レオメグと愉快な仲間たち43

このエントリーをはてなブックマークに追加
86世界一のかあちゃん(1)
最終予選が終わってから、私は目標を見失っていた。
このチームはオリンピックに行く。
チームを“12の闘士”とか“雌豹軍団”なんて呼ぶ人もいるけれど、私には自分のこととして考えられなかった。
私は、どうしてもこのチームを「うちのチーム」と思うことができなかった。
それは、やっぱり私のモチベーションが、他の子たちと比べて低いからなんだろうか。
いつも心のどこかで「私は勝つために呼ばれたのか」と自問している自分がいた。
私は、身体的にも精神的にも、もうトップアスリートとは言い難いし、今更その道に戻るつもりもなかった。
昔・・・10年前までは、その道を究めようと思った事もあったけれど。
私は、アスリートとしてではなく、チームを、それからトモを支えるためにだけ呼ばれた。
それはわかっていた。私のプレーに期待する人間はここにいないし、それは自分が一番よくわかっている。
でも・・・時々、とても虚しくなった。私はこんなところで何をやってるんだろう。子どもも、家庭もほっぽり投げて。
果たしてここが本当に、私の居るべき場所なんだろうか。
そんな思いがあったからだろう。OQTの韓国戦のあと、私は、ホッとしてしまった。それは事実。
勿論、アテネの切符を取れたことは嬉しかった。頑張ってきた事が報われた、そう思った。
でも、それと同じくらい、私の仕事は終わった、これで家に帰れるんだ、って、ホッとしてしまったのも事実だ。

監督が、私を見ている。
コートに入っていない時・・・練習の合間の、ちょっとした休憩の時にも、視線を感じた。
見透かされてる、と思った。私の心が、他の子より一歩下がったところに居るってことに、この人は気づいている。
監督の眼が、どこまでもついてくるような気がして、怖かった。でも私は、気づかないふりで、みんなと笑った。
87世界一のかあちゃん(2):04/08/10 00:03 ID:9YhMjt1Z
ヨーロッパ遠征に出掛ける3日前になって、監督がみんなを集めた。
「遠征ではトモを外す。チエ、おまえがキャプテンやれ」
トモは前もって聞いていたらしく冷静だったけど、みんなは・・・顔には出さなかったけど、戸惑ってるのがわかった。
トモ抜きで試合をして、中堅を鍛えようという監督の目論見。OQTで得た最大の課題の一つを、ここでクリアしたい、という思いがあってのことだろう。
それにしても・・・私がキャプテンか。自分でも寂しくなるくらい、闘志は湧いてこなかった。
練習に一層精を出す中堅たちを横目で見ながらキューのところへ行くと、もうキャプテンマーク付きの、背番号2のユニフォームが出来上がっていた。
・・・・・・いつものことながら、強引だなあ・・・。

遠征は、惨敗だった。
チームは、ひとつのイージーミスからガタガタと崩れた。
テンの低くて速いトスに慣れたアタッカーたちと、私のトスはとことん合わなかった。
私の身体は・・・・・・動かなかった。
相手のスパイクが打ち込まれる。そこだ、とわかっているのに、コンマ数秒、踏み出すのが遅れる。
悔しい。・・・・・・悔しい? なに言ってるの。私がここにいるのは、このチームが強くなるため、それだけ。
「トップアスリート」の地位も心も、とっくに捨てたはずじゃないの。
突然湧きあがった感情に蓋をしようとしても、感情はどんどんどんどん湧き上がってきて、抑える事ができなくなっていった。
私は・・・・・・。こんなはずじゃないのに。

遠征中、オリンピックメンバーが発表され、私は残った。
嬉しい、というよりも戸惑いの方が大きかったように思う。
どうして私? 私でいいの? 私より強い願いを持った子は他にいるのに。
私の名前を読み上げる時の監督の眼が、突き刺さるようだった。背中を、冷たい汗が流れた。
88世界一のかあちゃん(3):04/08/10 00:05 ID:9YhMjt1Z
帰国後は、毎日徹底的なワンマンが待っていた。
身体が動かない。ボールが打ち込まれる。頭がぼうっとして、何も考えられなくなる。足が動かない。
「おまえだけ特別か!」
そうよ、だって私はプレーで呼ばれたわけじゃないんだもの。
「代表なら代表らしくせい!」
だから。私はプレーで呼ばれたわけじゃないじゃない。
「荷物もって、泣いて帰った奴もおるんやないのか!」
そうよ。だったら何故私を残したの。
ユウやカナコが泣いてる。馬鹿ね、泣く事なんてないのに。
心細そうな顔してみんなが集まってくる。「お母さんどうしたの」って雰囲気だなあなんて、こんな時なのに考えた。
「伝わってるか、お前に。こいつの気持ちが」
・・・頭の中で、ぷつりとなにかが切れる音がした。

・・・・・・馬鹿にしないでよ。
私は・・・・・・私だって、バレーボール選手なのよ。日の丸をつけた、全日本の選手なのよ。なのに誰が私のプレーを見ようとしてくれた?
私がどれだけ悔しかったか。子どもを置いてまでチームに来たのに、課せられた役割は選手じゃなくて「選手のお母さん」。
ワールドカップで私が起用されたのは、テンにお灸を据えるためだけ。私のトスを評価してくれたわけじゃない。
みんなとトスを合わせたくたって、言い出せない。だって正セッターはテンだもの。
控えが嫌なんじゃない。そんな事は思ってない。
ただ、私がここに居るのは、「みんなのお母さん」としてじゃなく、「トモの相談役」としてじゃなく、
“辻知恵というセッターのトスワークが必要だからだ”と、そう言ってほしかった。思ってほしかった。
「気持ちはあります」
・・・そう言うのが、精一杯だった。
89世界一のかあちゃん(4):04/08/10 00:06 ID:9YhMjt1Z
夕食。
いつもならほんの一瞬でもバレーを忘れて、楽しく過ごすはずの時間だけど、今日は空気が重い。
私のせいだ。それはわかっているけど、どうしてもいつもの自分・・・「みんなのお母さん」の自分には、戻れない。
「・・・ごちそうさま」
ほとんど食べずに、箸を置いて立ち上がる。食べたくないし、今はここに居たくない。

「チエ」
後ろから声がした。
「チエ、大丈夫? 最近あんまり食べてないでしょ。」
相変わらずゆっくりした口調で、コートの中と外では別人のよう。昔から知ってるけど、ホントにこの子は変わらない。
でも今は、その変わらなさが神経に障った。
なんでそんなに変わらないの。なんで昔のまんまでいられるの。なんで昔も今もあんたは・・・。
「まぁこの暑さだし、食べたくないのはわかるけど、無理してもちゃんと食べておいた方が・・・」
「私が食べても食べなくても、トモには関係ないじゃない」
気持ちより先に、言葉が出た。一瞬自分でもビックリするくらい冷たい口調だったから、みんなは凍りついたようになって私を見てる。
「トモになにがわかるのよ」
背中を向けたまま、言葉を投げつける。
「チエさん・・・」
カナコが立ち上がったのが見えた。でももう感情が溢れて止まらない。私は一体、どうしちゃったんだろう。
90世界一のかあちゃん(5):04/08/10 00:09 ID:9YhMjt1Z
「若い頃からずっと全日本の常連で、エリートコースまっしぐらのあんたにあたしの何がわかるのよ」
違う。トモは私なんかよりずっと挫折して・・・。
「わけがわからないうちにセッターにスイッチされて、でもやっぱり久美さんには敵わない、なんて勝手なこと言われて。
あんたはずっと、自分のやりたいポジションでプレーしてこられたじゃないの」
違う。トモがセンターにスイッチされた時、どれだけ苦しんだか、どれだか努力したか、私は知ってる。

「私がこのチームに来て良かったでしょ。同い年だから愚痴も言えるし、気も楽だし。
でもね、私だって昔はプレーで評価されて日の丸をつけたことのある人間なのよ。
あんたの愚痴をうんうん、って聞きながら、私がいつもどれだけ悔しくて、情けなかったか想像した事ある?
私の仕事はこんなんじゃない、私はこんな事をするために子どもを置いてきたんじゃないっていつも思ってた。
トモ、あんた一度だって、『チエ、コンビ合わせよう』って言ってきた事ある? ふざけないでよ。
『チエ大丈夫?』ってあんたが言ってくるのは、自分が辛い時だけじゃない。
あんたはね、私が居なくなったら、愚痴を言える相手が居なくなるのが嫌なのよ。
辻知恵というセッターが必要なんじゃない。自分の話を聞いてくれて、しかもアスリートとしては自分より下の人間、
あんたの自尊心を満たしてくれる人間がほしいだけなのよ」
91世界一のかあちゃん(6):04/08/10 00:10 ID:9YhMjt1Z
なに言ってんの私・・・。
私がチームに来たとき、トモは疲れきってた。身体は動くけど、身体を動かすための心がヘトヘトだった。
夜、私に辛い事や苦しい事をちょっとだけでも打ち明けると、トモは「ありがとう、楽になった」って笑顔になって、
次の日はまたコートの中で元気にプレーしてた。
あの笑顔は、ほんのちょっとも曇りがなくて、本心からのものだった。
私はそんなトモを見て、心の底から「来てよかった」って思っていたじゃない。
なのに口が勝手に動く。止まらない。
「だいたい昔から嫌だったのよ。こっちが悩んでるっていうのに、いつもわき目もふらずにひたすら前進あるのみ、のあんたが。
昔も今も、いつも自信満々で。あんたは違うって言うかもしれないけど、私にはそう見えるの。
私といる事で、あんたが優越感に浸ってるように思えちゃうの。あんたといるとね、自分がすごく惨めに思えるのよ!」

「チエさん!!」
誰かの鋭い声がした。誰かの、涙混じりの声もする。
私はまたみんなを泣かせちゃったのかなあ。「お母さん」失格だなあ。
ぼんやりと前を見ると、鏡に自分と、トモの顔が映っていた。
トモは、鏡の中の私を見ていた。静かな目だった。
テーブルに手をついてるこれは・・・ゆがんだ表情をしているこれは、誰だろう。
私じゃない。こんな顔、私じゃない。
誰かがまた私の名前を呼んだけど、私は黙って食堂を出た。
92世界一のかあちゃん(7):04/08/10 00:11 ID:9YhMjt1Z
合宿所を出て、隣のスーパーの外にあるベンチに座る。
しばらくぼんやりしていると、隣に誰かが座った。誰かはすぐにわかった。
「・・・・・・いくらなんでも言い過ぎや。トモさんえらいへこんでましたで」
何も言い返せない。
「でも、わかってますやろ。言い過ぎたんも、・・・トモさんがへこんではるのも」
うん。わかってる。どうかしてた。
いろんな・・・ほんとにいろんな、もやもやした苛立ちを、全部ぶつけちゃった。
「だからもううちはなにも言いまへん」
カナコはそう言うと大きく伸びをした。

認められたいと思うなら、人一倍やればよかった。
最初は「お母さん」役でも、ひとりのセッターとしてチームに位置付けられるように頑張ればよかった。
子どもがいるから、とか、もうトップアスリートにはならなくていいから、って自分に言い訳をしてた。
昔の自分に戻るのが怖かった。そうなってしまったら、子どもを放り出してバレーにのめり込んでしまうんじゃないかって思った。
・・・オリンピックに出たい。昔からの夢だった。忘れられるはずがない。でも、気持ちに必死で蓋をしてた。
でも、本当はずっと思ってた。アテネに行きたい。トスを上げたい。メダルを獲りたい。
これも、本能だ。バレーボール選手としての本能。アスリートとしての本能。
ごめんね真ちゃん。もう、嘘はつけないの。もうちょっとだけ、待っててね。
このままだと、真ちゃんにずっと寂しい思いをさせてきた意味がなくなっちゃう。
その代わり・・・きっと、大きいお土産をあげるから。かあちゃん、そのために頑張るから。

「トモに、謝んなきゃね」
それから、お願いしなきゃいけないこともある。
私は立ち上がった。
93世界一のかあちゃん(8):04/08/10 00:12 ID:9YhMjt1Z
トモは、ロビーのソファにぽつんと座っていた。
私が近づくと、顔をあげた。
「・・・トモ、ごめん。私とんでもないこと言った」
いいよ、とトモはちょっと笑った。あたし甘えすぎてたよね。
違う、と私は首を振り、それからトモの目をまっすぐ正面から見据えて、言った。
「お願いがあるの」

翌朝、5時の約束だったけど、4時半に体育館に行くと、もうトモがいて、テーピングを巻いていた。
私に気がついて「おはよう」と笑う。
早いなあ。トシなんじゃないの。あんたのほうが早いんじゃ、頼んだ私の立つ瀬がないんだけど。
そんな事ないよ。目が覚めたから。トシのことは言わないでよ。大体チエの方があたしより誕生日早いじゃない。
私がアップしてテーピングを巻く間、トモはもうボール練習をはじめている。ほんの一瞬の時間も無駄にしない。
敵わない筈だよね、後姿を見ながらちょっと笑った。
でも、と、立ち上がる。これからは違うよ。
「始めよっか」

6時近くになると、みんなが集まってきた。
トモと私に気がついて、目を丸くして・・・それから、それぞれ練習をはじめた。
誰も何も言わない。だって、自主練習をするのは当たり前のこと。なぜなら、ここは世界一を目指すチームなんだから。

午後のボール練習。
相変わらず身体は思うように動かないし、コンビも合わない。
監督の眼に気づいたけれど、不思議と怖くなかったし、冷たい汗を感じる事もなかった。
94世界一のかあちゃん(9):04/08/10 00:12 ID:9YhMjt1Z
ワールドグランプリの初戦・イタリア戦のスタメンが発表された。
スタメンセッターは私。オリンピックを前にして、正セッターのテンを温存しつつ手の内を隠す作戦だろう。
それでも構わない。私は私のプレーをする。全日本のセッターとしてのプレーを。
大会中、監督は私を積極的に起用してくれた。勿論前哨戦だからと言う事もあるだろうけど、嬉しかった。
負け試合が続くと悔しかった。勝敗を度外視してるからとは言っても、やっぱり悔しかった。
「お母さん」だった時の悔しさとは一味違う悔しさが、心地よかった。

ブラジル戦のあと、トモと私はみんなの前で監督に怒られた。
「トモやチエがたるんでるから勝てないんだ!」
私たちをみんなの前で叱る事で若手を奮起させようって魂胆だな、って私はすぐわかったけど、隣に立ってるトモは唇を噛み締めてた。
監督の魂胆なんてトモだってわかってるでしょうに。
あーあ、負けず嫌いだからなあ。ホントに昔から変わらないんだから。
そのあと、次の日のキューバ戦のスタメンが発表された。センターはトモで、セッターは私。
二人っきりになると、トモはまっすぐ私を見て、
「チエ、明日は絶対勝とうね。あたしオリンピック前に絶対勝ちたい。チエとあたしで、勝ちたい」
と言った。
まったく、すぐカーッとなるんだから・・・と思いつつ、そう思ってくれる事が嬉しかった。
95世界一のかあちゃん(10):04/08/10 00:13 ID:9YhMjt1Z
嬉しかった・・・なんてのんきな思いは、試合が始まるとすぐに吹っ飛んだ。
これはあくまで前哨戦で、トモはへとへとに疲れてるはずだった。
なのに、トモは200%の力を出し切って、走り、跳び、打つ。
ホントに勝つ気なんだこの試合。いや勿論私だって勝ちたいけど。でも疲れてるのに、そんなプレーしたら・・・
そう思っていたら、やっぱり疲れているから気力が空回り。トモは、いつもなら決して外さないサイドラインギリギリのフェイントをミスしてしまった。
その試合は結局負けて、トモは口も利けないくらい悔しそうで、そのせいか心なしか顔色も悪い、なんて思っていたら、あろうことかその日の夜に倒れてしまった。

私がドアを開けると、まだ点滴につながれているトモは、こっちに顔を向けて、笑顔になった。
「やった! 勝ったね!」
「バカじゃないの」
「・・・・・・・・・・・・」
「あんたの欠点はね、カーッとなると見境ないところよ。
トシの話はお互い様だから言いたくないけど、いいトシなんだし長くやってるんだからもうちょっと考えなさいよ。
一試合一試合に全力投球するのは素晴らしいことだけど、最後になってスタミナ切れ起こしてちゃ世話ないわよ」
トモはぐうの音も出ない。毛布から目だけ出して上目遣いに私を見てる。ああ気持ちいい。
「これがアテネの本番だったらどうするの? 決勝ラウンドで熱を出したら? 取り返しつかないのよ、わかってる?」
毛布の下でなにかもごもご言ってるトモを見て、私の後ろにいたみんなが、笑いを噛み殺す。
ひとりだけ・・・「気は優しくてなんとやら」を地でいくカナだけは、オロオロしてたけど。
96世界一のかあちゃん(11):04/08/10 00:16 ID:9YhMjt1Z
ホントにトモは子どもみたいだ。すぐ怒るし、わかりやすい性格だし、まっすぐだし。
呆れるくらいこの子は変わらない。
私がはじめてチームに行ったとき、練習していたトモが私を見つけて走ってきた時の顔を思い出した。
長いこと留守番してた子どもが、お母さんを見つけたときみたいな顔をしてた。
・・・・真ちゃん元気かな。もうちょっと、もうちょっとだからね、真ちゃん。
かあちゃん、この人たちとお仕事するんだ。ごめんね真ちゃん、かあちゃん、今はお仕事がしたい。
一生懸命お仕事して、真ちゃんのために日本一・・・ううん、世界一カッコいいかあちゃんになるよ。
この人たちといるとね、そうなれる気がするの。

まだ上目遣いのトモに、
「じゃあね、早く熱下げなさいよ。あんたにそんなカッコ似合わないんだから」
と声をかけ、私はみんなと一緒に部屋を出た。
「チエさん、ホントにお母さんみたーい」とシンが笑う。
当たり前でしょ。私はみんなのお母さんなんだから。
自然にそう言って、笑えた。そうだよ、私は、みんなの「お母さん」で、世界で戦うセッターだ。
世界で戦うセッターはたくさんいるけど、「お母さん」と二足のわらじを履くセッターは私以外いないでしょ。
さぁ、疲れてるけど、最後の試合に勝てたんだから、やっぱり今夜はコレだ。
「さー、ビール飲もっか!」

帰国して壮行会ラッシュが終わると、いよいよアテネに向けての最終調整だ。
当たり前だけどみんな顔が違う、とキューに言ったら、チエさんもですよ、と笑われた。
あれから何が変わったわけでもない。相変わらず私はBチームの控えセッター。
時々、監督の眼を感じる。もう汗は流れない。私は、監督を振りかえり頷く。
監督の眼は、私自身だったのかもしれないなあなんてちょっと思った。
トップアスリートを目指してた、昔の私の眼、なんてね。
私が、世界一のかあちゃんになるまで、あともう少し。