http://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/tsumuraya.html 円谷は女性に結婚の延期を告げた。
その後、女性は円谷の自宅を訪れ、玄関先に一つの段ボール箱を置いて去った。
その中には円谷が送ったプレゼントが全て詰まっていたという。
それから円谷は相次ぐ故障のため成績は延びなかった。
女性は昭和42年暮れに須賀川市内の商家に嫁いだ。
昭和43年1月、正月に久しぶりに帰郷した円谷はどこかでその話を聞いたのだろうか。
円谷は正月、実家から東京へ帰るとき、兄の車に伴走されて国道4号線を走るのが常だった。
普段は数時間は平気で走っている円谷はこの時、10分もしないうちに車に乗り込んできた。
そして呟いた。
「もう走れない。」
数日間、円谷は官舎に戻ることはなかった。
官舎に戻ったのちに安全カミソリで頸動脈を切り自殺した。