55 名前: 心因反応 [英] reactive-psychosis [独] psychogene-Reaktion [sage] 投稿日: 04/07/21 19:06 ID:goCsDFBA
広義には,心因によって生じた精神障害,すなわち神経症,人格障害も含むが,
普通は狭義の心因性精神病を指している。心因反応は別名,体験反応と呼ばれるが,
ヤスパース K.Jaspers は体験反応と呼ぶに際しての三標識をあげた。
(1) 原因となる体験が無かったら反応的状態は起こらない。
(2) この状態の内容・主題はその原因との間に,なるほどと理解できるような関連を持っている。
(3) この状態の時間経過はその原因に属しており,とくにその原因が去ればその状態は止んでしまう。
シュナイダー K.Schneider は多くの場合この標識にあてはまるとしながらも,
(2)と(3)とは必ずしもあてはまるものではないとしている。この指摘は次第に認められて,
ICD-10(WHOの国際疾病分類)では,
破局的体験の後の持続的人格変化
精神科的疾患後の持続的人格変化
という分類が登場している。
心因反応の具体的な反応型としては,
(1) 原始反応(驚愕反応,パニック反応,危急反応など)
(2) 環境反応;(a)拘禁反応,(b)感応性精神病(例えば二人組精神病),(c)祈祷性精神病
(3) 人格反応;(a)統合失調様(分裂病)反応,(b)反応性うつ病,
(c)妄想反応(@敏感性関係妄想,A好訴妄想,B難聴者の追跡妄想,中年未婚夫人の恋愛妄想など)
などがあげられる。
56 名前: 優しい名無しさん [sage] 投稿日: 04/07/21 19:06 ID:goCsDFBA
ICD-10の中では,
急性および一過性精神障害
急性多形性精神病性障害
統合失調症状を伴う急性多形性精神病性障害
その他の妄想が優勢な急性精神病性障害
があげられ,それらが
急性ストレスに関連しないもの
急性ストレスに関連するもの
とに二分されることになっている。後者が従来の心因反応である。さらに,
急性および一過性精神障害エピソードが同じ項目の小分類として,また,
別に,感応性妄想性障害(二人組精神病)が分類されている。アメリカ精神医学会のDSM-W-TRでは,
原因では分類しないので心因反応という項目は無いが,
他の精神病性障害
統合失調様障害
短期精神病性障害 著名なストレス因子のあるもの(短期反応精神病)
共有性精神病性障害(二人組精神病)
に分類されているのが従来の心因反応に属すものである。