第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-006

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95詩板@文芸連盟
ーー金子光春という詩人 没後50年経ていないため、作品の紹介はできないが、なんといっても、
詩集 鮫 に収められた「おっとせい」だろう。彼を世に知らしめた作品だ。
   "そのいきの臭いこと
   くちからむんと蒸れる。 "
ここ展開される社会への痛烈な皮肉は 読む人に、赤裸々な爽快感すら与えると思う。
戦中派の詩人の例にもれず、戦争との関わりあいなくしては ありえない詩を多く書いた。
そのあたりの心情は、随筆「絶望の精神史」でも、 読み取ることができる。
世を斜に見て、ぶったぎったような狸の姿かもしれない。
しかし一方では、詩集「女たちへのエレジー」を中心とした生々しくも愛情に満ちた女体への視線も得意としていた。
そちらの代表作となる「洗面器」には一種独特のにおいが漂っている。
「洗面器」
 (僕は長年のあひだ、洗面器といふうつはは、僕たちが顔や手を洗ふのに湯、水を
  入れるものとばかり思つていた。ところが。ジャワ人たちはそれに、羊や魚や、
  鶏や果実などを煮込んだカレー汁をなみなみとたたへて、花咲くねむの木陰で
  お客を待っているし、その同じ洗面器にまたがって広東の女たちは、客の目の前で
  不浄をきよめしゃぼりしゃぼりとさびしい音をたてて尿をする。)
-----この導入から始まる。エロスあふれた音と匂いと感触がある。
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