アラン・プロストは、昨年末の衝撃的なホンダ撤退以来F1界を揺さぶっている世界的な金融危機の中でも、
平静を保つべきだと述べた。今はパニックに陥るのではなく考えるべき時だと彼は言う。
4度ワールドチャンピオンを獲っているプロストは、かつてF1で自分のチーム、プロスト・グランプリを
1997年から2001年末まで運営していた。それ以降、制御不可能なほどにコストが増大している、と彼は主張する。
コスト増大が、ホンダの撤退決定や主要スポンサーの出資見直しなどのきっかけとなったが、それに対して
紋切り型の反応をするのは、事態を悪くするだけだ、とプロストは述べている。
「“立ち止まろう”と言うよりむしろ、“考えよう”と言う人たちの方がいいと思う」と53歳のプロストは、
アソシエイティッド・プレスに対して語った。
「ホンダのことはともかくとして、パニックはないと思う」
「F1では誰もが、予算を削減すべきだという同じ境遇にある。過去10年間、F1でこんなにリソースが
豊富だったのは見たことがない」
プロストはF1から離れた後、母国フランスで氷上レースのアンドロス・トロフィに参加したり、2008年
ユーロシリーズF3000のチャンピオンとなった息子ニコラのキャリアをサポートしたりしている。プロストは、
F1の“黄金期”に参戦していたといっても、当時すべてが今よりよかったわけではない、と述べた。
「オーバーテイクが少なくなり、戦略がより重視されている」と、F1で51回優勝し“プロフェッサー”と呼ばれた
プロストは、現在の状況について語った。
「すべてはピットウォールで起こり、ドライバーはただ走るだけだ」
「私たちは、ブレーキやギヤボックスをいたわって走り、燃費にも気を配らねばならなかった。しかし今は
すべて、スターティンググリッドで決まっている。今、私は以前よりお金があるが、F1の世界にはあまり興味を
持てなくなっている」
「私は黄金期を経験したが、当時はクラッシュがあり、死があった。今日のドライバーたちは、
安全性の黄金期にいるんだ」
[オートスポーツWEB 2009年1月30日]
ソース:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000002-rcg-moto