悪い夢を見ていたかのような思いが
仲間達の笑顔によって・・・・消えた。
1人じゃない。私は1人じゃない!!
・・・・と栗原
竹下は眠れなかった。韓国戦に敗れたのが原因だった。
ケニア戦に負ければ予選敗退だった。日本は崖っぷちに追い込まれていた。
ミーティングで吉原は言った。
「あとは攻めるだけ!攻めるだけ!攻めるだけ!」
選手達は一層不安になった。自分達のプレーに自信が無かった。
竹下は思った。「また4年前を繰り返すのかと」
その時、若い面々の顔が浮かんだ。大山、栗原、木村だった。
誓った。この子達だけは守ってあげたい。次負ければ後がない。
その時だった。部屋をノックする音が聞こえた。
最年少の木村だった。木村は言った。
「テンさんまだ起きてたんですか、みんなウォッカで盛り上がってますよぉ」
隣の部屋から佐々木と高橋の騒ぐ声が聞こえた。深夜の2時だった。
竹下は涙が止まらなかった。竹下の腹は決まった。
「あの2人にトスを上げるわけにはいかない」
窓にはもうアテネの強い日射しが滲んでいた。
吉原は今日も食欲がなかった。食傷気味でもあった。
食堂にはみんなもう集まっていた。吉原の口にギリシャ料理は合わなかった。
明日のケニア戦のことが頭を過ぎった。
やはり一向に箸は進まなかった。大友、杉山も食欲はないようだった。
その時だった。「きゃははは、食べ放題!飲み放題〜!」
若い大山と木村だった。大盛りの皿はフィニッシュに入っていた。
デザートコーナーのケーキは着実に無くなっている。後がない。
吉原の腹は決まった。「今獲りにいかなければ自分の分は恐らく無い」
大友、杉山の気持ちも一緒だった。吉原は必死だった。
得意の速攻をかける3秒前の出来事だった。
葛和「ここで最大集中や!!」
思いは・・・通じなかった・・・・
49 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 12:03 ID:7hXxvzVm
大山はこの日も悩んでいた。試合に出れたのに勝つ事が出来なかったからだ。
韓国に負け、チームのムードは最悪だった。何とかできる一戦だった。
その時だった。ドアから入ってきたのは柳本だった。
「次はスタメンで行くでぇ」
「はい!」大山は元気に答えた。
「エースだったらチーム救ってみぃ」
大山の腹は決まった。ケニアを倒せるのは私だけだ。やるしかない。
後輩の木村は刻一刻と成長している。ここで歩みを緩めるわけにはいかない。
大山は部屋を出てランニングに出かけようと思った。
その時だった。柳本と木村がパス練習をしていた。まさに現場だった。
大山は思った。「パワーだ、皆を唸らせるパワーが欲しい」
丁度そのとき、室伏が通りかかった。この人に弟子入りしよう。
大山が砲丸投げで金メダルを取る4年前の出来事だった。
最後の1行ワロタ
>>51 02年アジア大会で室伏が高校生だった加奈を見つけて
投擲にスカウトしたがったのはマジ話。
アテネの選手村では室伏一家が加奈に接近してるかもしれないぞ。
竹下はいつになく不安だった。
この部屋でミーティングを開くことになっていたからだ。
竹下は思った。「今日はこれまでで一番の修羅場になる。」
無意識のうちに割れ物を探していた。被害は免れないと思った。
みんなが入ってきた。早速吉原が言った。
「今日はみんなの思ってることを言い合おう!」みんな顔が強張った。
吉原はいつものように順番に振るつもりだった。
竹下はレシーブ陣に言いたい事がたくさんあった。今日は高橋から始まった。
「ネット付近の処理が下手ずぎた。セッターのミスが多すぎる」
竹下は言った。「もう限界!こんなレシーブの下手なチームでセッター何
か出来るわけない」若いメグカナは相変わらず口を閉ざしたままだった。
佐々木のまばたきは既に秒速に達していた。
その時だった。木村が重い口を開いた。
「私がセッターやりますぅ」誰もが閉口したままだった。
吉原は言った。「言いたいのはそれだけ?」
木村の愛らしい顔がみるみる鬼のような形相になった。
「ふぁぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ」
木村がキレた瞬間だった。
手には魚肉ソーセージを持っていた。
55 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 13:45 ID:12i2Cr1N
56 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 14:55 ID:YNOEpvrf
職人のお陰で良スレになったなw。
58 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 15:44 ID:qAzaWIIv
>>57 そうだねw なかなか楽しいスレですね。
日記スレみたく反乱して欲しくないと切に願う・・・・。
59 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 15:47 ID:Fmr5XYy9
>>59 そうそう。N○Kもいい番組あるんだよね。
「吉原のご近所のソコヂカラ」とか「クローズアップ
現代のガマ」とか。w
そーいう問題じゃなかった?スマソwww
60 :
名無し@チャチャチャ:04/08/22 16:34 ID:1r79gazH
続きを読みたいのであげてみる
62 :
名無し@チャチャチャ:04/08/24 11:57 ID:oJN4okV1
やべ、下げちゃった。もういちどっ
ID:oJN4okV1←ところで俺のIDかこよくない?
柳本監督に秘策はあった。
セッター木村である。
この方針をはじめは疑問に思っていた人間がいた。
キャプテン吉原である。
吉原と木村は相性が悪いのかコンビがまったく合わないのである。
でも、吉原は速攻に入り続け、木村はトスを上げ続けた。
そのうち不思議と2人の気持ちは共鳴し、いつしか2人は一糸乱れぬコンビネーションをを手に入れていた。
・・・そして中国戦。
木村はセッターとしてコートに立っていた。
吉原は跳んだ、速攻に跳んだ、ブロードに走った。
でも、トスは吉原には上がらなかった。
吉原「さおりは私を使う時を待っている・・・!本物のセッターになったわね、さおり!」
吉原は跳んだ、カットが悪くても跳んだ、1人時間差も一応跳んだ
気がつくと中国にストレート負けしていた。
吉原にはトスは一本も上がらなかった。
吉原「さおり・・どうして私にトスを上げなかったの・・・?」
木村「?(きょとーん)」
数年後・・・
引退した吉原は解説席に座っていた
コートではレフトで大活躍する木村の姿があった
吉原「木村選手はセッターもできるんですよ」
誰もが忘れた1度だけのセッター木村
吉原だけは永遠に憶えていた
竹下は悩んでいた。
中国に自分のトスがよまれている事を…。
中国はわかっていた。
若い力のあるサイドアタッカー陣、センターのブロード攻撃、全ては竹下から始まる事を…。
竹下は意を決した。ベンチをみると柳本が小さくうなずいた。
木村に耳打ちする竹下…。
その時、日本バレー界を栄光へと導くフォーメーションが完成した。
歴史が動く瞬間だった。
その時の様子を木村はこう語る。
「テンさんがいきなり私に『しゃがみな!』って言うから、怒られると思って、頭かかえたんですよ。」
つづく?
>64
「そしたら、テンさんが『ヒナ、キャベツ太郎ほしい?』って言うから、ほしい〜!っていったんです。」
「『ほしかったら、セッターやりな、中国のブロックをほんろうさせたら、2袋あげる。』って言われたんです。」
ダブルセッターが誕生した。
これで竹下もサーブレシーブができる。守りは完璧に近づいた。
しかし、木村のトスが練習の時よりも速い、どこへ飛んでいくかもわからない。
確かに中国ブロック陣は翻弄され、竹下のトスもよまれなくなった。
練習と違う。柳本がすかさずタイムを要求した。
つづく?
「木村、どうした?練習と違うぞ。」
「はい。」
「これでは、中国どころか、アタッカー陣まで翻弄されてるぞ。」
「でも、監督!敵をあざむくには、まず味方からって…。」
木村は天然だった。
この時、吉原、栗原、高橋、大友は思った。
「敵は中国ではない、木村だ。」
アタッカー陣の団結力、集中力は鬼気せまるものだった。
竹下の正確なトスと、木村の理不尽なまでに速いトスで、中国はパニックにおちいり、
最終セットまでもつれ合うゲーム展開となった。
だが、最終セット、全日本に最大の危機がおとずれようとしていた。
吉原が戦線を離脱した。
ブロード時に足首をひねった。
杉山があわててコートに入った。
柳本の脳裏に不安がよぎった。
杉山は木村のトスについていけるか?
指揮官は悩んだ。
しかし、杉山は木村に翻弄されなかった。
木村の理不尽なトスに変わりはない。だが、杉山は何も違和感なくプレイしている。
杉山も天然だった。
日本リードのままマッチポイントを迎えた。
69 :
名無し@チャチャチャ:04/08/26 07:07 ID:H7VgcDYp
続き希望
マッチポイントを迎えた日本だったがやはり中国は強かった。
逆に日本はマッチポイントを握られた。
前衛は大山、大友、木村、日本最強、最高の前衛だ。
栗原のセンターからのバックアタックもある。
監督はこのマッチポイント凌ぐ自信があった。
中国のサーブ、大山が打ったが拾われた。
絶体絶命のピンチ。
中国の早い平行、大友はついて行けない。
木村はブロックに跳んだ、なんとなく跳んだ。
日本のストレートが弱かった事を知っていた中国は木村のブロックにかけてしまう。
竹下がなんなくワンチのチャンスボールをあげた。
2セッターの強み、前衛の木村がトスを上げる。
大友はブロードにはしった、大山はレフトをよんだ、栗原はバックアタックをよんだ。
次の瞬間、誰もが目を疑った。
木村の選択は大山でも大友でも栗原でもなかった。
ライトにバックアタックのトスが上がった。
そこに走りこんだのは竹下であった。
竹下は跳んだ、158cmの竹下が50cm跳んだ。
竹下のバックアタック!
あわてる中国のブロッカー、しかし間に合わない。
がら空きのストレートを狙って強打する竹下!
(ばしゃっ)
竹下の放ったバックアタックはむなしくネットにかかった、白帯の遥か下にかかかった。
試合終了、日本は負けた。
竹下「ずっとスパイク打ちたかったんです」
監督「秘策でした」
木村「ヒサクです」
杉山「テンさんアタックラインも踏んでたけどね、ぷっ」
大村「どうして私をつかわない!」
71 :
名無し@チャチャチャ:04/08/26 18:56 ID:6+9oUH/u
おもしろ杉山
73 :
名無し@チャチャチャ:04/08/26 20:32 ID:ZYp4Khc2
50センチも飛んだのかw
気持ちよく寝れそうです、またよろしくねぇ^^
>>70 50cmかぁ
・・・!!
いつもより跳んでないじゃないか!!?
竹下はスパイクジャンプは70cmくらい跳ぶぞ!!?
アテネ五輪は終わった。惨敗だった。
原因は日本のバレー界にろくな指導者がいねぇことだった。
その最たる例はG県の菊地K之だった。
とにかく差別は激しいし、口もかなり悪いし、自分のことを棚に上げて
平気で人をバカにしたり中傷したりするわで人格は最悪だった。過去にインター杯に
何回も出たとかで有名になってるみたいだけど、明らかにそれを鼻にかけて
傲慢になってるとしか思えなかった。
あんな超陰険な人格劣悪者が協会の上の方で威張り腐ってるようじゃ
日本のバレーは強くなるハズがないと思った。事実、そいつが嫌で
かなりの奴がやめていったし、県選抜にまで選ばれたほど上手い奴も
やめちまった。
誰かあの極めて陰湿なクソジジイを即行でこの世から葬り去ってほしかった。
>>50-52 帰国後の解団式かめダル&入賞者が文部省に集められたときに
加奈と室伏が接近する機会があったかもしれない。
室伏スレッドでは嫁候補の1人になってるよ。
78 :
名無し@チャチャチャ:04/09/09 17:22 ID:y/uNhcjy
43が最高だな
79 :
名無し@チャチャチャ:04/09/18 21:32:25 ID:NrxMGef9
良スレage
栗原は悩んでいた。決めなくてはならない時に決められるエースになりたい。世界に通用する真のエースになりたいと。
同期の大山も、もちろん同じ気持ちだった。力が欲しい、誰にも受ける事のできないスパイクを確実に打ち抜けるパワーが欲しい。
二人はいい意味でのライバル、全日本の中では共に戦い、共に高めあえる仲間だ。
悩んだ末、栗原は大山の所属する東レに足を運んだ。今の私達には課題が多すぎる。四年間なんかあっという間だ。将来日本のバレーを背負う私達は動き出さなくてはならない。先輩達がくれた物を無駄にしてはならない。まず対策を立てなくては。。そして二人は動きだした。
四年後、二人は輝かしい晴れ舞台で日本国民全員を感動の渦へ導く事になる。
バレー界の歴史に残る、全日本女子バレーが五輪でメダルを取る四年前の出来事だった。
81 :
名無し@チャチャチャ:04/10/08 11:20:39 ID:r0HB9nit
70の続きキボンヌ
83 :
名無し@チャチャチャ:05/01/25 16:30:16 ID:cmDj4PSy
婦人公論に吉原さんのインタビューが載ってたけどグッと来た。
保守
85 :
名無し@チャチャチャ:2005/03/31(木) 18:21:22 ID:0oA5PHhO
おもしろすぎ!!!!!
86 :
名無し@チャチャチャ:2005/04/02(土) 09:51:48 ID:NzMhfxvL
age
87 :
名無し@チャチャチャ:2005/04/02(土) 10:29:30 ID:DFD0lop6
70続ききぼん。
自作自演ばかりでつまんないね。アホらしい。
>>70 日本に戻った全日本女子は、最強中国に大健闘と国民に温かく迎えられた。
柳本、木村、そして竹下を除いて。この3人は戦犯として、世間から批判された。
そして、監督は柳本から中田久美へ受け継がれた。
中田の新チーム作りが始まった。
徐々にバレーボールの人気は増えていった。流行語大賞に「テメーラコノヤロー」が選ばれた。
日本バレーの人気が野球サッカーを抜く。
そして、バレーボール男子が五輪出場をはたす4年前の出来事だった。
あとは頼んだ職人
90 :
名無し@チャチャチャ:
竹下とサオリンの2セッター論が出てきて
このスレを思い出した。
>>70の続きは書けるのか?