休日に明治神宮橋にいる人達

　

　

　

　

　

　　

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韓国の某巨大メーカーとの技術交流のため韓国に渡ったわが社の５人衆。技術
の供与にいったはずなのに、仕事を与えられて、激務をこなすことに。技術供
与は、資料を渡してそれっきり。

彼らいわく、説明される＝教わる＝格下と見られることに、自尊心が耐えられ
ないそうで。”事実はどうあれ”、対等な相互技術供与だったのだから、別に
卑下する必要はないはずなんですが。社長以下そんな調子らしいです。

さて、５人の手だけでは仕事が回らず、一部外注へ出すことにしました。５人
への支払いすら拒むこの会社に、外注を頼む資金など工面してくれるはずもあ
りません。そこで、技術供与の準備費用（５人の滞在費もここから出してた）
から、外注を雇うことになりました。

当然、韓国で探すわけですが、やはりと言うか、碌なところを紹介してくれま
せん。それどころか、外注を頼む余裕があるなら、ウチへまわしてくれと言う
始末。言葉の壁以上に、仕事に対する壁が大きかったようです。

いくつか候補が挙がり、最終選考に残った会社に試験的に同じような仕事を任
せてみて、その結果を見て選ぶことになりました。ほんとは、そんな事をして
る余裕など無いのですが、ハズレを引いたときのリスクを考えると、やらざる
を得なかったとか。

殆どが、ぐうの音も出ないほど碌な結果を出さず、選考方法を誤ったか？と思
ったところ、ひとつだけ正確な仕事をこなしている会社がありました。なんと、
技術供与先の会社が紹介してくれた会社で、
「いや、ちゃんとしたところを紹介してくれたんじゃないか。誤解してたよ俺達」
と本気（マジ）でそう思ったそうです。

そして、本格的に仕事を回すと、その会社は期待通りの結果を出し、わが社か
らの派遣人員を５人以上出す必要がなくなりました。はじめは資料やソフトだ
けで、やり取りは全てメールやネット、郵送のみだったのですが、ハードの設
計やモックアップの製作まで任せるようになり、顔を合わせないわけにはいか
なくなりました。

そして、５人のうちの一人が、その会社に行ってみると人員は僅かに５，６名
の小さな会社で、全員が足や手に障害を持つ人たちだったそうです。行った人
は、はじめは驚いたそうですが、話をしてみると技術レベルと知識は、かなり
（日本でも中堅を任せられる程）の腕を持ち、結果に対して「なるほど」とい
えるほど、仕事に対して情熱的でした。

仕事の話を終え、雑談すると、
「はじめは日本人が来ると聞いて、殴られるかと思った」
と、彼らは言ってたそうです。韓国人は、障害者と見ると途端に冷たくなる。
日本人はもっと冷たいのだろう、と。どうやら、日本人の中に、韓国人と一緒
になって、冷たくする連中が居るそうです。日本から来て、韓国の中になじも
うと、韓国人より非道な行いをするとか。

その人たちが仕事がしっかり出来るというのは、
「仕事が出来るうちは利用価値があるはずだから、捨てられることは無いだろう」
とみんなでがんばっている、とのこと。

このとき、この会社を紹介したのは、まじめな会社を紹介したのでは無くて、
二重三重の侮蔑の意味を込めて紹介したのだと理解したそうです。さらに、支
払いも滞っており、わが社の５人が出した仕事が、即金で出してくれたのも、
まじめに仕事をしたことへのプラスにもなったそうですが。

「仕事してて初めて楽しいと思えた。ありがとう」

とまで言われたとか・・・

そして、この会社の出口から出ると、近所の子供達が集まっており、小さな石
や砂を投げられたとか。近所でも、この会社は障害者達の集まりと思われてお
り、子供達がよくからかいに来るそうです。

石を投げられた人が言ってました。

「石や砂まみれになっても、何故か腹がたたなかった。ただ、哀れで。

　この国に必要な援助とは、技術なんぞではなく。

　もっと別のモノなんじゃないのだろうかと。」