+++ 近鉄バス運転士 泉原信男さん過労死問題 +++
―大阪労働局の審査請求により業務上認定と決定されました。―
2003年11月24日、出張宿泊先である水戸市内のホテルにて急性心不全(心筋梗塞の疑い)により死亡した近鉄バス運転士、泉原信男さんの過労死申請に対し、
12月8日、大阪労働局の大阪労働者災害補償保険審査官は、東大阪労働基準監督署長の業務外認定を取り消し、業務上認定とする決定を下しました。
判断内容は、
業務の特徴として、不規則で、拘束時間が長く、出張の多い、精神的緊張を伴うものと判断される。
発症前、1週間の勤務に休日はなく11月17日から21日までは早朝からの業務に従事し、22日は夜間高速バス教習のため車中泊をしている。
1ヶ月の時間外労働時間は概ね平均50時間を超えているが、認定基準である80時間には達していない。しかし拘束時間は1ヶ月平均280時間程度であり、発症前1ヶ月は約303時間と長く、過重負荷があったと考えるのが妥当。
総じて長時間拘束による睡眠時間の短さと生活リズムの乱れは、疲労を回復できる労働実態ではなかったと判断した。
今回の判断の特徴は、時間外労働時間数を過労死認定判断の中心に置く現状の認定基準に対し、拘束時間の長さ、生活リズムの乱れや他の業務負荷を正当に評価するなかで出された画期的な決定です。
安全と隣り合わせのなかで常態化しているバス運転士の過重労働に警鐘を鳴らし、仕事と家族責任の両立(ライフワークバランス)を無視した労働実態を問うものであると考えます。
2003.11.24 推定時刻5:30に心不全(心筋梗塞の疑い)により出張宿泊先のホテル(水戸市)にて死亡(享年56歳)
2004.11.18 東大阪労働基準監督署へ労災申請(意見書、報告書、資料提出)
2005.3.30 東大阪労基署より不支給決定通知
4.11 大阪労働局に審査請求
4.28 大阪発仙台行近鉄夜間高速バス、福島県磐越道で横転死傷事故(3名死亡)
6.24 大阪労働局に意見書、報告書提出