第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-002

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493珍味板勝手支援SS するめ1/2
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なんでいつもここでオレは飲んでるんだろう。
そんな問いかけをいつものようにママにぶつける。ママって言ってもこの店の主は男だ。
ああ、「オカマのさぶちゃん」って言ったほうが通りがいいだろう。
客はほとんどいない。安酒のボトルばかりを並べた小さなスナック。
でてくるつまみはいつもスルメだけだ。

「化けママ、今日はいつもより化粧が濃いな。なんかいいことでもあったのか?」
「あらン、そんなことないわよ〜。あたしキレイになったのかしら〜」
けっと小さくつぶやいて水割りをあおる。
ママは小さなコンロに火をつけ、いつものようにスルメをあぶろうとしている。
ふと、その背中を見ていると、ちょっと変わった疑問が浮かんできた。
「なぁ、なんでつまみはいっつも当たり目なんだ?」
「やだん、そんなこと聞かないで。昔好きだった人の好物なのよ。
 それよりうちの店じゃちゃんと「スルメ」って言ってね。」
494珍味板勝手支援SS するめ2/2:05/03/07 17:48:05 ID:6UgNyRSx

「なんでだよ。普通飲み屋では「当たり目」だろ? じゃ、それもその「いい人」の言いつけかい?」
「うふふ、そんなんじゃないの。だってオカマの店で「当たり目」じゃ食べたくないでしょ〜」
からからと明るく笑うママを見ていると、オレはちょっといたずらしたくなってきた。
「おい、化けママ。今日はオレにそのスルメ焼かせろよ」

言うが早いか立ち上がって厨房に入ると、いやがるさぶちゃんをどかせてコンロの前に立つ。
あち、あちち。こりゃ見るとやるとじゃ大違いだ。
オレが焼いたするめは反り返り、あちこち焼けこげて見るも無惨だ。
「あーあ、すまねぇママ。こんなんなっちまった」
「ふふ、いいのよ。久しぶりに思い出しちゃった。あの人の焼くスルメもそんなんだったわ・・・」
どれ、今日はママに付き合ってとことん飲むとするかぁ。

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