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元家政婦の暴露本より:
ある時、憲子さんはこう言っていたものです。
「あのね、勝と光司の仲がおかしくなってきたのは、光司が景子さんと結婚してからなのよ。
どうしてか分からないんだけど、勝は景子さんが大嫌いなのよ」
貴乃花関と景子さんが結婚する前は、花田家に嫁は一人でした。そう、若乃花の嫁である美恵子さん
だけです。貴乃花関は、この美恵子さんを「お姉さん」と呼んで慕っていたそうです。もともと、
若・貴兄弟は相撲界の頂点を極めようと頑張ってきた兄弟です。大好きなお兄ちゃんのお嫁さんですから、
弟の貴乃花関だって美恵子さんが大好きで、この三人の仲はとても良かったそうなのです。ところが_
憲子さんは続けます。
「勝がどこで聞いてきているのか知らないけど、勝は景子さんのことが嫌いなのよ。景子さんのこと
゛あの売女゛って言うのよ。そりゃぁ、勝の口の利き方は時々スゴイけど、森下さん、゛売女゛って
言うのはないでしょォ」
自分の口汚さは棚に上げて、憲子さんは呆れたように、こう言ったものです。
そんな若乃花の景子さんに対する悪口雑言を、私も何度か耳にしたことがあります。
二子山部屋の打ち上げが都内のホテルであった時のことです。ロビーで若乃花と景子さんがすれ違った時、
周囲に挨拶しながら通りすぎようとしていたのか、若乃花の歩く先を景子さんがふさぐ形になってしまいました。
その瞬間、若乃花はキッと険しい顔したかと思うと、景子さんを避けて通りすぎた後、ハッキリこう言うのを、
私は耳にしました。「あの売女、ぶっ飛ばしてやる!」
日頃からそうなのですから、それが貴乃花関の耳に入らないわけがありません。次第に若・貴兄弟の仲が険悪に
なっていったのは無理もないことなのです。
でも、このような若乃花の性格は、やはり二子山親方と憲子さん夫婦が作り上げたと言っていいでしょう。
なにしろ、若乃花は、自分の両親を尊敬するどころか軽蔑しているのではないかと思えてならなかったからです。