http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-05-28/11_01.html 「キャー」という悲鳴にも似たファンの黄色い声援がコートを包みます。アイドルグループの歌が大音量で流れ、「スティックバルーン」と呼ばれる応援グッズをみんなでたたき「ニッポン、ニッポン」の大応援。DJが「いくぜー、ニッポン」とさらにあおる――。
テレビ局が演出
連日、熱戦が繰り広げられているバレーボール五輪世界最終予選の会場の様子です。あまりの大きな音に耳栓をする記者も現れるほど。コンサート会場さながらで、これが本当に国際的なスポーツ大会の場なのか、との思いが強くなります。
こうした演出は「すべてテレビ局側の判断です」(日本バレーボール協会広報)。地元のチームやひいきの選手を応援するのは自然ですが、問題なのは、これが、大会の主役であるはずの選手に影響を与えていることです。
日本の男子チーム、小林敦主将は「(始まる前に)ショーなどがあって、ウオーミングアップしてから試合までの時間が長く、体が冷える」と話しました。オーストラリアのダニエル・ハワード主将は「あまりの声援に神経質になった」といいます。
本来なら、選手が集中して試合ができる環境を提供するのが国際バレーボール連盟や日本協会ら主催者側の務めです。しかし、運営の多くにテレビ局の意向が働き、現場に影響しているのが現状です。