急激な経済情勢の悪化で製造業を中心とした派遣従業員の雇い止めなどが相次いでいる問題で、
建設用クレーン大手のタダノ(高松市)は30日、業績悪化に伴い、
3月末で県内3工場の派遣計約180人の雇い止めを検討していることを明らかにした。
厚生労働省が同日発表した非正規労働者の調査で、県内では11社400人が、昨年10月から3月までの間に職を失うことが判明。
前回、同12月の発表時に比べ3社155人増と大幅に多くなるなど、県内経済も急激に冷え込んでおり、
同社は「景気悪化の影響は想像以上。限界を超えている」としている。
タダノの大藪修二常務が同日、記者会見して明らかにした。
大藪常務によると、高松、さぬき両市と多度津町の3工場の派遣従業員約180人を、
契約が切れる3月末で雇い止めとすることを検討。
2月中旬の取締役会で、今後、予定する生産量に応じて人員を調整する。
同社の2009年3月期連結決算の業績予想では、売上高を180億円、
経常利益で49億円、それぞれ昨年11月の予想から下方修正した。
売上高は1600億円、経常利益は101億円の黒字を維持する見込みだが、
国内と北南米での受注が急激に減少しており、今月から3工場で生産量を2〜3割減産しているほか、
設備投資も20億円圧縮し、2月からは役員報酬を10〜30%カットする方針。
さらに、中東での石油関連事業が一部延期になるなど、
今後も受注減が続くことが予想されるため、雇い止めの検討に踏み切った。
同社は、08年3月期決算で過去最高益を記録した好調から一転。
大藪常務は「これまでにない落ち込みで今後の予想ができない。
(雇い止めの)責任は感じているが、生産量の減少が著しく、理解を求めるしかない」と説明した。