田中幹保監督を応援して語ろう

このエントリーをはてなブックマークに追加
100田中ミッキー
 ジャーニのトレード科がなんと4億円

 気になるA1リーガーたちの年収は、平均で400万から700万円だそうである。最高はフォーミンの6500万円(年棒が高騰していたときに3年契約を結んだので、次回更改時には3000万円ほどになる見込み。外人選手の契約には〃金プラスアパートプラス車プラス航空券〃などが含まれている)。
 ミラノチームのゾルジ、ルケッタ、ストーク、サムエルはほば同額で2700万円。ただし、ゾルジはナショナルチームや個人契約しているスポンサーからの収入を含めると、倍額以上に跳ね上がる。
 彼らの収入が高いのか低いのか、ちょっと判断に苦しむところだが、一般的なイタリア国民の年収が120万円ほどだというから、やはり高額収入に違いない。3年ほど前には年棒契約金が異常に高騰して、トップクラスは1億円にも達していたが、イタリア経済の悪化があり、現在のレベルに落ち着いているようだ。
 余談だが、ブラジル協会はイタリアに選手を出す際、選手一人当たり3000万円ほどのレンタル料をとるそうだ。ある協会関係者が、「ブラジルは、イタリアの金とシステムを使って(バルセロナ五輪で)金メダルを取った」と、冗談とも本音ともとれる話をしていた。
 今シーズンのA1リーグは、すでに終了して、トレビッソがミラノを破って優勝した。現在は、ストーブリーグが真っ盛りで、各チームともに新しいチーム作りに向けて余念のない日々を送っているようだ。
 ポイントは、来シーズンはプレーしないことが決まっているブラジル選手(アトランタ・オリンピックまでブラジル協会がプレーを禁止した)の穴をどうするかということで、補強に努めようとするチームと、それにつけこんで、少しでも選手を高く売りつけようとするチームとの間で、虚々実々の駆け引きが繰り広げられている。
 選手のトレードの際には、協会で決められた選手評価額算定法(年齢、ナショナルチーム在籍年数などを勘案)に沿って金額が決められることになっているのだが、最終的にはチーム間で決着する。
101田中ミッキー:2001/08/08(水) 23:58
 現在最も高い評価額(移籍料)の選手はジャーニで、4億円にもなるのだそうだ。所属チームのパルマは、ジャーニとブラッチを放出して経営危機を乗り切ろうとしているのだが、苦しいのはどこも同じで最終的には2〜3億円で決着する見通しのようだ。
 そのジャーニを、今シーズン優勝したトレビッソが獲得に動いている。さらにトレビッソは、ネグロンの抜ける穴にフォーミンをもってきたい意向もある。もし、この二つのトレードが実現すればとてつもないチームが出来上がることになる。
 セッターがトフォリ、センターにガルディーニとジャーニ、エースがベルナルディーとズヴェルフェル、そしてセッター対角にフォーミンが入る。正に世界最強、〃バレー版ドリームチーム〃といってもいいだろう。
 親会社のベネトンは金は出すといっているようだが、戦力不均衡を理由に他のチームが猛反対。さらにナショナルチームのベラスコ監督の要望で、外人選手枠が1チーム一人になりそうな雲行きもあって、どうやら実現は難しくなってきたようだ。
 最後に、イタリアのバレーボールが興行として、どのくらいのものかを示す話をして今回の稿を締めくくりたい。
 ミラノチームのオーナーは、今回の選挙で一大旋風を巻き起こしたベラルルスコーン氏だったが、首相就任後に勇退した。同じクラブにサッカーの名門チームACミランなどもある。クラブはビジネスとしてのうま味はなく、節税対策、社会への利益還元、広告価値の意味合いが強い。この世界では親会社の赤字をチーム所有権の売却料、選手の移籍料で埋め合わせることが頻繁に行われている。ジャーニのトレードは、その好例である。
 昨年のミラノチームの実績、観客動員数は6万4810人で一試合平均2160人にすぎない。収益は3500万円で、これも一試合平均に直すと116万円にしかならない。チームの年間予算が5億円だということから考えても、独立採算にはほど遠いことがよくわかる。
 しかし、ミラノチームはまだよいほうで、A2のチームにいたっては外人選手も雇えないのが現状である。こういったイタリアプロリーグの現状、また、日本における実業団スポーツの相次ぐ休・廃部を見たり、聞いたりするとき、ちょっと寂しい気にさせられる。
 それは、しょせんスポーツは裕福な国や優良企業の下でしか発達しない、富と余裕の副産物でしかないのか、ということである。