【絶版】学研ボランティア用語事典【回収】

このエントリーをはてなブックマークに追加
45バリアフリーな名無しさん
 また「B」の事例とは、たとえば<奉仕活動>の説明として「ボランティア活動より、責任と義務が重要となる活動
だ。小・中学校でも、ボランティア活動より、奉仕活動に取り組むべき、との意見が出ている」と表記されています
が、このような決め付けは筆者の個人的見解と言わざるを得ず、世界各地でボランティア活動に取り組む人々を愚
弄する表現とさえ言えます。また、<クラフトエイド>についての説明として「途上国のものは全部が全部よいとは
限らないが、安い。〜略〜 土産物としてなるべくたくさん買うことが、ボランティア活動になる。日本では数倍に売
れ、その売り上げでまた買いに行く人もある」とあり、ここにはフェアトレードの視点がまったくと言っていいほど欠如
しています。このような例もまた、極めて多数あります。
 さらに「C」の事例は、「お年よりは、お茶を飲みながら、話し相手になってくれるだけでも喜ぶ」といった、ある特定
の高齢者イメージを植えつけかねないような表現が頻出しているもので、これも著者の人権感覚を疑わざるをえま
せん。
 そして「D」の事例としては、たとえば<点訳ボランティア>の項で、現在、主流となりつつあるパソコン点訳につい
てまったく触れられていないなど、ここ数年のボランティア活動の広がりを調べないままに原稿がまとめられたのか
と疑う表記も多数あります。
 本書は小・中学校の図書館などで、生徒が学習する際の参考書として編集されていると考えられますが、元来、
最大限客観的で正確な記載を行う努力が求められるべき「事典」であるのに、全掲載語の半数を超える用語に重
大な問題があることになります。老舗出版社である貴社の発行図書とは思えない杜撰な内容ですが、このような内
容では、これを参考にする子どもたちに、間違った(あるいは偏った)知識を与えてしまう可能性が大きく、その社会
的悪影響は極めて重大だと考えます。

 そこで、本書を速やかに販売中止にするとともに、本書の回収を行い、もし改訂版を発行されるならば、旧版との
交換を行うなどの処置をとるべきだと考えます。