第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-004
268 :
作品紹介・13:
■偽りの夢でも■
塔の最上階には一人の女性が住んでいた。華奢な肢体にしわだらけの顔。
手入れされず野放しになったぼさぼさの髪の毛。死んだ魚のような空ろな瞳。
一見すると老婆にも見えたが、その機敏な動作と明晰な頭脳は、彼女がまだ
中年の域にすら達してないことを教えてくれた。
彼女の肩書きは統括管理責任者。この街の制御を任された唯一の存在。当然占い師が
紛れ込んだことは承知しており、すぐに根を上げて出て行くだろうという予測も立てていた。
そう、そうしてまた静かで平穏な日々が訪れる。
彼女は秘書からコーヒーを受け取ると、軽く口をつけ、カップをテーブルに置いて、
いつもの、決まりきった作業を再開した。街の機能保全とメンテナンス。やることは沢山あった。
しばらくすると、彼女は占い師の存在すら忘れて、作業に没頭していた。
自分が作り上げた完璧な街は何が起こっても揺るぎない。そんな自信と自負が
彼女にはあった。それだけが、この塔で作業する彼女を支えてきた。
http://ana.vis.ne.jp/ali/antho_past.cgi?action=article&key=20030921000056
269 :
作品紹介・14:05/03/13 17:19:30 ID:O80KA72q
風の鮨
そう、オレは、マンガでよくあるように、パンをくわえて慌てて出掛ける、てやつを前から
やってみたかったのだ。我ながら馬鹿な願望だとは思うけど、とにかく一度やってみたくて
しょうがなかったのだ。でも、さすがに平日の通学路で実行するほどの強心臓じゃない。
だから、オレは友達や他の生徒の目が気にならない日曜日に狙いをつけていた。
それも、部活の練習が潰れるぐらい激しく雨が降った翌朝の日曜日を。そして、ついに今日、
その日が台風7号に連れられてやって来た。オレは浮き立つ心を抑え少しずつパンを齧る。
片手でハンドルを慎重に操り雨と風に洗い上げられた街をのろのろと走る。
まだ七時前だけどすでに蝉が四方から忙しなく鳴き立てている。
http://ana.vis.ne.jp/ali/antho_past.cgi?action=article&key=20031223000080
270 :
作品紹介・15:05/03/13 17:19:55 ID:O80KA72q
ピーチ・ボーイ・メモリー
彼は、色白で、ちょっと年寄りくさくて、純和風な平べったい顔をしているけれども、
とても優しくて、穏やかな性格をしているのが手にとるように分かるような風貌をしている。
それなのに、足がほどほどに長くて、どこで鍛えているのか筋肉もほどほどについていて、
全体的にとってもバランスのとれたきれいな線を持っている。
僕は彼と寝るところを想像する。顔があんなに白いのだから、手も足も胸もお腹も
白いに違いない。あそこは、どうかな。白いということはないと思う。きっとそこだけ、
茶色がかっているかもしれない。
とにかく、ベッドの上で、彼の隣に僕は寝ている。白いシーツが彼の胸元まで覆っている。
シーツの白さと比べると、いくらから彼の胸は赤らんででいて、人間くさい。彼の横顔、
ほっぺたがほんのりと赤い。かわいい。顎は細い。唇も薄い。綺麗だ。
どうしてあなたはそんなに綺麗なんだ。
僕は彼を横に感じながら、オナニーをする。どうして、セックス中なのに、オナニーなんかするんだ?
胸の中で、甘い蜜が溶けて行くような感慨に襲われた。
彼の精液を飲みたい。
http://ana.vis.ne.jp/ali/antho.cgi?action=article&key=20050223000028