第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-008

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528ミステリー板支援作品紹介第3回1/3 ◆68...DfWOs
「ミステリー板の帰還」
作品紹介第3回目は国内作品を6作紹介。

【ミステリー板の○冊 12.双頭の悪魔(有栖川有栖)】

四国の芸術家だけが住む村に行ったまま帰ってこないマリアを追いかけたミス研の面々。
無事会えたのも束の間、唯一の交通手段である橋が流されてしまう。
そして川の向こうとこちらで起こる殺人事件。
思うにこの作品の最大の見所は、シリーズの探偵役である江上部長抜きで事件解決に奔走するアリス達の姿と、
揺れ動くマリアの心理描写では無かろうか。
青春小説特有のいい意味での青臭さも兼ね備えた傑作。

【ミステリー板の○冊 13・11枚のとらんぷ(泡坂妻夫)】

アマチュア奇術師としても名のある著者が、その趣味人ぶりを大いに発揮して書いた本。
(本業は紋章上絵師なので、手品もミステリも趣味といえる)
凝った構成も含めて、「稚気」とはまさにこういうことを言うのだろうな〜と感心かつ感嘆。
この中のいくつかは、実際に人にやってみせたらどうかな?と、読みながら思わずワクワク。
この作家はそういうの多いな。
529ミステリー板支援作品紹介第3回2/3 ◆68...DfWOs :2005/03/26(土) 12:00:37 ID:J6DAyh/G
【ミステリー板の○冊 14.七回死んだ男(西澤保彦)】

同じ日を9回繰り返す特殊能力「反復落とし穴」をなぜか発動してしまう高校生・大庭久太郎
新年会の席で祖父・渕上零治郎が殺される。その日反復落とし穴に嵌った久太郎は
祖父を救うため手を尽くすのだがそれでも祖父は死んでしまう。祖父を救うことが出来るのか?
超能力を利用しながらフェアであり、コメディタッチでテンポ良い文章は
誰にでもお勧めできます。

【ミステリー板の○冊 15・ゼロの焦点(松本清張)】

「戦後」がまだ色濃く残っていた時代の話であるため、今読むと古臭さに辟易する人も
いるかもしれないが、この時代ならではの哀切が漂う作品。
サスペンスドラマのお約束「断崖絶壁で追いつめられた犯人」はここから産まれたと言ってもいいかも。
作中に断崖で犯人と探偵役が対決するシーンがあるわけではないが、ラストで断崖が非常に印象的である。
能登金剛のヤセの断崖には、この作品名を記した記念碑がある(わたしは見に行きました)。
530ミステリー板支援作品紹介第3回3/3 ◆68...DfWOs :2005/03/26(土) 12:01:03 ID:J6DAyh/G
【ミステリー板の○冊 16.りら荘事件(鮎川哲也)】

秩父の山奥の別荘「りら荘」。夏休みにりら荘を訪れた7人の学生たちは、
連続殺人事件に巻き込まれてしまう・・・ 探偵 星影龍三が難事件に挑む。
初出が昭和31年であるこの作品は犯人当てというミステリーの醍醐味を味わえる
本格作品として有名であり、綾辻行人ら新本格派に与えた影響も多大である。
幾度となく改訂されてさまざまな出版社から出ているが、
現在でも楽しめる一品で、現在は講談社文庫版で読むことができる。

【ミステリー板の○冊 17・砂糖合戦(北村薫・「空飛ぶ馬」所収)】

女子大生の「私」が主人公を、落語家の円紫師匠が探偵役を務めるシリーズの2作めにあたる。
渋谷の喫茶店で、女の子グループがものすごい量の砂糖を入れたり、入れかけて
戻したりしているのはなぜか?
見方の転換と、すっきりと落ち着く着地点が心地よい。
シンプルで短いけれど、きれいな文章でイヤーな感じを出せる著者の魅力を楽しめる作品。