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整理番号774:
姉は血を吐く、妹は火吐く、 可愛いトミノは宝玉を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、 地獄くらやみ花も無き。
鞭で叩くはトミノの姉か、 鞭の朱総が気にかかる。
叩けや叩きやれ叩かずとても、 無間地獄はひとつみち。
暗い地獄へ案内をたのむ、 金の羊に、鶯に。
皮の嚢にやいくらほど入れよ、 無間地獄の旅支度。
春が来て候林に谿に、 暗い地獄谷七曲り。
籠にや鶯、車にや羊、 可愛いトミノの眼にや涙。
啼けよ、鶯、林の雨に 妹恋しと声かぎり。
啼けば反響が地獄にひびき、 狐牡丹の花がさく。
地獄七山七谿めぐる、 可愛いトミノのひとり旅。
地獄ござらばもて来てたもれ、 針の御山の留針を。
赤い留針だてにはささぬ、 可愛いトミノのめじるしに。