第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-011

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462クラシック板支援(1/16)
【はじめてのクラシック Part2-2〜お勧めCD紹介 その2】
皆さんこんにちは、クラ板です。CD紹介の2回目をお送りします。前回は、比較的軽めの
ピアノ曲やオーケストラ曲を中心に色々お届けしましたが、今回はクラシックの王道、交響曲中心に
少々硬派なところをご紹介します。硬派とは言え、どれもクラ板の住人がお勧めするCDばかり。
興味が出たら是非聴いてみてください。

では、まずは硬派な中でも聴きやすいものを中心にまずは8枚をご紹介です。
463クラシック板支援(2/16):2005/04/04(月) 14:03:13 ID:A/10r2T8
【セピア色のアルバムをめくりながら昔を振り返りたい時に】
シューベルト 交響曲第8(7)番「未完成」
●ワルター指揮コロンビア交響楽団(ソニークラシカル)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G83I/
シューベルトの未完成。最新盤で名盤も多いが、昔から名盤と誉れの高いこの1枚を。
昔懐かしいウィーン情緒いっぱいの演奏を聴けば、セピア色の想い出が蘇る。
時に劇的に、時に哀しく沈み込む第1楽章。人生の深淵を覗き込むような
第2楽章。いつまでも語り継いでいきたい名盤だ。

【とにかく楽しい交響曲が聴きたい時に】
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
●カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団(EMI)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005RGVG/
有名な、それでいてどこか郷愁をそそるメロディが次から次へと出て来る、
チョコパフェか遊園地のような名曲。このカラヤン盤は、新世界の演奏としては
ちょっと変わり種だが、楽しく聴ける事は請け合い。おまけでスメタナの
「モルダウ」がついてくるのも嬉しい。ボヘミアの名曲を存分に堪能しよう。
464クラシック板支援(3/16):2005/04/04(月) 14:03:38 ID:A/10r2T8
【作曲者も恥ずかしがった・・・】
チャイコフスキー 交響曲第5番
●クルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002T21EM/
たぶんチャイコフスキーの一番ポピュラーな交響曲。ドラマを盛り上げるための「お約束的展開」
である「暗闇から明るみへ」という筋書きに徹底的にのっとったあざとい曲で、チャイコフスキー
自ら、羞恥のあまり「何だかこの曲は皮相な感じがする」ともらしたとか。
だが、その分かりやすさこそこの曲の偉大な美点。初心者さんのクラシック入門曲として、クラヲタ
の聴き比べのネタとして、欠かせない一曲。なんだか聴いたことのあるようなメロディーが頻出する
が、それもそのはず、この曲に登場するおいしいメロディーの数々は、CM音楽のネタとして、
格好の「武器庫」となっているのである。

【感傷に浸っていたい時に】
グレツキ 交響曲第3番“悲歌のシンフォニー”
●ヴィト(Wit)指揮ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団〔NAXOS〕
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005F4B5/
実はかつて英国で大ヒットして、50万枚を売り上げたことで話題になった。 祈りと
悲しみと重苦しさが音となって、波のように絶え間なく押し寄せてくるこの曲、
程度の低いヒーリング音楽だと揶揄する声もあるが、あなたはこれを聞いてどう
思われるだろうか。ヴィト盤が手に入らない場合は、コルト(Kord)盤〔Philips〕を薦める
465クラシック板支援(4/16):2005/04/04(月) 14:04:01 ID:A/10r2T8
【落ち込んで、とにかく元気が欲しい時に】
ベートーヴェン 交響曲第5番&第7番
●カルロス・クライバー(Kleiber)指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(ドイツグラモフォン)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006BGR2/
「運命」で有名な5番と7番。冒頭の「じゃじゃじゃじゃーん」しか知らない方。ちょっと
落ち込んで気分を高揚させたい時、この1枚はどうだろう。圧倒的なパワーで盛り上がる
第4楽章を聴けば、この曲に対する認識がきっと改まる。そして第7番。リズミカルな
第1楽章、哀しみを吐き出す第2楽章、そして前を向いてガンガン前進する第4楽章を聴けば、
この曲がきっと好きになる。そして聴き終えたらきっと、聴く前より元気が出るはずだ。

【疾走する悲しみ】
モーツァルト 交響曲第40番 「大ト短調」
●カラヤン指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団〔デッカ〕
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HW1E/
モーツァルトは、短調の曲を少ししか書かなかった。しかし、数少ない短調作品は、一度
聴いたら忘れられない印象を残す音楽でばかりである。評論家小林秀雄がそれを上記のよう
に形容したことは有名。古典の高雅でキッチリした枠にはめ込まれた光と影の鮮烈な
ドラマを味わう一曲。壮年カラヤンの華麗な演奏でどうぞ。
466クラシック板支援(5/16):2005/04/04(月) 14:05:13 ID:+wdCQ+p1
【コンチェルト・ア・ラ・ハリウッド】
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ●リヒテル(ピアノ)他(ドイツ・グラモフォン)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005Q7QK/
ラフマニノフは、チャイコフスキーの後継者と目されるロシアの作曲家にしてピアノの大名手。作曲では、
大変ロマンティックかつドラマティックで、スラヴ風の分厚い叙情性が魅力。地主階級の生まれで、
革命によって西側に亡命、最後にはアメリカに定住した。で、そういうラフマニノフの音楽がハリウッドの
お気に召して、そのコピー音楽みたいなのが映画の中に氾濫した。よく、ラフマニノフのことを
「映画音楽みたい」という人がいるが、実はラフマニノフのほうが元祖なのだ。この曲もカップリングの
チャイコフスキー共々、大河のようにたっぷりとした音楽の流れを楽しむ有名曲。そういえば、
かつての日曜洋画劇場のテーマ音楽もこんな感じだったねぇ。リヒテルの強面のピアノが炸裂するこのディスクで聴いてみよう。

【音で綴る歳時記】
チャイコフスキー『四季』
●ピアノ/ウラディーミル・トロップ (デンオン)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00008BDFF
1876年、チャイコフスキーはある音楽雑誌から、雑誌に掲載するピアノ小品を作曲してほしい
という依頼を受けた。チャイコフスキーはその依頼を受けて、1月から12月まで毎月1曲づつ、
四季折々、時節に合わせた珠玉のような作品を寄稿した。こうして生まれた曲集が、この
「四季」である。ロシアの自然、風物が生き生きと描かれた詩情豊かな作品群で、特に11月の
「トロイカ」は有名になっている。外を眺めて季節を感じ、ホッと息抜きしたいときに聴いてみよう。
467クラシック板支援(6/16):2005/04/04(月) 14:05:38 ID:+wdCQ+p1
ラストの2枚だけは交響曲ではありませんが、有名どころを多数ご紹介しました。大きな曲が
多いですが、初心者にも取っ付きやすいものを中心に選んだので大丈夫かと思います。
特にラストの「四季」は、ピアノ独奏曲ですが、1月から12月までを描写するもので、
気軽にも聴け、お勧めの1枚です。

ここでちょっと箸休め。CD選びと言えば切っても切り離せないのが「音楽評論家」。
実は「レコード芸術」などの雑誌でCDのレビューは、クラヲタはほとんど当てにして
いない(笑)んですが、評論家と言えばクラ板では忘れてはならない人がいます。
その名は宇野功芳(うの・こうほう)先生。彼がどのような評論家か、それをご紹介
しましょう。2連続です。
468クラシック板支援(6/16):2005/04/04(月) 14:06:21 ID:+wdCQ+p1
  ||/ΛΛ/凹凹/∩∩/    ||  /    ___ ∧ ∧
  ||■■/目目/ΥΥ/|    ||/    /      (゚皿゚ ,,)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ||■/凸目/ΥΥ/  |    /     /   日/⊂  ヽ  < 愚鈍のきわみといえよう
  ||/凸凵/ΠΠ/    |  /     /     ∧_∧(___,)? \____________
  ||凸凵/▲▲/|    |/     /     (皿・  ) ┳┛
  ||凵/日日/  |   /     /    日と    l ┃  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ||/ΔΔ/ ∧_∧/     /   ∧_∧ i⌒,___) ┻ < チャーミングの限りといえよう
  ||廿廿/| ( ;´Д)    /     (皿・   )(_)┳┛    \_____________
  ||廿/  | (.    つ   /   日 と    l    ┃
  ||/    |  | 〇 .|  /     / i⌒ ,.__)   ┻/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ||      | (__(__)/     /  (_) ┳┛   < 到底マイクには入り切れないといえよう
  ||    /      /     /         ┃      \________________
  ||  /  ∧  /     /   ┏━┓  ┻
_||/   /   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      | ななな、なんですかあんたたちは!
      \__________________________________

【宇野功芳】
音楽評論家。1960〜70年代にかけて、その熱のこもった批評で人気評論家となる。
469クラシック板支援(8/16):2005/04/04(月) 14:06:49 ID:+wdCQ+p1
が、何十年たっても論旨に進歩がなく、独善的な判断、ライナーノーツで褒めた演奏を雑誌の
批評で貶す、自分で指揮を始めてそのCDをベスト盤に推す、とあるアンケートで年間のCD購入
枚数が5枚(!)と答えるなど、その偏りまくった姿勢によっていまや多くのアンチ宇野を
生み出し、クラ板2ちゃんねらーに欠かすことの出来ないオモチャにされている。

   決まり文句:『〜といえよう』

☆宇野先生の批評を読んでみたい人はこちらへ!

  全自動音楽評論ジェネレータ「功芳くん」!!
   
  http://hayes.cside2.jp/other/archive/koho.html
470クラシック板支援(9/16):2005/04/04(月) 14:07:11 ID:+wdCQ+p1
宇野先生の本は書店でも簡単に読めますので、興味がおありの方は一読してみるのも宜しいかと。
ただし参考になる意見もあるにはあるんですが、彼の意見を全面的に参考にするのは、大変危険です(笑

さて、では後半です。後半は重量級の本格派を中心にお送りします。言わば「クラヲタへの入り口」。
これらの曲を楽しめるようになれば、世に溢れるクラシック音楽のすべてが、宝の山と化します。
ではどうぞ。7枚ご紹介です。
471クラシック板支援(10/16):2005/04/04(月) 14:07:37 ID:+wdCQ+p1
【栄光と挫折】
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74 『悲愴』
●エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 レニングラードフィルハーモニー管弦楽団 〔ドイツグラモフォン〕
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007DXL0
未来への不安と希望、ささやかな日常の喜び、社会的な成功、人生への絶望…
チャイコフスキーが自分の生涯を総括したかのような傑作。メロディ、アレンジ、構成と、
どこを取ってもケチのつけどころがないので、クラヲタの話題に上りにくいこの名曲の
代表的演奏がこれ。完成度は全てのクラCDを通じても最上級。 重苦しく消えてゆくフィナーレは
気軽に聴けるものではないけれど、オーケストラの凄みがよくわかる演奏としてもお薦め。

【早起きした朝、大自然の鼓動を感じたい時】
ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
●カール・ベーム指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(デッカ)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000091LA7/
清々しい朝、アルプスの森のような大自然の鼓動を感じたい時。そんな時はこれ。
曲全体はかなり長いのだが、第1楽章だけで存分に楽しめる。さざめく弦の上に
乗ってウィンナ・ホルンが朗々と森の朝に日の出を告げる…。この
第1楽章だけでもお勧め。慣れたら他の楽章も聴いてみよう。
472クラシック板支援(11/16):2005/04/04(月) 14:08:02 ID:+wdCQ+p1
【踊る阿呆に見る阿呆、そして猛り狂う指揮者の叫び声】
ベートーヴェン 交響曲第7番
●ヘルマン・シェルヘン指揮 ルガノ放送管弦楽団
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005EU03
「クラシックは取り澄ましていてツマラナイ」という人にショック療法として聴いてもらいたい
危険物扱いの一枚。ベートーヴェンの7番はワーグナーが「舞踏の神化」と呼んだように、全4楽章
すべてがそれぞれ一定のリズムパターンを徹底的に展開して、聴く人に迫ってくる作品。それを、
現代音楽のスペシャリストとして知られた指揮者シェルヘンが、ロックも真っ青の激しさで熱狂的に
驀進、盛り上げた狂乱のライヴ録音、要するにクラシック版「芸術は爆発だ!」。コレを一度聴いて
しまったら、アナタは日常生活に戻れません。本当です(笑)。

【涼風を感じてみたいとき】
シベリウス 交響曲第7番
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00024Z8H4/
●マゼール指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(DECCA)
名前からして涼しそうな強面のおっさん、シベリウスの交響曲は全部で7つ。
最後の7番は、例えば2番と違って劇的な盛り上がりがあるわけじゃあない。
だけど、この幽玄で冷たい響きを聞いていると、遙か続く北欧の雪原にいるような
気がしてくる。時間もそんなに長くない。これはスルメです。
473クラシック板支援(12/16):2005/04/04(月) 14:08:46 ID:0sPJnzBO
【デッカイことは、イイことだ!】
マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」
●クラウス・テンシュテット指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 他〔EMI〕
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007INZIE/
交響曲作家マーラーはどちらかといえば鬱傾向の曲が多いのだが、この曲は例外。
様々の特殊楽器を含む大編成のオーケストラの他に独唱者、合唱、少年合唱、果ては
パイプオルガンまで、『大宇宙の鳴動するさま』(マーラー談)を描くために本当に
1000人ほどの演奏者が必要な誇大妄想的マンモス曲。第1次世界大戦前の人類の未来への
希望を表現したような、あるいはクラシック音楽界の「タイタニック号」的存在である。

長くて難解で暗いマーラー作品の初演は受けがあまりよくないのが常だったのだが、
壮大なスケールを持つこの曲の1912年の初演は大衆の関心を惹き空前の大成功をおさめた。

長大な曲なので、もし覚悟ができたなら、とりあえずその第一部(25分ほど)を大音量で聴き、
クラシック音楽でしか味わえない巨大さを、体験してみよう。
474クラシック板支援(13/16):2005/04/04(月) 14:09:04 ID:0sPJnzBO
【20世紀の歴史を振り返ってみる時に】
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」
●カレル・アンチェル指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009SF0Y/
20世紀ソヴィエトの作曲家は、時代と社会に振り回された存在だった。ショスタコーヴィチは
気鋭の現代作曲家としてスタートしたが、その前衛的なところが批判され、「形式においては民族的、
内容においては社会主義的」という有名な(訳の分かったような、分からないような)社会主義
リアリズムの定義に表面上則った曲を書き、その中に豊かな抒情性を盛り、複雑なメッセージを込めた。

この交響曲は「音楽のかわりに荒唐無稽」という政府筋からの強硬な批判に答える形で1937年に初演
され、民衆の熱狂的支持と権力者からの高い評価を受けた。一見、「闇から光へ」という明快なストーリー
性を持っているが、その真意はなかなか図りがたい。輝かしい曲の終結は「強制された歓喜」を描いて
いるともいわれ、その痛切な表現から20世紀の悲惨と矛盾を読み取ることもできる名作である。

『ショスタコーヴィチは、自分の生きた時代と社会を忠実に記録したのだ』
                             ―指揮者ムラヴィンスキーの言葉

この演奏の指揮者アンチェルは、チェコの出身で、家族もろともナチスの強制収容所に入れられて、
ただ一人生還し、晩年は「プラハの春」の民主化弾圧事件で国外亡命、カナダで客死するという、
時代を反映した悲劇的な生涯を送った名匠である。
475クラシック板支援(14/16):2005/04/04(月) 14:09:30 ID:0sPJnzBO
【おお友よ、このような響きではなく・・・・】 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」
●オトマール・スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ他(デンオン)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001Z2YQW/
日本の年末の風物詩として、また、2ちゃんねる第九プロジェクト(http://no9.mine.nu)を思い出す、
という人も少なくないでしょう。 参加した、という方もいらっしゃるかもしれません・・・・説明不要?

・・・・ではちょっと無責任なので、聴きどころのポイントを簡単にご紹介しておきましょう。 まず、
第1楽章。混沌の中から雄叫びを上げるような開始から、重量戦車のように驀進、ケルンの大聖堂の
ように屹立する音の大建築物を作り上げるのです! 第2楽章、小鳥のさえずりから生まれたメロディーを、
力技で巨大な音楽に展開。ティンパニ(太鼓)も大活躍、ちょっと粗野なユーモアで、はしゃぐベト先生。
第3楽章は、ひざまずいて深い祈りをささげるベト先生。我々も一緒に祈ろう。まばゆいクライマックス。
感動の一瞬、そして静寂。と、ここまでの音楽の圧倒的な充実ぶりに、個人的にはもうお腹いっぱい。

そして、合唱のみなさん、聴衆のみなさん、お待ちどうさまでした。
阿鼻叫喚の響きとともに第4楽章がスタート、バリトン独唱が堂々と「おお友よ、このような響きではなく…」。
でも、ここまでじっくり聴いてきたアナタは思うかも知れません。本当にいいのかベト先生、
ここまでの素晴らしい音楽を否定しちゃって(笑)。そして始まる「歓喜の歌」・・・・。
要するに、最初の3つの楽章も世界遺産級の大傑作なのよ。第4楽章だけではなく、ぜひ全曲を
聴いてみてね。ここでは、衒いのない誠実な演奏、優秀な録音、しかも廉価盤ということで、
日本にもなじみの深いスウィトナー教授のCDを、最初の一枚としておすすめしておきましょう。
476クラシック板支援(15/16):2005/04/04(月) 14:09:55 ID:0sPJnzBO
【音楽と対決したいとき】
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調「セリオーソ」
●ベルリン弦楽四重奏団(ドイツ・シャルプラッテン)
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001Z2YQW/
弦楽器4台だけで音楽を織り上げる弦楽四重奏。ハイドンがこのジャンルを確立して以来、
歴代の作曲家達は力量が試されるこの難関に果敢に挑んだ。なかでも、ベートーヴェンの
それは「音楽との対決」と評されることもある高度な作品がそろっている。「セリオーソ」
は長さの程よさで、比較的取り付きやすいだろう。管弦楽曲をしのぐほどの緊迫した高密度の
音楽に思わず引き込まれるはずだ。カップリングにある「大フーガ」はクラシック音楽の極北。
前衛的な表現が聴き手を圧倒する。これが1820年代に書かれたことが信じられるだろうか。

クラヲタも身構える一枚だが、クラシックの突き詰めた「凄さ」を体験してみたい人のために、
敢えてすすめてみたい。
477クラシック板支援(16/16):2005/04/04(月) 14:10:23 ID:0sPJnzBO
最後のCDに入っている「大フーガ」は、素人にはお勧めできない曲で、いきなり手を出すと
クラシックが嫌いになってしまうかも知れない危ない曲ですが(笑)、クラヲタが普段
どれほど「濃い」曲を聴いているか、怖いもの見たさで手を出してみるのもいいかもしれません。

以上16枚。第1回と合わせると36枚。最初の方で取り上げたライトな曲をBGM代わりにかける
もよし。重厚長大難解な交響曲に浸りきるもよし。クラシック音楽の楽しみ方は色々。ぜひ
その入り口を、皆さんも覗いてみてください。

さて「はじめてのクラシック」、第3回は「コンサートへ行こう!」をお送りします。クラシックの
魅力がいっぱいつまったコンサート。でも初心者には敷居が高い。そんな敷居を低くするべく、
コンサートの豆知識など、あれこれを午後4時から解説します。お楽しみに。

それでは一旦お別れです。周波数はそのまま。引き続きFM-2chをお楽しみください。