第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-002

このエントリーをはてなブックマークに追加
487珍味板勝手支援SS 皮はぎ1/2
http://houjicha.mxx.jp/up/img/img20050307171948.jpg

幼なじみのキミちゃんは少し頭の弱い子だった。
親同士のつながりもあったし、近所づきあいもあったのだろう、
子供の頃は特に不思議に思わずにいつも一緒に遊んでいた。
小学校3年生くらいの頃、他の悪ガキ共と遊ぶようになったオレは自然と彼女とは遊ばなくなり、
いつの頃からか口もきかないようになっていた。
男女で遊ぶのが恥ずかしい年でもあったし、また、彼女が他の人と若干違うことを
うすうす気付きはじめた頃でもある。
まったく、子供とは時に残酷なものだ。
そういえば、あの一家が引っ越したのはいつ頃だっただろう・・・

「孝史、キミちゃん結婚するんだって」
久しぶりに実家に帰ったオレに母が告げた名前は、古いアルバムを見るまで思い出せなかった。
届いた小包に同封されていた手紙は彼女の母からのもので、キミちゃんが中学を卒業したあと
房総の海産物加工場に就職したこと、そして、近くの漁師と結婚することになったことなどが、
文面からもわかるくらい嬉しそうにつづられていた。
488珍味板勝手支援SS 皮はぎ2/2:05/03/07 17:23:26 ID:6UgNyRSx
興味のないふりを装いながら小包をあけると、何袋かの皮はぎのみりん干し。
そして桜色の便せんに書かれたオレ宛の手紙が入っていた。

たかしくんへ
わたしは、たかしくんがすきでした。でもいまは、にいださんといっしょにいたいです。
ここのうみはきれいです。いつかあそびにきてね。
                                    きみえ

キミちゃんの作った皮はぎをあぶると、少し甘く、そして少し苦い味がした。
おめでとう、キミちゃん!乾杯!

http://houjicha.mxx.jp/up/img/img20050307172021.jpg