とりあえず歌っていい?

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741陽介
”ハルジオン” BUMP OF CHICKEN

虹を作ってた 手を伸ばしたら消えてった
ブリキのじょうろを ぶらさげて立ち尽くした昼下がり

名前があったな 白くて背の高い花
視界の外れで 忘れられたように咲いてた
色褪せて 霞んでいく記憶の中で ただ一つ
思い出せず 忘れられたままの花

いつだったけな 傷を見出したあの日も
にじんだ景色の中で にじまずに揺れてた
いつだったけな 自分に嘘をついた日も
悲しいリズムで 風と歌うように揺れてた

いつの日も ふと気付けば僕のすぐ傍で
どんなときも白いまま揺れてた 誰のため 何のため

生きてく意味をなくした時
自分の価値を忘れた時
ほら 見える 揺れる白い花
ただ一つ思い出してる 折れることなく揺れる

虹を作ってた 一度触れてみたかった
大人になったら 鼻で笑い飛ばす「夢」と「希望」

ところが僕らは 気付かずに繰り返してる
大人になっても 虹を作っては手を伸ばす
いくつもの景色を通りすぎた 人々に
きみを今動かすものは何 その色は その位置は

夢ならどこかに 落としてきた
希望と 遥かな距離をおいた
ほら 今も 揺れる白い花
僕は気付かなかった 色も位置も知ってた

虹を作ってた いつしか花は枯れてた
視界にあるのは 数えきれない水溜りだけ
大事な何かが 音も立てずに枯れてった
ブリキのじょうろが 涙で満ちてた

まだ虹を作ってる すがるように繰り返してる
触れられないってことを 知りながら手を伸ばす

名前があったな 白くて背の高い花
枯れて分かったよ あれは僕のため咲いてた
気付くのが遅くてうなだれた
僕の目が捉えたのは 水溜りの中の小さな芽 新しい芽

生きてく意味と また出会えた
自分の価値が今生まれた
枯れても 枯れない花が咲く
僕の中に深く根を張る
ほら ここに揺れる白い花
僕は気付かなかった 忘れられていた名前
僕の中で揺れる花
折れることなく揺れる
揺るぎない信念だろ