何で女は顔面至上主義なの?すごく辛いよ…

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449優しい名無しさん
スポーツ選手も顔面至上主義。


 今大会、銀メダルを獲得して有終の美を飾ったカーリ・トロー(ノルウェー)は大会前、里
谷をこう評した。「五輪になるといつも輝く人。調子が悪いとしても、彼女だけはわからない」
五輪のベルが鳴ると、必ず目を覚ます。世界でも特異な存在だった。
 一九九八年、長野で金。エース上村愛子が6位だったニ〇〇ニ年ソルトレークシティーでは
大会前の低迷から一転、銅メダルをさらった。今大会金のジェニファー・ハイル(カナダ)を
0.01ポイントの差でかわしての連続メダルだった。
 強運と、それを生かすここ一番での強さを併せ持つ「五輪の申し子」だ。周りに気を使いす
ぎる上村が重圧に押しつぶされ続けたのとは対照的。代表合宿にも加わらず、ひたすら独歩の
路線をとってきた。
 昨今ニ月、深酒による不祥事があった。集中力のすごさは裏返せば息抜きのうまさから来て
いるわけだが、何事も度が過ぎてはまずい。世間から身を隠す生活となり「何度も辞めようと
思った」というが、好きなスキーは捨てられなかった。
 奔放に生き、自由にコブを跳んできた天分に今大会、タガがはめられた。個人行動は許され
ず、選手村に入らされた。上村が戦いやすいようにというチームの優先課題に協力、マスコミ
対応を一手に引き受けた。重圧に苦しむ上村の「防波堤役」を自ら買って出たようだった。
 試合前日の練習後「早く終わってほしいです」と冗談めかして言った。意外に本心ではなか
っただろうか。笑顔を浮かべていい子ぶるのに疲れていた。思い出の積もった五輪の舞台だか
らこそ、準備不足の醜態をさらしたくなかった。
 長野で大泣きし、ソルトレークで歓喜。トリノでは空洞のような目の奥に悔しさをにじませ
た。「すべてが保守的な滑りだった。ただ自分の滑りをしたかった」。3大会連続の表彰台に
向けて攻めるはずが、思わぬみそぎに追われて……。その異才を発揮するには窮屈過ぎた大会
が終わった。(日経新聞2月15日 敗れざる魂:モーグル里谷多英)