井上麻里奈にハマリナ　Part57

A　小熊の単一民族神話の起源を読んでいるそうじゃないか。
B　そうだ。
A　どうだい？どのくらいまで読んだ？
B　結論から読んで、75ページくらいまで読んで、300ページから後を読んで、今に至っ
ているよ。
A　まだ半分も読んでないじゃないか。
B　今日中に半分くらい読もうかとも思ったんだけど、挫けそうだ。
A　まあ、ゆっくり読めばいいさ。それで、結論から読んだそうだが、結論はどういうもの
なのかね。
B　日本人が単一民族だというのは、戦後に通説化したんだ。それは神話に過ぎない。植民
地のあった戦前は、複数民族説が通説で、植民地は家概念により包摂されていた。
A　そうか。家概念により包摂というのを詳しく聞きたいところだが、話す気もなさそうな
ので、そういうことにしておこう。でも、ちょっと待ってくれよ。家制度なんて持ち出し
てよいのかね。単一民族ではないというのなら、そういう共通の特性といったものを観念
しうるのだろうか。
B　家制度のある範囲で地域を分けられるというのは、しかし、事実ではあるわけさ。アイ
ヌは知らんが、琉球にだって家制度はあるんだ。そこから流出する特性はあるだろう。
A　じゃあ、家制度の範囲を単一民族といってはいけないわけかね。
B　分からんよ。ここで言われてるのは、起源なんだよ。北から来たかとか、南から来たか
とか、そういう期限が複数であることを以って、複数民族説とかいってるようだね。
A　起源が一つというのは、しかし、ありうるのか。単一民族説というのは、どういう説な
のかね。
B　古い日本には、すでに原日本人みたいなのが住んでいた、ということらしい。新しく来
た人がいるにしても、それに大きく影響されたということはないんだって。
A　まさに神話だね。そんなのが幅を利かせていたのか。

B　いや、単一民族っていうのは、なんとなく言われてただけじゃないかな。中根千枝あた
りも、同じカテゴリーに入れられてたよ。しかし、彼女は単一社会っていってるだけだか
らね。小熊も、家制度で地域を区切れることは認めてるわけで、中根も同じだと思うけど。
A　それで、君はこの小熊の本についてどう思うのかね。
B　意義は認めるよ。どうしょもない説が広がっており、それを断っているわけだから。し
かし、やはり事実の極大に対して、意味が極小であることは、指摘せざるを得ない。結論
だけ読めばいいんじゃないか。
A　どうして、こんないい加減な説が広がっていたんだろうか。
B　まあ、戦前の議論からしていい加減だよね。論理的に考えずに、イメージだけで判断し
てるんだろう。どうしょもない。日本文化論の領域だ。
A　小熊の本は、民主と愛国も読んでるそうだが、こちらはどうだね。
B　こんな浩瀚な本が必読文献なんてね。戦後の日本文化論の推移というのと、この本の議
論は重なると思うんだ。敗戦で自信を喪失してた頃は、日本文化が否定的に語られ、高度
成長からは、肯定的に語られるんだけど、日本文化が否定的に語られていた頃は、日本を
どうするかということも、考えられていた。高度成長からは、会社と家族が全てになって、
日本なんてどうでもよくなった。吉本がヘゲモニーを握るわけだ。しかし、吉本を批判し
ても仕方ないよ。人民がそれを選んだわけだから、選んだ人民を批判するべきだ。
A　でも、小熊は、日本文化論には、触れてないんじゃないかな。
B　そうだね。でも、それで足を掬われてるのかもしれないよ。会社が人を囲いこんでしま
うというのは、中根千枝で説明がつくわけで、会社の外を考えなくていいというのと、そ
れはイコールだからね。吉本が一人でいくら頑張っても、そんなことはできないだろう。

A　で、敗戦後にナショナリズムが盛り上がったっていうのは、どうだい？
B　まあ、民主主義というのは、みんなで国家のことを決めていこうということだから、そ
れに含まれるんじゃないのか。なら、デモクラシーといっておけば足りると思うがね。な
んで、そういう言葉を用いるのか、分からない。
A　君自身は、戦後について、どう考えるんだい。
B　敗戦で、茎は消えたんだろうけど、根は残っている。根というのが、家制度だね。だが、
これも、人が村から都会に移るにつれ、消えてしまう。高度成長というのは、敗戦よりも
大きい。村の消滅を意味するわけでね。そして、村を代替する会社も、九十年代に入り、
共同体としての役割を放棄した。しかし、小集団的なものは残ってはいるがね。まあ、こ
こで切っておこう。

WARNING!
かな恵ちゃんのスレが埋まりつつあったので、
ここに貼っただけ。明日からは、かな恵ちゃんスレでやりますので
通報ちゅうは絶対に出てこないこと。

ないようがあやふやで、
大したものではないことは
本人が気にしていることなので
あまり言わないであげてください。
こんなのを書くのに45分はかかったよ・・。
憂鬱ですね。。ポジティブで
責任感があり、人の気持ちも分かるような
人の正反対の人格であり
そういう私の書くことですから
そんなに厳しいまなざしを向けられても困る