アスペは素晴らしき宝だから治療は不要で伸ばすべき

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305 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:3)
講談社『「超」勉強法』(野口悠紀雄)69ページ コーヒーブレイクより。「ドイツ語とフランス語」

ノーベル平和賞の受賞者、アルベルト・シュバイツァーは、アルザス・ロレーヌ(ドイツ名、エルザス・ロートリンゲン)地方の生まれである。ここはドイツとフランスの国境地帯なので、両方が母国語になる。

シュバイツァーは、この二つの言語を比較して、面白いことをいっている。フランス語は論理的で、ドイツ語は音楽的だというのだ。

フランスは平野の国であるから、人は危険が近づくのを目でみる。このため、目が発達し、美術が発達した。そして、フランス語は、見晴らしのよい平野のように明晰な言葉になった。
外交文書でフランス語版を正本とするのは、誤読のしようがないためである。

これに対してドイツは、森の国である。南ドイツの黒森(Schwarzwald)で木の登ったリスは、そのまま地上に降りることなく北海まで行けたほどだ。
見通しのきかない森で危険を察知するのは、音による。そこで、ドイツ人は耳が発達し、音楽に秀でた民族となった。ドイツ語は、森の中の迷路のように不明解である。しかし、音楽的な響きは素晴らしい。

まったくその通りだと思う。ドイツ語では、接頭語や接尾語が加わると、元の言葉と随分違う意味になったりする。森の妖精のようだ。
半面で(あるいは、それゆえに)、特に女性の話すドイツ語は、非常に美しい。

それを堪能するには、モーツァルトの「魔笛」を聞くとよい。ここでは、台詞がドイツ語で語られている。「夜の女王」の台詞を始めとして、実に素晴らしい。