第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-008

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30囲碁・将棋板CM(1/5)
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今回は詰将棋の魅力について解説したいと思います。
詰将棋とは相手の王様に王手をかけ続けて、どこへも動けない状態(=詰み)にする
一種のパズルです。雑誌や新聞で見かけることも多いかと思います。
自分の棋力に合った詰将棋を解くことで、終盤力を鍛えることができます。

一方で、数十手詰めの壮大な構想を持った作品、様式美にこだわった芸術的な作品
などパズルとして高いクオリティを持つものもあります。江戸時代に作られた珠玉の
作品が今でも神局として称えられているところなど、クラシックの世界に通じるものが
あります。そこで”名曲紹介”ならぬ”名局紹介”として取り上げていきたいと思います。
\__________             パチパチ
        Oo。                 パチパチ
                        .‖
          ノノヘゝヽ         O """
          ミb`∇´)      ☆ ((ヽ(゚Д ゚ )
          /::ヽ玉ソヽ .┌──=Oニ i|V|  O)
          (_(´)_(`)...|    |..│ (__(__J
          ∈≡≡≡∋ 0 ̄~゙0~0  ∈≡≡≡∋
31囲碁・将棋板CM(2/5):2005/03/22(火) 15:59:22 ID:OxrsXsd2
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐まずは肩慣らしに、古典詰将棋から有名な
│__│__│__│▽銀│▽玉│▽銀│__│__│__│3手詰めの作品です。
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤玉を詰めるにはどう指せばよいか、ちょっと
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│考えてみてください。
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│▲銀│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│__│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│__│__│__│__│__│__│__│__│▲角│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤正解はメール欄
                                          
▲=先手の駒 △=後手の駒           先手の持ち駒:銀
32囲碁・将棋板CM(3/5):2005/03/22(火) 16:00:25 ID:OxrsXsd2
続いては芸術的な作品です。
江戸時代の名人、三代伊藤宗看が幕府に献上した『将棋無双』という詰将棋集があります。
これは別名『詰むや詰まざるや』とも呼ばれ、古今で最も難解な作品集です。後述する
『将棋図巧』とあわせて「これがすべて解ければプロ棋士になれる」とまで言われていますが、
実際プロ棋士でもすべて解くのはかなり苦労することでしょう。

ここでは将棋無双の中でも特に神局と言われる第30番をご紹介します。
ttp://park6.wakwak.com/~k-oohasi/shougi/musou/musou03.html
(JAVAを使用しています。起動まで数十秒かかることがあります)
このページの一番下に第30番があります。再生ボタンを押すと正解手順が一手づつ再生
されます。
40手先を見越した金の捨て駒、馬をジグザグに動かして遠方の歩を手に入れる”馬鋸”と
言われるテクニックを左右で2度使用し、最終的な詰め上がりは盤面が左右対称形になる
という芸術的な作品です。もちろんパズルですから正解以外の手を指せば詰ますことは
できません。
一気に駒の動きを目で追うもよし、一手づつ考えながら進めるもよし、思い思いのやり方で
じっくりご鑑賞ください。
33囲碁・将棋板CM(4/5):2005/03/22(火) 16:02:14 ID:OxrsXsd2
次は三代伊藤宗看の弟、伊藤看寿八段(贈名人)の献上作品『将棋図巧』です。
作品の巧妙さと美しさで群を抜いた存在で、『将棋無双』と並んで古今詰将棋の双璧と
言われています。

ここでは将棋図巧第99番「煙詰」と第100番「寿」をご紹介します。
ttp://park6.wakwak.com/~k-oohasi/shougi/zukou/zukou10.html
(JAVAを使用しています。起動まで数十秒かかることがあります)
このページの一番下に第99番と第100番があります。

第99番「煙詰」は盤面を覆うようにちりばめられた39枚の駒が、進めていくたびに
1枚また1枚と盤面から煙のように消えていき、最後には3枚で詰めあがるという
幻想的な作品です。

第100番「寿」はなんと611手詰めという超大作。龍で王様を追いながら、微妙な手順で
持ち駒、相手の守備駒を巧みに変えていき、最終的には支えきれなくなって収束に
追い込まれていくというパズル性の高い作品です。
伊藤看寿はこの原型を13歳のときに作ったと言われています。
34囲碁・将棋板CM(5/5):2005/03/22(火) 16:03:38 ID:OxrsXsd2
江戸時代後期から昭和初期まで詰将棋はいったん衰退期を迎えます。しかし戦後になると
専門誌の発行とともに多くの作品が投稿されるようになったこと、優れた作品に贈られる
「看寿賞」の制定などにより、現在でも多種多様の作品が作られ続けています。
そうした中で、将棋図巧第100番「寿」の611手をも超える最長手数の作品が登場しました。
1986年6月に詰将棋作家橋本孝治氏が発表した「ミクロコスモス」です。
ttp://www.geocities.jp/k_7ro/o18.html

実に1525手詰めという気の遠くなるような超大作で、ずっと同じような手順を繰り返して
いるように見えながら三段目の歩と香を巧妙に入れ替えていき、285手目で9九にいる馬の
利きを通し、その後も同様の手順を繰り返しながら429手目に8九馬、625手目に8八馬と
馬を一手づつ中央に近づけていく。馬を6六に進めたところで準備が整い、1501手目にして
初めて均衡状態を打破する。その後は一気に収束し玉は1九で詰む。まさに究極のパズル。

魅力的な詰将棋の世界いかがでしたでしょうか。一手一手の意味は非常に難解で
わかりにくいと思いますが、純粋なパズルとして鑑賞に堪えうる芸術作品であるということを
感じ取っていただければ幸いです。

以上、詰将棋の魅力編でした。次回は橋本崇載五段インタビュー編をお届けします。
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