米シンクタンク「緊張高めているのは中国」 オバマ政権の対中軟化批判 - MSN産経ニュース
ttp://sankei.jp.msn.com/world/news/130224/amr13022419430005-n1.htm ttp://sankei.jp.msn.com/images/news/130224/amr13022419430005-p1.jpg 【ワシントン=古森義久】米国の有力研究機関「ハドソン研究所」は24日までに、尖閣諸島をめぐる
日本と中国の対立へのオバマ政権の姿勢を、「敵対的行動で緊張を高めているのは中国なのに中国
に遠慮しすぎる政策を取り、かえって危険を増している」と批判する報告を発表した。二期目のオバマ
政権の外交・安保布陣がとくに危険だという。
報告は「米国は中国の日本威嚇を止めねばならない」と題され、共和党ブッシュ前政権の高官で
現在はプリンストン大教授のアーロン・フリードバーグ氏らにより執筆された。
報告は、オバマ政権が昨年からアジア旋回(ピボット)と名づけた中国の勢力拡大に対するアジア・
太平洋での抑止力増強策について、最近、同政権が中国の機嫌を損ねないという方向に軟化した
ことから、ピボットという政策用語も会計用語のような「リバランス(再均衡)」へと薄められたと指摘した。
そのうえで、安倍首相は尖閣防衛への米国の強い誓約を求めて訪米したが、オバマ政権からは
従来の日米安保条約が尖閣諸島に適用されるという自動的な言明以上の支援は得られず、ケリー
新国務長官の「アジアの米軍増強の必要性に確信を持てない」という証言は、中国への後退した
姿勢を示したと述べた。
ttp://sankei.jp.msn.com/world/news/130224/amr13022419430005-n2.htm 尖閣での対立をめぐっては、日本は中国の好戦性の標的であり、中国の言動が緊張を高めてきた
と指摘。2010年の中国漁船による尖閣諸島周辺の領海侵入をきっかけにした反日的な強硬言動や、
日本側の尖閣国有化を理由とする反日破壊活動、日本側の主権や施政権への空と海からの侵害、
射撃管制用レーダーでの日本側艦艇捕捉などを実例としてあげた。
しかし、報告は、オバマ政権が中国側新指導部との対決を避ける方向へと姿勢を弱め、日中両国を
同等に扱うとも思わせる言動をするようになったとした。こうした政権の姿勢は、尖閣をめぐる緊張の
原因が中国側にあることを直視せず、中国が日米両国間にクサビを打ちこもうとして日米同盟の強さを
試している現実をみていないと批判した。
報告は、もし米国が日本との間に距離を置く態度をとれば、中国の侵略を激励する効果を招き、
軍事行動を助長すると分析。まさに米国が最も避けたいとする事態を生みかねないと警告した。