テスト1とテスト2はサーバが同じでクライアントだけ変えてあります.
なので,両者の結果の差はクライアントの差と言うことになります.
ハードウェアのスペック的にはこんな感じ(↓)
クライアント@テスト1 > サーバ@テスト1
クライアント@テスト1 > サーバ@テスト2
なので,クライアント@テスト1のスペックが低すぎてテスト1の結果が
悪くなっているのではありません.従って,テスト1の結果が悪いのは
クライアント側ソフトウェアの問題と言うことになりそうです.
と言うわけで,
結論1: 高価な NIC も厨房 OS ではその真価を発揮しない.
(漢なら Solaris/*BSD を使え!)
ちなみにこの結論は,参考値とも矛盾しません.
テスト2の結果を見てみると,AN983 は安物のくせに 82557 と比べて
一歩も引けを取らない性能を出しているのがわかります.
結論2: AN983 は案外高性能だ.
テスト3の結果を見てみると,クライアント側の NIC に関わらず put に
関して悪い結果が出ています.これはクライアント側のソフトウェア
(OpenBSD の ftp クライアントの put の実装)に問題がありそうです.
テスト3の get の値は,上記の結論に矛盾しません.
OpenBSD 3.0 は AN983 をあっさりと認識し,そのまま何の問題もなく動い
ています.しかしドライバのソース(if_dc_pci.c)を少し眺めてみると,
ベンダー/デバイス・コードを見て処理を分岐しさせている個所がいくつか
見つかります.このことから DEC 互換をうたっている AN983 も,ドライ
バによる作りこみが必要であることがわかります.使用する OS がこの NIC
をサポートしているか,事前に調べる必要があると思われます.
注意点1: ドライバが AN983 をサポートするか,事前に調べておく必要がある.
(ソースも見ずに「動かねー」とか「はまりまくり−」とか言ってるばかは
放置すること)
暗号化を伴う通信(https/ssh/ipsec など)を行う際,CPU の負荷は非常
に高くなります.これを行う際には,なるべく CPU の負荷を上げない NIC
を選択すべきでしょう.今回,CPU への負荷に関してはデータを取ってい
ません.しかし AN983 は基本的には DEC chip と同様の動きなので,CPU
への負荷は低いはずです.
#が,データが無い以上断定的なことはいえません