マグパワージャパン　６

　調べでは、小林元社長は９７年ごろから、県中部の教会信者のリーダー格だった夫妻らを
だまして約１００人から金を集めさせたという。
敬けんで有名な夫妻から「事業は入院患者ら弱者の救済」と言われ、多くの人が信頼した
という。

１５００万円を貸した７０歳代の女性は
「キリスト教徒は絶対うそをつかないと思っていた。教会の公式事業と思い込んでいた」と話す。
被害者が起こした損害賠償訴訟中の０５年５月、小林元社長が行方をくらませた後にようやく、
夫妻は自分たちもだまされたことを認めた。

　９億円はどこに消えたのか。小林元社長は被害者に「フィリピンにリゾートホテルを建設して
いる」と説明していた。
夫妻から「リゾート化すれば現地の子供たちが助かる」と言われて金を渡した被害者もいたが、
実際にホテルを建設したか否かは確認できていない。

　だまされて借金を背負った冒頭の女性は、今はわずかな年金を取り崩して少しずつ返済して
いる。「本当に恥ずかしいし、申し訳ない。今は自分ができる限り返済する。これしか考えられ
ない」と、申し訳なさそうにうめいた。