>>298 廃刊になる直前の日経金融新聞に載った西原褒め称えた酷い記事を転載しておきます。
「MSCB地獄」からの生還
大阪証券取引所二部に上場する軽貨物運輸のトラステックスホールディングス――。4月に社名を変更するまでは
「軽貨急配」という名前だったこの会社の株価は、過去1年で20分の1以下に下落した。株価暴落の主因は、転換価格
修正条項付新株予約権付社債(MSCB)の乱発だ。常習性のあるMSCBに深く手を染めた同社が、その「死に至る病」
から立ち直る軌跡を書きとどめておくことは、決して無駄ではない。
同社は佐川急便の営業マンだった西原克敏会長(60)が20年前に大阪で創業。全国で個人を中心に事業主を募り、
軽トラックを販売して運送業務を委託する独特のビジネスモデルが当たり、急成長してきた。だがここ数年は事業主らの
トラック購入代金の延滞が急増。多額の貸倒引当金を積み、2004年3月期以降、累計150億円超の特別損失を計上した。
特損計上に伴う資本不足を補うため、西原会長が目をつけたのがMSCBだった。「法的に問題があるわけではなく、
オーナーの自分が保有株の価格下落を犠牲にして資金を調達する。何が悪いのかという感覚だった」。国内外の証券
会社がこぞって名乗りを上げ、引き受け手探しには困らなかった。好条件を示したリーマン・ブラザーズ証券などに
対し計5回、総額150億円のMSCB(うち1回は優先株)を発行した。
西原会長が「誤算だった」と振り返るのは、リーマンが株価急落にも容赦せず、引き受けたCBを次々と普通株に
転換し市場で売却していったことだ。01年に2850円(調整前)の高値を付けたこともある株価は今年3月、ついに10円を
割った。気付けば発行済み株式数はかつての約6倍に膨張。たまらず4月に10株を1株に併合し、名目株価を引き上げた。
「いいかげんMSCBとは手を切ろう」。そう判断した経営陣が取引銀行を仲介役にし、「健全な資本の出し手」を探し
始めたのが昨年の秋ごろだ。そして経営陣が新たなパートナーに選んだのが、仏クレディ・アグリコル系の投資ファンド
であるCLSAキャピタル・パートナーズだった。