラヲタ以外には、正直有名な曲ではない。だが知って欲しい。
教科書でしか名前を知らないような作曲家の、哀しい恋のエピソードを。19世紀の欧州で、
現在と変わらぬ熱い恋を音楽に託した作曲家がいた事を。

 「ピアノの詩人」。ショパンのピアノ作品は、22世紀どころか、30世紀まで聴き
つがれていくべきである(了)。
40クラシック板支援(4/5) :2005/04/04(月) 17:02:49 ID:0sPJnzBO
クラヲタには常識のこのエピソード、初めてきかれる方も多いのではないでしょうか。
ピアノの詩人は、ピアノで語るのです。…何? 16歳の女の子にプロポーズしたら立派な
ロリコンだって? 野暮な事言わない(笑

ちなみに「懐かし祭り」で出た、「ドカベン」殿馬の「秘打 円舞曲・別れ」がこの曲です。
殿馬もこのエピソードを知っていたのか、そう思って読めばまた違った感慨が湧く事でしょう。

それでは聴いていただきましょう。ショパン作曲 ワルツ第9番変イ長調作品69-1「別れの
ワルツ」を、ディヌ・リパッティの演奏でどうぞ。
ttp://op774.hp.infoseek.co.jp/w9.mp3

「クラ板アルバム」、これにて終了です。午後6時より、前回好評をいただきました「クラ板アワー」が
始まります。周波数はそのまま「FM-2ch」で、引き続きクラ板の放送をお楽しみください。