【名無し】統合失調症総合スレッドpart112【限定】
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優しい名無しさん:
統合失調症は、主には10代後半から20代に発症し、慢性に進行する精神疾患です。人口における
生涯有病率は、1.0〜1.5%で、ざっと100人に1人くらい発病する比較的多い疾患です。遺伝的背景や
原因についてはいまだに十分明らかになっていません。
発病のごく初期は、不機嫌、親への反抗、昼夜逆転、成績の低下、友人との交流が少なくなるなど、
反抗期の状態に近い様子がみられることが多くあります。また、考えがまとまらないというように
表現される訴えもみられます。これが次第に、奇異な内容を含むようになったり、まったく話さなくなったり、
興奮状態になったりして病院に連れてこられるケースが多く見受けられます。
統合失調症の症状は大別して陽性症状と陰性症状の2つに分けられます。陽性症状は、急性期に
多くみられ、幻聴などの幻覚、妄想、自我障害などです。慢性期になっても、これらの症状が残る場合も
多くあります。幻聴は実際にしていない音が聞こえるものですが、統合失調症の幻聴は人の話し声である
場合が多く、幻聴同士が会話をしたり、幻聴と会話ができたりする(対話性幻聴)のが特徴です。また、
妄想としては、盗聴器などが仕掛けられている、組織が自分を監視している(注察妄想)、嫌がらせを
している(被害妄想)などというものが多くみられます。また、自分の考えが他人の声として聞こえてくる
(思考化声)、自分の考えが人に知られてしまう(思考伝播)、人に考えを吹き込まれる(思考吹入)、
考えを吸い取られてしまう(思考奪取)、誰かに操られている(させられ体験)など、自分と他人の境界が
あいまいになる自我障害もよくみられます。
陰性症状は、感情の平板化、無気力、社会的引きこもり、などの症状を示します。社会的な引きこもりは
発病当初からみられることも多くあります。初期には同時に陽性症状がみられるタイプが多くみられますが、
陽性症状は治療により消失したりしてあまり目立たなくなる(疎隔〈そかく〉化する)のに対し、陰性症状は
一般に長く継続して残り、これが社会復帰の大きな妨げになります。
早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 "内田 直"先生