◆人格障害の全般的診断基準(DSM-W-TR)
(1) その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った,内的体験および行動の持続的様式.この様式
は以下の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れる.
(a) 認知(すなわち,自己,他者,および出来事を知覚し解釈する仕方)
(b) 感情性(情動を喚起するものに対する反応の範囲,強さおよび適切さ)
(c) 対人関係機能
(d) 衝動の制御
(2) その持続的様式は柔軟性がなく,個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっている.
(3) その持続的様式が,臨床的に著しい苦痛,または社会的,職業的,またはほかの重要な領域における機能
の障害を引き起こしている.
(4) その様式は安定し,長期間続いており,その始まりは少なくとも青年期または成人期早期にまでさかのぼる
ことができる.
(5) その持続的様式は,他の精神疾患の表れ,またはその結果ではうまく説明されない.
(6) その持続的様式は,物質(乱用薬物,投薬)または一般身体疾患(例:頭部外傷)の直接的な生理学的作用に
よるものではない
◆回避性人格障害の診断基準(DSM-W-TR)
社会的な制止、および否定的評価に対して非常に過敏な反応を示す状態。
成人期の早期に始まり、以下のうち4つ以上当てはまるとき、診断される。
(1) 批判、不承認、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
(2) 好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。
(3) 恥をかかされること、またはばかにされることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。
(4) 社会的な状況で、批判されること、または拒絶されることに心がとらわれている。
(5) うまくできていないという感じを持つと、新しい対人関係状況で制止が起こる。
(6) 自分は社会的に不適切な人である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。
(7) 恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、
または何か新しい活動に取りかかることに、異常なほど引っ込み思案である。