平成20年度の予算編成におきましては、非常に厳しい財政状況であることから、
「選択と集中」を念頭に緊急性・必要性を総合的に勘案した予算案とさせていただきました。
それでは、南あわじ市総合計画に基づき、平成20年度の重点施策についてご説明いたします。
今年は、神戸淡路鳴門自動車道全線開通10周年となります。
料金低減化運動と合わせて、大鳴門橋うず潮ウォークを開催するとともに、
だんじり祭や花火大会などの市民まつりを記念事業と位置づけ、全島で協力しながら、
淡路島を全国に発信してまいります。
国土交通省内に観光庁が設置されます。
国が示す地域観光圏や広域観光圏構想を視野に入れ、歴史・文化、農漁業をはじめとする産業分野を
融合させ、体験・交流・学習機能を観光と結びつけながら、南あわじ市まるごとミュージアムづくりを促進します。
また、産業の新しい可能性を見いだすため、「農商工等連携協議会(仮称)」を立ち上げるとともに、
業種分野別行政懇談会を開催し、市民と行政が一体となった総合的な地域活性化対策に取り組みます。
観光資源や体験・交流機能の商品化拡大が急務です。
大手旅行業者JTBなどとの連携による集客力の強化をすすめ、
兵庫県で行うJRグループとタイアップした大型観光交流キャンペーンを契機に、
各種団体や関係機関とともに、見て、食べて、楽しめる「ふるさと資源」の宝庫、南あわじ市を
大々的に売り出してまいります。
更に、多様性ある観光拠点づくりをすすめ、地域の可能性を見いだすため、
淡路人形座移転による人形会館(仮称)の建設を推進します。
また、なないろ館の機能を向上させ、足湯を含めた温泉振興や魚の棚構想を視野に入れた
多面的な地域振興策を検討してまいります。
5万人みんなが案内人になるべく、観光ボランティアを養成増員し来訪者にやさしい受け入れ態勢を整えます。
たくさんのお客様をお迎えするため、新たに合宿生誘致を奨励するとともに、
得・得戎様プランによる各種大会・研修会誘致を支援します。
宿泊客への対応を適切に行うため、民宿、旅館、ホテル相互の連携や地元特産品奨励を強化し、
慶野松原荘などの公共宿泊施設の健全経営に努めます。
南あわじ市のシンボルとして、オニオンタワーが完成します。
観光・道路・気象・防災などの各種情報を適切に発信し、市や各組織のホームページなどとともに
観光情報などを充実させます。
気持ち良くお客様に過ごしていただくため、
大鳴門橋記念館やみさき荘の改修をすすめるとともに、
鳴門海峡のうず潮や灘黒岩水仙郷、
淡路ファームパークイングランドの丘、
名勝慶野松原、
ウミガメが再来した阿万海水浴場など、
集客施設や史跡を中心に回遊性・滞在性を高め、
コミバスによる移動手段を確保し、
質の高い観光地をめざします。
ふるさとに住む者が地域を知ること、
愛することが「おもてなしの心」を育みます。
学校教育や生涯学習活動において歴史、
文化、
産業等の郷土の理解を深めます。
基幹産業である南あわじ市の農業は、
玉葱をはじめ主要野菜や酪農、
和牛生産において全国有数の産地であり、
食づくりの担い手を増やすには、
所得の安定と生産基盤の整備が不可欠です。
玉葱表示偽装問題がありましたが、
特産品のブランド力を高め、
消費者の本物志向に応じた更なる対応を農業団体や県とともに推進します。
担い手づくりについては、
農業高校生の研修や農業機械等資格取得、
認定農業者や農業研究グループへの支援など関係機関との連携を強化し総合的にすすめるとともに、
就農意欲の高い団塊の世代を応援します。
食育や地産地消の一環として、
給食センターでの地元食材活用や小学生のいきいき農作業体験、
共進会と併せた食まつりを開催します。
標準小作料が改定されます。
耕作放棄田が増加するなか、
農地の流動化や遊休農地の解消に努め、
中山間地域の活性化を図ります。
生産環境の維持については、
高齢化、
離農等の進行により地域の保全管理が困難になりつつあり、
農地・水・環境の保全向上などを目的に地域住民と共に水田資源を守る活動について積極的に支援します。
農村集落再活性化の新しい可能性を見いだすため、
都市生活者が求め始めた「二地域居住」や「田舎暮らし」の志向を捉え、
市民農園や農村ボランティアを促進し、
空き家を活用した民宿や移住・交流をすすめるNPO法人などの地域活動を支援します。
また、
空き家バンクの整備をすすめ、
定住促進による新しい農村のあり方を見いだします。
併せて、
農村交流モデル事業をとおして安全安心な農産物をアピールします。
乳製品の食づくりについては、
酪農経営の基盤強化のためロールベーラーによる効率的な飼料生産を促進します。
経営の効率化とブランド力の強化を図るため、
淡路島酪農協が牛乳工場の新設計画をすすめていますが、
自主的取り組みを尊重しながらも現状の打開に向け協力してまいります。
また、
環境循環型農業を維持し、
優良な土づくりと家畜ふん尿の適切な処理を図るため津井、
松帆地区の処理施設設置を支援し、
堆肥使用補助により流通を促進します。
和牛生産において、
激化してきたブランド化競争に勝ち抜くため、
優良和牛の増頭を促進し、
自家保留や一層の品質向上をめざします。
ブランド野菜であるレタス生産を安定させるため、育苗への補助を継続するとともに、
野菜残渣の不法投棄対策として処理施設の増強及び適切な管理に努めます。
鳥獣被害に対しては、新たに有害鳥獣対策協議会を設置し、
被害防止計画に基づき適正な駆除を行うとともに、野生動物防護柵を集落と連携し設置します。
生産基盤整備については、高齢化・後継者不足が深刻になっており、
生産者自らの課題として急がなければなりません。
現在実施している県営・団体営ほ場整備を着実にすすめ、新たに本庄地区、新田地区を推進し、
農道や用排水路の整備補修など生産体制を強化します。
新規に阿万浦、阿万郷のかんがい排水対策や県営による広田の油谷(ゆだに)池、阿万の四社(ししゃ)谷(だに)池整備に着手し、
上田池の耐震診断を実施します。
また、倭文地区におけるため池の危機管理対策をすすめます。
畦畔コンクリート事業や湛水防除事業を継続するとともに、オニオン道路整備を推進します。
地籍調査においては、西淡志知、広田地区とともに賀集、市地区の一部再調査を実施します。
農業共済事業においては、災害・事故時等の適切な損害評価や対応を行い、農業経営の安定を図ります。
漁業の新しい可能性を見いだすためには産地の特性を一層伸ばすことに主眼を置きながら、
付加価値の高い資源を増やしていかなければなりません。
商標登録された「福ハモ」「福良のとろフグ」「沼島のキアジ」「跳ねダイ」「あま砂地タコ」など懸命にすすめているブランド化を支援し、
フグ養殖や車エビと合わせ、産卵用たこ壺やアオリイカの柴漬け床の設置を継続します。
また、
地産地消を実践するための生産物直売施設や朝市を応援するとともに、
漁業資源の枯渇を避けるため、
タイ、
ヒラメ、
オコゼ等の稚魚の放流を推進します。
更に並型魚礁や築いそを設置して、
つくり育てる栽培漁業を促進し、
海面環境の保全に努めます。
将来も漁業者が安心して漁業経営を続けるための方策として、
経営基盤の強い漁協を構築できるよう漁協合併を支援します。
水産物生産拠点の整備については、
離島漁業の再生支援、
経営構造の改善をすすめ、
食まつりや観光振興と連携を図りながら都市住民との交流を拡大させます。
商工業の新たな可能性を見いだすため、経営革新を支援するアドバイザー事業を実施するとともに、
商工会との連携を深め商工業者の経営を支援します。
瓦産業の振興においては、伝統ある淡路瓦という地域資源を活用した事業展開や新商品の研究開発を支援します。
また、瓦産地の町並み整備と産業振興を目的に、市全域を対象とした淡路瓦の屋根工事に対し補助を継続します。
少子対策や地域経済の活性化は、新たな雇用を生む企業の進出がかかせません。
企業誘致については、積極的に努力を重ねた結果、三洋エナジー南淡株式会社に進出の決定をいただきました。
今後も誘致活動に力を注ぎ、国・県にも支援を求めながら誘致奨励金制度を継続します。
郷土愛を育てるためには、自慢できるふるさとづくりや安全安心な地域づくりに努めなければなりません。
淡路人形浄瑠璃の新しい可能性を見いだすため、人形会館(仮称)の建設をすすめ
福良地区と一体となった地域振興と永続的な保存伝承・人材育成を推進し、
人形浄瑠璃資料館の空調設備の整備を行います。
性別や世代を問わず活発になった「だんじり唄」を継承するため、指導者の育成を図り、
コンクールやだんじり祭を支援します。
また、先人の生活をしのばせる貴重な文化財や美しい自然など、数多くの文化的遺産を調査し保護するとともに、
その活用を図ります。
地域の連帯意識やコミュニティの維持を目的に、自治会や団体活動を支援し、
丸山公民館などの整備をすすめます。
市民の連帯感と郷土愛を高めるため、市民音頭等制作検討委員会を設置し、
市民音頭や市の象徴となる花・木・鳥などを検討してまいります。
地域のおじさんおばさん運動や防犯グループなどの見守り運動を促進し、
学校や地域で命と人権を大切にする学習活動の充実に努めます。
今年は、県下の他市町に先駆け小中学校耐震化100%を達成する年です。
未来の可能性を見いだす子ども達が安全に教育を受けるため、倭文、北阿万、灘小学校、沼島中学校の体育館の耐震化や
南淡中学校体育館の大規模改修を行い、御原中学校校舎、八木小学校体育館の大規模改修の準備をすすめます。
遠距離通学者の辰美、灘小学校、南淡中学校児童生徒に対しスクールバスを継続するとともに、
きめ細かな教育を行うため臨時講師を配置し、いじめや不登校対策として7名の適応教室指導員を置き、
指導・相談体制を堅持します