346 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
「もっと…達央、っ…達央…っ!」
同時に羽多野は、達央の名前を口にし始める。
目の前にいるはずのない人物の名前を何度も呼びながら、自分自身を愛撫する。
「達央の…達央のおちんちんがっ…俺ん中にっ…はぁぁっ!」
羽多野は瞳を閉じ、大好きな達央が自分を抱いてくれていることを想像していた。
今自分は、達央に抱かれてる…達央が今、自分とひとつになっている…
そのシチュエーションを頭の中で妄想しながら、オナニーを続ける。
「達央のっ、凄いよぉ…はぁっ、大きくてっ、俺の中…滅茶苦茶に…んぁぁっ!」
それを本当のことだと感じさせる為に、羽多野の右手の指先は、言葉に合わせて動く。
指と指との間を大きく開いたり、無造作に動いたり…
それが羽多野の妄想をより一層に膨らませ、現実に抱かれているのだと思う気持ちを大きくさせる。
「あっ、俺っ…もうイッちゃ…はっ、あっ…ふぁぁっ!」
秘部に指を入れたまま、羽多野は全身を引くつかせ始める。
「もっ…だめっ…達央っ…んあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
我慢の出来なくなった羽多野は、大きな喘ぎ声と共に絶頂に達する。
破裂寸前だったもう一つの羽多野からも、熱い液体が放出される。
与えられた快感の大きさからか、それとも達央のことを思っていたからなのか、放心状態になる羽多野の顔にまで勢い良く飛びかかってきた。
「はぁっ、はぁっ…はぁ…」
少しずつ落ち着きを取り戻しながら、羽多野は閉じた瞳を開けていく。
いつも見ている、自分の部屋の屋上が瞳に映る。
そして顔をゆっくりと起こし、今まで快楽を感じていた部分に目を向ける。
そこには快楽によって汚れた、自分の姿があるだけだった。
「いるわけ…ないよな…」
達央の姿が、あるかも知れないと思った。
夢や妄想じゃなくて、本当に抱かれていると思って…
でも現実は、羽多野の目にはっきりとした真実を映してしまう。
「…達央…っ…」
羽多野はそのまま横になると、自分の枕に顔を埋めてしまう。
「達央…達央…っ…」
やがて静かな部屋の中に、羽多野の涙声が響き始める。
顔を埋めた枕に、少しずつ涙のシミが広がっていく。
「ひっく…達央が欲しいよ…俺、達央っ…」