【ラ板】第一回 ラ板争奪杯投票スレ-01【決定戦】

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128これはライトノベル板の支援物資です。
「だって、東洋の味!恋焦がれちゃうわ」
もちろんサンドウィッチもローストビーフ(めったに食べられないけど)
おいしいし、例のフィッシュ&チップスだって捨てたものじゃない。
だけど、だけど、メイリンのチャイナタウンの話を聞いたとたん、
あたしの頭はチャーハンだのラーメンだのでいっぱいになってしまったのだ。
「ラーメンが食べたいっ」
「あ、あの、ミヤコ」
握りこぶしをつくるあたしにメイリンがおそるおそる言う。
「念のために言っておくけど、正式な中華料理にはラーメンはないのよ」
「え」
そ、そうだっけ?
「メイリン、ミヤコ、ラーメン、って何?」
苦笑するメイリンと頭をかくあたしに、アンが不思議そうな声を出す。
「えーと、それは東洋――というより日本の食べ物――ヌードルなんです」
実に、文化は多種多様である。

            一藤木杳子/作 「恋のルートをかけぬけて」より
129これはライトノベル板の支援物資です。:2005/03/24(木) 02:01:22 ID:n/MohQ3z
揃って取りにいくと、おばさんはハンカチを首から下げて食べた方がいいって
アドバイスをしてくれた。
どんなにがんばっても、ラーメンの汁って絶対に飛ぶものらしい。
「そうか……。このアイボリーの襟にはねたら大変だもんね」
赤ちゃんみたいで恥ずかしいけれど、背は腹に代えられないということで、
二人は指示通りハンカチを襟に引っ掛けてから割り箸を割った。ラーメンには、
チャーシューとなるとが1枚ずつ、それから刻みねぎ、海苔、メンマがのっている。
「いただきまーす」
まず、スープを一口。
「……おいしい」
「うん」
しょうゆ味の温かい汁が、胃から身体全体に広がっていくかのようだった。
薔薇の館にいる白薔薇さまにも、一口分けてあげたい。

             今野緒雪/作「マリア様がみてる いばらの森」より
130これはライトノベル板の支援物資です。:2005/03/24(木) 02:01:45 ID:n/MohQ3z
「らーめん」
といって、譲はもっと怖い顔をした。
「食べたくない?」
「…………」
高耶は不気味な感じを憶えて、譲るからあとずさる。なみなみならぬ気合を感じて、
高耶は怖くなってしまった。
(な……なんだ、こいつ……っ)
高耶をおびえさせるほど迫力のある譲の顔は、実は単に譲自身が高耶怖さに、
がちがちに緊張しまくっているせいだったのだが。
幸い高耶はこれほども気づいていない。
譲はこれ以上になく怖い顔だ、ひとこと。
「おごってあげる」
なんでこんなことになっているのか、わからないまま、高耶は譲に連れられて
駅前通りのとあるラーメン屋にやってきた。奇妙なラーメン屋というかそば屋で、
その店の看板メニューのラーメンのつゆの中に日本そばが入ってる、
それを食べさせられた。

                 桑原水菜/作「凍てついた翼」より