第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-008
「ミステリー板の挨拶」
「最後」というには早すぎるので。
作品紹介第4回目は7作品。
【18・人形はなぜ殺される(高木彬光)】
名探偵・神津恭介が、首の代わりに人形の首がすげられた死体と人形による殺人予告の
事件に挑む。既に古典の域に達するため、時代が古くて読みづらい向きもあるかもしれないが、
タイトルの「なぜ人形が殺されたのか」という疑問が氷解したときの驚愕と解放感は格別。
神津恭介といえば、ドラマでは近藤正臣が演じていたのでそのイメージの方も多いと思うが、
原作の神津もピアノは上手だが足で弾くことはない。
【19・殺戮にいたる病(我孫子武丸)】
愛という妄想にとらわれたサイコキラーが猟奇的殺人を繰り返す。
陵辱、惨殺当たり前のグロ描写満載なので苦手な人は注意。
ミステリの魅力のひとつ「驚き」を追求した一品です。
犯人は蒲生稔。
【20・ブラウン神父の童心(G・K・チェスタトン )】
ブラウン神父シリーズの第一弾
読者の常識を逆手に取る手腕はお見事。
トリックは今見ると知ってる物も多いのですが、それだけ影響を与えた証左でもあります。
12の短編が収録されていますが、あえて一作挙げるなら「折れた剣」
「木の葉を隠さば森の中。もしも森がなかりせば..」
さてどうしましょう?
【21・大誘拐(天藤真)】
岡本喜八監督により映画化されたこともある作品。
刑務所の雑居房でであった3人組は、出所するや否や営利誘拐の準備に取り掛かった。
狙うは紀州一の大富豪柳川家当主、とし子刀自。
入念な下調べの結果、とし子刀自を誘拐することに成功したのだが…
奇策が次々飛び出す捧腹絶倒の傑作痛快誘拐ミステリー。
この作品の魅力は、何と言ってもとし子おばあちゃん。
おばあちゃんのにじみ出てくる魅力に、貴方もメロメロになるでしょう
【22・七つの棺(折原一)】
三度の飯より密室が大好きな黒星警部がドタバタする短編集。
収められた短編全て密室ものなんだけど、お勧めしたいのは「ディクスン・カーを読んだ男たち」。
密室の中にあったのは2つの白骨、部屋の鍵、そして死因に無関係な凶器の数々…
一体何が起こったのかを、登場人物の視点を変えて巧妙に解き明かしていく構成が見事。
なおこの短編には元になった短編「ディクスン・カーを読んだ男」というのがあり、
そちらは「密室殺人傑作選」(早川書房)等で読めます。
【23・生ける屍の死 (山口雅也)】
アメリカの片田舎トゥームズヴィルで死者が蘇る怪現象が頻発
そんな中街の有力者である霊園経営者一族の中で殺人事件が起こる。
謎やテーマのために現実とは違う世界を作り出し、かつその世界での現実感も逃さない。
その手法の斬新さに驚きましたが、完成度の高さも凄まじい。
実験的であり基本に忠実、本格ミステリの新たな可能性を示してくれました。
【24・ 誰彼(法月綸太郎)】
「密室殺人」「首なし死体」「双子」「謎の新興宗教」など
どれもミステリにはありがちで陳腐な設定ですが
それらを一つにブチ込むと類を見ない作品ができました。
錯綜する推理で読者を振り回しながらストーリーは結末へと収束して行きます。
ミステリの美しさが味わえます。