第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-001
SF板、ミステリー板、ライトノベル板合同企画です。
予選04組に関係のある本を紹介します。
<<AAサロン>>
コナン・ドイル「踊る人形」
文字を絵にするのがAA。これは逆に絵を文字にする話。
踊る人形の造形がAAに似てるというのも。
<<アダルトV>>
小川勝己「眩暈を愛して夢を見よ」
失踪したAV女優を探すうちに巻き込まれる殺人事件。
AV業界の内側を描いた作品。個人的にお勧めだけど万人に薦められる作品じゃないことも確か。
<<コレクション>>
井上雅彦編・異形コレクション「蒐集家(コレクター)」
ホラーのアンソロジー。「集めること」がテーマの短編が集められている。
昨年急逝した中島らもの遺作「DECO-CHIN」も収録。
<<プロ野球>>
かんべむさし「決戦・日本シリーズ」
日本シリーズは阪急vs阪神の関西対決!
勝った方の電鉄は優勝パレードとして負けた方の線路を走る。
勝ったのはどっち!? 結末は2種類用意されてます。
絶版中、復刊熱烈希望。
海老沢泰久「監督」
万年最下位のセ・リーグのお荷物、エンゼルスが”広岡達朗”新監督を迎えて生まれ変わり、優勝争いをする話。
編集をして「野球を知らないのに面白くて読むのを中断することができなかった」と言わしめた野球小説の傑作。
なんと言って著者の野球に対する造形の深さが素晴らしい。
天童真「鈍い球音」
日本シリーズ目前にして、虎ひげだけを残して失踪した東京球団の監督。
その謎を追ってるうちに、今度は代理監督まで消えてしまう。着ていた丹前だけを残して。
長らく天童作品は入手困難だったんですが、最近になって創元推理文庫から全集が出ており簡単に入手しやすいと言う点も考えて、これを薦めたい。
<<ちくり裏事情>>
筒井康隆「おれに関する噂」
ある日突然「おれ」が全社会の噂の対象になってしまう。
30年以上前の作品だけど、ただの人がネットで晒されて
いきなり有名人に、という最近の流れとも似てるかも。
ジョージ・オーウェル「1984」
ある意味で2ちゃんねる(匿名掲示板)を代表するちくり裏事情には
同じくSFを代表する「1984」を。
<<演歌>>
牧野修「演歌の黙示録(エンカ・アポカリプシス)」
神秘主義系秘密結社の歴史+演歌の歴史という何だかよくわからない組み合わせの話。
「楽園の知恵」収録。『言葉』へのこだわりが異様に強い短編集。
石原藤夫「ヒノシオ号の冒険」
演歌SFと言えば石原博士しかあるまい。「ヒノシオ号の冒険」か。
<<DTP・印刷>>
真保裕一「奪取」
突如、友人の背負った借金を返さなければならなくなった手塚道郎は
窮余の一策として、ATMの監視"のみ"を潜り抜ける偽札作りを思いついたが・・・
印刷技術の粋「紙幣」への挑戦を鮮やかに描いた作品。
京極夏彦「魍魎の匣」
京極夏彦の本は作者自ら段組を手がけ、ページの終わりで
文が途切れないようになっていることで有名。
新書から文庫への移行時もわざわざ文字を組みなおすという徹底ぶり。
京極堂シリーズから、ミステリでもありSFでもある本書を。
<<食べ物>>
アイザック・アシモフ他「16品の殺人メニュー」
食べ物テーマのミステリーアンソロジーは数あれど、これは特にフルコースに拘った一冊。
スープに始まり、前菜、メインコース、香辛料(!)、デザート、果ては飼い犬へのお土産まで。
贅沢なフルコースをとくとご賞味あれ。
<<ファッション>>
バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』ハヤカワSF
「服は人なり」わがカエアンの服飾製品は全宇宙で高い評価を得ております。
それはあなたを内側から変えます。
文字通り、あなたを変容させてしまうのです。
でですね。今回の騒ぎなんですが。
カエアンクチュール界の帝王フラショナールがわずか5着だけ製作したという
あの幻のスーツが、難破した宇宙船から発見されたんですよ!
まあそのおかげでエライことになってしまったわけなんですが……
<<レンタル鯖>>
朝暮三文「殺しも鯖もMで始まる」
鯖つながり。レンタルサーバーはもちろん、魚の鯖も出てきません。
三田誠「レンタルマギカ」
レンタルだけしかあってないじゃん。
<<ほのぼの>>
北野勇作「かめくん」
カメ型ロボットのかめくんが人間に混じって働いたり
昔いたかもしれない火星のことを思い出したりするほのぼの系SF。
増子二郎「ポストガール」
雨宮諒「シュプルのおはなし」
ほのぼの系ライトノベルというとこの二つが思い当たる
ポストガールは女の子のロボットが荒廃した世界であちこちに手紙を運ぶお話。
シュプルのおはなしはシュプルがおじいちゃんの持ち物を見ては
お話を創作してみんなに聞かせるというお話。
<<カラオケ>>
清水義範「金鯱の夢」
豊臣家が天下を取って名古屋に豊臣幕府が開かれていたら?
作者の名古屋への愛にあふれる歴史if小説。
”名古屋時代”の町人文化として「空桶」なるものが出てきます。
<<情報システム>>
佐藤哲也「熱帯」
システム開発会社でのデスマーチにCIAやらテロリストやら水棲人が絡む話が
ギリシア叙事詩的に無駄知識満載で描かれる。
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『バベルの図書館』(岩波文庫『伝奇集』所収)
「不定数の、 おそらく無限数六角形の回廊で成り立っている。
どの六角形からも、 それこそ際限なく、 上の階と下の階が眺められる」
この図書館は際限なく大きい。
大きくなければいけないのだ。
アルファベットのうち25文字、スペース、コンマ、ピリオドによるあらゆる可能な組み合わせが、
「一冊410ページ、80字40行」という蔵書群のなかにすべておさめられているからである。
結果、バベルの図書館の膨大な蔵書は、過去から現在、未来にいたる
あらゆる言語で表現可能なあらゆる記述を網羅することになった。
人々は考えた。「それならば、私の未来を記した本だって見つかるはずだ!」
だが、そんなにうまくいくはずがなかったのだ……
エーコ『薔薇の名前』の修道院文書館はこれのオマージュであるのは有名。
石原藤夫「コンピュータが死んだ日」
<<広告業界>>
岡嶋二人「どんなに上手に隠れても」
売り出し中の新人歌手がカメラのCMに起用された矢先、誘拐される。
商品のイメージダウンを避けるため、宣伝部マネージャーはこれを利用しようと奔走するが…。
人攫いの岡嶋とまで呼ばれた岡嶋二人の誘拐ミステリーの傑作です。
ロード・ダンセイニ『風景』(ちくま文庫『妖精族のむすめ』所収)
なんと全文を一挙掲載(商業的使用ではありません 念のため)
「広告屋は、遠い丘の上に立つ大聖堂の高楼を見つけたとき、
その風景をつくづく眺めて泣いた。
『ああ』とかれはいった。
『これがもしも、
とってもおいしくて栄養満点
あなたのスープにもぜひお試しください
御婦人もおおよろこびなさる
【ビーフオの牛肉】
の宣伝に使えたらなあーー』」
仄暗い神々の世界と煌めく都市の物語を創造したダンセイニ卿(1978-1957)だが、
こんな脱力系小咄も書いていたとさ。
<<国際情勢>>
上遠野浩平「殺竜事件」
「戦地調停士」が登場。現実世界にいたら紛争を解決してくれるかな。
<<恋愛サロン>>
オットー・ペンズラー編「愛の殺人」
「愛」がテーマのアンソロジー。かなりレベル高いです。
新井素子「結婚物語」
<<メルマガ>>
「蓬莱学園」
PBMから派生したシェアードワールドもの。
<<既婚女性>>
小林めぐみ「食卓にビールを」
主人公が16歳の高校生で人妻という変わった作品。
それでいてSFコメディってんだからわけが解らない。
新井素子「新婚物語」
<<難民>>
ジェフ・ライマン「征たれざる国」
カンボジア内戦をモチーフに、戦争で家族も故郷も失って
それでも生きていく女性の姿を幻想的に描く。
「20世紀SF 80年代」に収録。
小松左京「日本沈没」
<<大河ドラマ>>
「宇宙英雄ローダン」シリーズ
不老不死の執政官ペリー・ローダンを主人公とした超大河スペースオペラ。
日本語訳は33年かかって今年300巻突破、でも本国ドイツでは既に1000巻以上。読みきれねえorz
フィリップ・ホセ・ファーマー 「リバーワールド」シリーズ
なぜか全人類が大河のほとりに生き返ってしまった!
ひたすら大河が続くだけの意味不明な死後の世界。
主人公マーク・トウェインは念願の蒸気外輪船「貸しません」号を建造、
大河の探険に乗り出すことを決意した。欠地王ジョンやイエヤスも登場。
<<nntp>>
多島斗志之「龍の議定書(プロトコル)」
プロトコルだから・・・
<<法律勉強相談>>
ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」
ファーストコンタクト早々、殺人事件を起こした宇宙人。ホワイダニット系法廷ミステリ&SF。
師走トオル「タクティカル・ジャッジメント」
鏡貴也「武官弁護士エル・ウィン」
両作品とも弁護士が主人公の為
<<シベリア超速報>>
水野晴郎「シベリア超特急連続殺人事件」
かの有名な「シベリア超特急」の原作。
<<シミュレート>>
グレッグ・イーガン「順列都市」
コンピュータに人格をコピーして不老不死になろう、な話
<<航空・船舶>>
スティーヴン・キング「ランゴリアーズ」
旅客機から数人を残して乗客が消失、しかもモンスターが襲ってくる。
キング得意のパニックもの。中編なのに文庫1冊分の長さなのも流石。
柳田邦男「マッハの恐怖」
航空・船舶板の住人なら普通に読んでそうだが。
ドキュメンタリーだけど、航空事故の原因を究明するミステリーとしても読める。
<<スポーツ画像>>
深見真「ブロークンフィスト」
腹筋(;´Д`)ハァハァ
<<シャワートイレ>>
喬林知「今日からマのつく自由業!」
主人公はトイレの便器から異世界に飛ばされて、そこで魔王として祭り上げられてしまう。
男同士が過剰に仲のいいタイプの少女小説なので読む人を選ぶとは思うが。
あと主人公が伊東勤捕手(1巻出版当時)のファンという設定でプロ野球ネタも出てくるのでプロ野球板にもいける。
筒井康隆「最高級有機質肥料」
以上です
予選04組の皆さん頑張ってください