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永遠に粘着する怪物:
1919年、ラッセルは夏の休暇をドーセット州ラルワースで過ごした。多くの訪問客の仲に、ドーラ・ブラック
と言う感じのいい若い女性がいた。ガートン校の講師で、「セックスの自由を大胆に提唱する」婦人運動家
でも知られている。彼女はラッセルのことを「魅惑的にまで醜い」いかれた男と感じた。
次に会った機会に、彼女の結婚嫌いが話題になった。「子供はどうする?」と彼が問うと、
「全て母親の責任」と答えた。それから二週間後ドアのベルが鳴った。そこにラッセルがいて
「月曜日の十二時半の列車にのってラルワースに来てほしい」と言った。「と言う事は、私を、、」
とドーラが口篭もると、ラッセルはうなずいた。「でも、先生には別に女の方がいらっしゃるわ?」
ラッセルはもう手が切れていると保証した。(現実には女優コンスタンスと最終的に手が切れるのは
それから二年後)。しかし、その週末の途中でコンスタンスから「そちらへ行く」との電報が届いた。
ラッセルはあわててドーラをロンドンに帰した、、、。
こんな芳しくないスタートではあったが、北京大学からポストを提供されるとラッセルはこのドーラ・ブラックを
伴って赴任した。1921年に英国へ戻った時、彼女は妊娠していた。二人は結婚に同意したが、個人の
理由を保証する点でも考えの一致を確認した。 <<
ドーラはまともな感覚を持った人であると思われる。その正確な感覚を手段を選ばずに狂わせるか
利己的に利用するのが化けキツネの本性である。きわめてフロイト的ないみで本能的で利己的で
マキャベリ的である。まともな人が持っている道徳の本能に付けこんで利用することを
すると言う事実がそこにあるわけだが、マルキド・サドはそのような展開を好む小説家だが、
ラッセルのばあいは、フィクションではなく現実である。また、それについて何者かが知悉していて
社会的にラッセルを気付かれないように慎重に人知れず、誘導してるようにも受け取れるが、、。