896 :
優しい名無しさん:
(シぬっ・・・・・・シんじゃうぅっ・・・ママ・・・ママあっ・・・)
苦痛にわななく脚が身体を支えきれない。その足りない分が首への負担となり、未都希は己の意識が遠のいていくのをぼんやりと感じた。
「ずいぶんとヤワなマゾブタねえ。彩南、アレで支えてあげて」
「フフッそうね。わたしたち、慈悲深いものね」
天音の指示によって力尽きかけている少年の腰の下に三角木馬が置かれ、辛うじて首輪を吊り下げていた鎖に弛みが生まれる。
だがそれによって幽幻の境にあった未都希の意識は激痛とともに現実へと戻されたのだった。
「お情けで木馬に座らせてあげたけど、背中はまっすぐにしてないとまた首が締まるからね!」
「ほら未都希、お礼は?」
(・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!)
窒息の恐怖から逃れたのもつかの間、もっとも恥ずかしく柔弱な部分を残酷に割り裂こうとする鋭角に苛まれて、母親の声も未都希の心に届かない。
返事がないのを見澄まして、彩南は鞭を振り上げた。
ピシィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッ!!
「っっきゃああああああああああああああああああっ!っ!!っ!!!」
「なによ、ちゃんと口がきけるじゃない、ブタ! 礼はどうしたの!?」
背中に真っ赤な斜めの条痕を刻まれ、激痛の三重奏に苦しみ悶えながら未都希はこれまでにまして大粒の涙をポロポロと零す。
そして苦悶に固まっている唇を無理にも開こうとしたとき、二撃目が彼を襲った。
「なにをグズグズしてるの?! あと一秒でも遅れたら十発追加だよ!」