IP パケット − はるかなる旅

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151厨房
今日、僕の父ちゃんは「あそこの本屋つぶれてないか見て来い」と言った。
僕に本屋の住所とお金255円くれた。
僕「この住所だけじゃどこ行ったらわかんないよ。」
といったら
父「わからないんなら近くの交番で聞いて来い!それぐらい頭使え!」と言われ
僕は半べそをかきながら、家を出た。
でも255円も小遣いもらったし、まっいいかと思って、とりあえず交番へ向かった。
どきどきしながら交番を訪ねた。
僕「あ、あのぅ、、、この住所のところに行きたいんですが・・・」
と恐る恐る聞いてみた。
警官「ふ〜む。この住所はどこだろう?そうだ、あいつなら知っているだろう。
 坊や、こっちの道をまっすぐ行けば、また交番があるから、そこにいる警察官に
 聞きなさい。」
僕「この道まっすぐでいいですか?どうもありがとうございました。」と言って、
交番を去ろうとした。すると、警官がびっくりすることを言った。
警官「その道まっすぐでいいよ。教えてあげたから1円もらうね」
ええ?なんで?と思ったけど、怖いし、1円だし、いいかな。と1円渡した。
警官は笑顔で
警官「気をつけていっといで〜」と。
僕は腑に落ちなかった。なんで1円取られるの?
警官は親切そうだったが、実はがめつい人だったようだ。
次の交番に行く間、ずっとそんなことを考えていた。
152厨房:01/12/09 16:48
気を取り直して、次の交番へ行った。でも
ここでも同じような対応。1円取られた。
交番というところは道を聞くと、1円取られるようだ。
今まで知らなかった。勉強になった。

次の交番も行列ができていてだいぶ待たされたけど、対応は一緒だった。
しかし僕の後ろに並んでいた小さな子には警官の対応は違っていた。
その小さな子は僕と同じような目的を持っていたようだった。
でも相当迷子になっているらしい。お金も一銭も持っていないようだ。
その子が道を尋ねると、警官は言った。
「住所はあいつが知っているが・・・」ここまでは一緒だったが、
「君はお金を持っていないねぇ。君は交通の邪魔だ。死刑にする」
そう言ったかと思うと、ピストルでその子をその場で射殺した。
もう僕は何がなんだかわからなかった。すぐにその交番を出て
必死で走った。殺される!と僕は心の中で叫んだ。
ガムシャラに走ったせいで、途中、大型トラックにも引かれそうになった。
命からがら、僕は次の交番へたどりついた。
僕は交番に入っていいものかどうか考えた。
あの子はなぜ殺されたんだろう?そういえば、お金を持っていなかった。
でもどうして?お金があるなら大丈夫なのかな?ここで殺されるんだろうか?
僕がそんなことを考えているうちにいろいろな人が交番へ入る。
殺された人はいないようだ。観察していくうちにお金がないと殺されることがわかった。
僕は交番に入り、1円払い、道を教えてもらった。
僕は交番を出た。
153厨房:01/12/09 16:48
しかし非常に恐ろしいことが僕の脳裏に浮かんだ。
これから1円ずつ減っていってお金がなくなったら、僕の運命は!
そう、あの子と同様に殺されてしまう。
かと行って交番に行かなければ、腹が減って飢え死にする。
僕は考えた。長い間考えた。しかしやがて決心がついた。
お金がつきるまでに本屋へ辿り着くことにかけようと。
そう決心した後でも僕は、不安でいっぱいだった。
今のところ全て「あっちの交番行ってみて」としか言われていないからだ。
僕は果たして本屋に辿り着けるのか?このまま交番を訪ね歩いて
死んでしまうのか?僕は怖かったが、もたもたしているわけにも行かず、
次の交番へ。
154厨房:01/12/09 16:49
そんなことを12,3回繰り返した。
そして最後の交番で
「ここの住所は知ってるよ。すぐそこに看板が見えるだろう?あそこだ。」
遂に辿り着いたのだ。本屋のように見えなかったが、そこの家の前で叫んだ。
「誰かいますか!」
家の中から男が出てきた。
「なんのようだ?金を持ってるな。とりあえず没収だ。」
僕は死を覚悟した。
「ちょっと待て。すぐに帰れるように準備してやるからな。」
殺されずにすむようだ。
そして、少し待った後、また255円くれた。
なんだ、いい人じゃん。
「じゃぁ、もう帰れ。この手紙をもってな。」
僕は意気揚揚として帰ろうとした。来た道を忘れてしまったが、
まぁ元来た道を帰ればいいんだから。

僕はこの時、
帰り道、電車にひかれて、死ぬことになるとは夢にも思わなかった。