第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-003

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575名無し物書き@推敲中?
3/13(日)、予選11組に出場する創作文芸板@文芸連盟です。

新しい罵倒語をつくる会
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1045660445/

2年に渡って名無しが互いを罵り合い、煽り耐性を身に付けているスレ。
腹が立っているときのストレス発散にどうぞ。
もしかしたら、素敵な罵倒語が創出されるかもしれません。

今日はこういうスレから5レス分ほどご紹介したいと思います。

名詞、形容詞、説明文、写真、絵を描写しましょう。
☆ルール☆
1、お題の語意に適切なものを書くこと。
2、書いた人は次の人にお題を出すこと。
3、お題がかぶっても泣かない。とりあえず書き込め。

あとは昨日と同じスレッドから、二次創作の作品を二つほど。
板の魂たるオリジナル品は、予選当日に投下する予定です。
576名無し物書き@推敲中? :05/03/11 15:47:41 ID:+PAr4ral
■田舎に降る雪■
窓の外は一面濃い藍色。不規則に、白い断片が通りすぎる。
遠く夜汽車の汽笛が響いた。
次第に慣れてきた目に、藍の中の稜線。
うす黒く、うす白く、杉山がのっそりと眠る。

■雷■
ほんの一瞬のするどい光の少しあとにおだやかな低い音がとどく。
雑踏のざわめきにも似た、けれどもっと厚みのある、あたたかい音。
神鳴り、神が鳴らす音。
われは神なり─そう聞こえる。
確かにここにいる、と。

■深夜の公衆便所■
瞬く街路灯に衝突を続ける、蛾の羽音さえ聞こえてきそうな、深夜の公園。
枝を縦横に走らせ、肉厚の葉を茂らせた三本の街路樹に囲まれた、その公衆便所は、
刑場にも似た陰鬱さを漂わせて、暗がりの中に沈み込んでいた。
絶えず湿気をまとい、汚れるままの壁には刺激臭を塗り込めて、
何かしら人目を憚る空気を、その内側に潜ませている。
577名無し物書き@推敲中? :05/03/11 15:48:03 ID:+PAr4ral
■魑魅魍魎■
 それはどろどろとした流れだった。青白い光の流れ。
 よく見ればネズミがいる。人よりも大きなネズミ。それに狼。猪。鹿。角の生えた馬。
燃え上がる車輪。炎そのもの。人の体をもつ烏。何本も尻尾を持つ猫。狐。一つ目の大男。
角を生やした大男。人の顔をした犬。鎌をもった鼬。漂い従う長い布。蛇の尾をもつ白い虎。
耳まで口の裂けた、包丁を持つ女。長い舌を伸ばすセムシ男。人の顔を持つ大蜘蛛。道路を
埋め尽くすような白い大蛇。長い髭を持った角のある蛇。
 それが、どろどろと流れていく。ひどく静かに流れていく。

■二重まぶた■
ねむたげな印象を与える瞳は
どこも見ていないようですべてを見とおしているようで
すこし厚ぼったい瞼の二重の線から
私は目が離せない。

そんな私の視線など気にもとめていないようで
それでいてそれを遮断するように
自分と外界との間に
彼女は音楽の殻を作っている。
578名無し物書き@推敲中? :05/03/11 15:48:22 ID:+PAr4ral
■バナナの皮で滑り、豆腐の角で頭打って死ぬ■
わずか数センチの段差が男の運命を狂わせた。
つま先を襲ったわずかな衝撃とともに、バランスを失った上半身だけが前へと傾ぐ。
己の身に起こった事態を把握する間もなく、男は半ば条件反射のように右足を踏み出した。
が、体勢を整えるはずのその足が地面をとらえることはなかった。

ぐにゃり。
(……あれっ)
靴底を通して伝わる感触が何なのかを確かめる間もなく、どうにか持ち直しかけていた体勢に奇妙な
ひねりが加わった。
予測不能のまったくの不意打ち。
足払いを喰らったように倒れこんだその視界の端に黄色いものが映った次の瞬間。
―――がごっ!
脳天を揺さぶるようなショックとともに男の身体がアスファルトに転がる。
頬を濡らす生温かな感触と、視界に広がるおびただしい赤。
(そっか、あれバナナだったのか……カッコわる)
胸の奥で自嘲しながら、車の荷台から降ろしたばかりのダンボールに書かれた文字を男の目が追う。
遠のく意識の片隅で、男は自分がたった今頭からそこに突っ込んだことを知った。
〜特撰絹ごし豆腐<雅>   (株)シマダ冷凍〜
それが、彼の見た最期の光景だった。
579名無し物書き@推敲中? :05/03/11 15:48:43 ID:+PAr4ral
■迫り来る戦車■
深く、重たく、そして鈍く輝く巨人が
砂埃を巻き上げ金属片で繋がった両足で滑るように市街地を走る。

自分の街で聞きたくなかった この鉄の大きな力が近づく音、
昔まだここに平和があった頃、現実感を感じぬままにみたTVのあの音を
実際にこのみみで生で聞くとは思わなかった。

マットカラーに彩色された大きなその悪魔達は
ミシミシと小さな街の街路樹の枝をまげ、ねじ伏せ、
そして折り倒して 程なく街の中を凱旋するのだろう。

■砂漠の夜■
 満月の白金色に照らされた景観は、生あるものを容易くは受け入れない、
絶対的な存在が支配しているかのように思えた。零下にまで下がった気温が、
日の出と共に灼熱の地獄へと変貌する様は、すべてが風化されて
砂と化したこの世界をひたすらに肯定し続ける。ゆえに、移動はこの夜間に限られる訳だ。
 果てしなく歩き続ける。何も変わることのない、砂しか存在しないこの世界を。
580名無し物書き@推敲中? :05/03/11 15:49:06 ID:+PAr4ral
■「パンチラに異常なまでに興奮する中学生」を神秘的に描写■
校舎から体育館へ渡るには、この階段を歩いていかねばならない。
下から見上げると、階段の隙間から青空が見える。
トントントン、と軽快な音を鳴らし、誰かがやってくる。
見知らぬ女子だ。顔は分からない。どんな気分をしているかも分からない。
体育館へ行くというのに制服を着たままだ。生理だろうか……
僕はあんぐりと口をあけたまま、足の付け根にあるソレを見た。
……僕の青空、白くて柔らかいパンティーを。
八月の今日、1時50分。僕は夏の暑い日ざしの中で、静かに勃起した。

■初恋の女の子が遊びに来た■
机の上を整理した。
部屋じゅうに消臭芳香剤をふりまいた。
妹の部屋から白い円卓を借りてきた。
掃除機は二回かけた。
粘着ローラーを念入りに転がした。ベットの下にも。
いつもはそこに隠しているものはすでに別の場所へ移してある。

開け放たれた窓から五月の空が見える。
すべりこんでくるのは、今年はじめての薫る風。
581スネ夫の最期(1/2):05/03/11 15:49:36 ID:+PAr4ral
「中村くん、私はちょっとでてくるから……」
骨川はそう秘書に言い残して部屋を出た。
株式会社骨川商事。資本金1億円。骨川は2代目である。
社長の世襲には社内からの反発もあったが、結局初代社長であり、現会長の
父親が押し切った。社長とはいえ父親の傀儡。だが骨川は社内で髀肉を嘆きつつ
無為に時間を過ごすことを良しとしなかった。仕事がしたかった。
父親をあっといわせたい。そう思った骨川は父に黙って自らの会社を興した。
資金は幼馴染みに借りた。新会社の事業もその幼馴染み、剛田が取引先を
紹介してくれたことで何とか起動に乗る、筈だった。
骨川の目の前に大男が座っている。アルマーニのスーツ、腕時計はロレックスの金無垢、
靴はオーストリッチ。髪の毛は七・三にきっちりと分けられている。
「ジャ、いや、剛田さん。何とか、何とか手形の期限をジャンプしてもらえませんか!」
「スネ夫よお、俺も慈善事業でやってるわけじゃねえんだ。俺の金は俺のもの。
きっちり期限は守ってもらうぜ?」
582スネ夫の最期(2/3):05/03/11 15:50:26 ID:+PAr4ral
「そ、そんな。期限までに金を用意するのは俺には無理だ。頼む!後生だ」
「お前が駄目でも親父がいるじゃねえか。用立ててもらえ」
「親父に?駄目だ……今更そんなことできない」
「テメエじゃ金を集められねえ、親父にも頼めねえとなると、万事休すだな。
スネ夫、あきらめろ」
「……」
「……わかった。俺も鬼じゃない。ひとつだけ方法がある」
「ええっ」
「お前が所持している骨川商事の株式、全部俺が紹介する第三者に譲渡しろ」
「……どういうことだい?」
「俺たちは密かに骨川商事の株式を買い集めていた。そして、お前の持ち株を
あわせると、名義こそバラバラだが筆頭株主に踊り出る」
「ま、まさか!」
「そうだ。骨川商事を乗っ取る」
583清き一票@名無しさん:05/03/11 15:52:09 ID:KjmFMZpY
[[2ch11-nAyq0Mj.-PD]]
                 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            _○ <なす入り<<カレー>>が嫌いだと!?
             ノ>..,,,_\______________
       ,ィーァ-‐'"~<:::::::..... `ヽ
     r',, ;;=;;>:::::::::::::::::::::::. .::i  
      `-'rrー-fl、;;;,,..___;;;rr;:ノ
        ,||  .|i   ||  |i
        ,||   ||  ||   ||

            .....,,,_
       ,ィーァ-‐'"~ ̄:::::::..... `ヽ
     r',, ;;=;;>:::::::::::::::::::::::. .::i  
  ヽoノ `-'rrー-fl、;;;,,..___;;;rr;:ノ
  へ)   ,||  .|i   ||  |i
    <    ,||   ||  ||   ||
   ∧____________
  /そんな奴等は許さん、消すぞ!
  \_____________  なす様に消されたくなかったらカレー板へ
                            http://food6.2ch.net/curry/
584スネ夫の最期(3/3):05/03/11 15:52:51 ID:+PAr4ral
「そんな……。じゃあ、ジャイアン、いや、剛田さんが紹介してくれた
取引相手が姿を消したのも?」
「さあ〜?そんなやつの行方は知らないなあ?大方フィリピンあたりで
豪遊してるんじゃないの?」
「この……!……かっはっ……ぐぅ」
骨川がテーブルに突っ伏す。
「おや?社長、確か心臓病の持病持ってましたよね?急に立ったりすると
体に悪いですよ?」
剛田が伝票を骨川の方に押しやる。
「じゃあな、骨川社長。株式譲渡の書類、近いうちにサインしてもらいに行くぜ?
所詮、お前のものは俺のものなんだよ」
剛田を追わなければという思いとは裏腹に体が全く動かない。
視界から急速に光が失われていく。テーブルから床に崩れ落ちる。
ウエイトレスが甲高い悲鳴を上げる……
585清き一票@名無しさん:05/03/11 15:52:55 ID:KjmFMZpY
誤爆った
586水矛(1/5):05/03/11 15:53:36 ID:+PAr4ral
彼がそこについた時、そこには先客がいた。
彼女は今まで彼が一度も見たことの無い服で着飾って、大理石の前に手を合わせていた。
「あら、来たの」
彼女は振り返ってそういうと目をそらせ、二度と見ようとはしなかった。そして、水桶を手にしていそいそと墓前から退いた。
彼は背面からの斜陽を受けながら、花屋に白い目で見られながら買ってきた花束を手に抱えて墓石の前へと歩み出た。
「ヒーローの鑑ね。ライバルの墓参りに来るなんて」
帽子を脱いだドキンが蟻を潰すような口調で言った。墓標に頭でっかちの滑稽な影が落ちた。アンパンマンは手を合わせるでもなく墓の前に立っていた。不思議な気分だった。ついこの間まで憎みあいしのぎを削っていた相手が、今はその生涯を終えて永遠の眠りについている。
バイキンマンの死因は、天然痘だったという。おそらくは宿敵のアンパンマンを今度こそは倒すためにどこからか入手したものに誤って感染してしまったのだろうが、ばいきんの親玉とでもいうべき男が細菌にやられるとは、皮肉な最期だった。
「まさか、あいつが俺よりも早く逝ってしまうなんて、思ってもいなかったんだ」
アンパンマンが、ぽつりと言った。ドキンは何も答えなかった。
587水矛(2/5):05/03/11 15:54:17 ID:+PAr4ral
そう、終わりがあるとは思っていなかった。自分とバイキンマンとは、いつまでもこのままだと思っていた。
自分はいつまでもみんなのヒーローで、彼はいつまでもみんなの恨みを買う悪役であり…
しかし、そんな事が間違いだったと、あの日を境に知ってしまった。それも、自分だけが間違っていたのだと。
「なあ…あいつはさあ、僕を倒すために生まれてきたんだよなあ?」
アンパンマンはドキンに尋ねた。ドキンはアンパンマンの方を見ること無く答えた。
「ええ。そう聞いているわ」
「じゃあ…」
太陽はいつのまにか山の向こうに沈もうとしていた。
「僕は何のために生まれたのかな」
バイキンマンは、自分を倒すことが生きることそのものだった。
その理由は分からない。しかしだとすれば彼の生涯はそれなりに充実していたはずだ。一方、自分はどうだろう。
彼よりも先に生まれて、そして、彼の方が先に逝ってしまった。見ようによってはバイキンマンがアンパンマンの
人生の暇つぶしに存在したように思えるが、実際には…
588水矛(3/5):05/03/11 15:55:05 ID:+PAr4ral
「自分がバイキンマンよりも不幸だなんて思うんじゃないわよ」
ドキンは冷たく言った。
「それとも…あの葬儀がよっぽどショックだったのかしら、あなたには?」
アンパンマンの脳裏に、再びあの日の光景が蘇ってきて、柔らかいパン生地の顔がこわばった。
彼の目前にあるバイキンマンの墓には、「バイキンマン 享年16」と彫られた後に、こういう文字が刻まれていた。
「生涯みんなを振り回し町に活気を与え続けた愛すべき悪役 ここに眠る」


アンパンマンは湖の上を飛んでいた。あたりはどうしようもないほど薄暗かった。
アンパンマンの瞳の裏では、一月ほど前に行われたバイキンマンの葬儀の情景が再現されていた。
それは異常な光景だった。そしてそれを異常な事と思っているのが自分だけだということが異常だった。
589水矛(4/5):05/03/11 15:55:37 ID:+PAr4ral
町の大通りいっぱいに掲げられた、「ありがとうバイキンマン」の大きな垂れ幕。音楽隊の奏でる荘厳な音楽のなか、ドキンたちに担がれて町を行進した立派な黒い棺。そしていつまでも泣き続けた町の人々…ジャムおじさんも泣いていた。
バタコさんも、カレーパンマンも、食パンマンも泣いていた。ミミ先生も、学校のみんなも泣いていた。涙を流す者の中には、おむすびまんや鉄火のマキちゃんなど、わざわざ遠くから足を運んだ人々もいた。
アンパンマンだけが泣いていなかった。ただ、泣きたくなっていた。
そんな取り返しのつかない時になって、初めて気付いた。正義のヒーローと許し難い悪役という構図など、自分の中にしかなかったのだ。みんなはもっと高いところから自分たちを見ていたのだ。おそらくは、バイキンマンも。
湖面がまだ僅かに差し込む光を精一杯反射していた。その爬虫類の鱗のような波模様を見下ろしながら、アンパンマンはふと思った。
自分が死んだら、あれほどの葬儀が与えられるだろうか。
590水矛(5/5):05/03/11 15:56:08 ID:+PAr4ral
バイキンマンは自分を倒すという自己の目的と同時に、町のみんなに胸踊るアトラクションを提供するという公のための役目を、おそらくは自覚して行っていたのだろう。
もちろんそのアトラクションは自分の存在無しに成り立たなかったが、しかし彼のいない自分に一体何ができただろうか。悪役が活躍するのにヒーローは不可欠な存在ではない。しかし悪役無くしてヒーローは活躍できない。
ヒーローが悪役がいないのに活躍しようとしても、単なる「いいひと」になるだけだ。
自分が今までやってきたことは幼すぎた。そして幼さを脱して成長するための機会は、もう自分には残されていないのだ。
目の下のあたりのパン生地が湿っているのに気がついた。自分が泣いていることを知って、もっと泣きたくなってきた。バイキンマンのこと。自分のこと。今までのこと。これからのこと。
最近のこと。すべてが泣く理由だった。
眼下には薄黒い湖が広がっていた。飛び続けていると、涙が風に流され横に流れた。


その日がアンパンマンの生涯の最後の日になったことをみんなが知ったのは、四日後湖のほとりに流れ着いた彼の服が見つかった時だった。その服にはもう生命は宿っていなかった。
おそらくは誤って湖に転落したか、あるいは湖の上を飛んでいる時に雨にでも打たれたのだろうと思われた。その日は雨など降っていなかったのだが…
そして、盛大に葬儀が執り行われた。