(中スポ)
これが厩舎では最後の走り。そう思うと切なさがこみあげてくるメイショウトウコン担当の林順二厩務員(37)。
安田伊調教師逝去で、来月20日で厩舎が解散。馬も人もバラバラとなり、新しい厩舎に移動することになる。
「こういう形で解散になるのは残念。定年に解散なら諦めもつきますけど」
ですから今回の東海Sは「何としても花を咲かせたいです」
トウコンとはデビューから付き合って6年。「若い時はカイバ食いも悪く調整が難しかった。それに爪も悪くて・・・」
そんな中、重賞5勝、JCダートでは2着に入る好成績。これも林さんの愛情あふれる世話のたまもので、
すべての手入れが終わるのは厩舎に人の影がなくなるお昼。帰るのは厩舎ではいつも最後という熱心さ。
それに応えてくれたトウコンとの思い出に残るレースは、重賞初挑戦初制覇をやってのけた平安Sという。
今回、オークス参戦の藤田騎手に代わり、平安Sをテン乗りで制した相性のいい石橋守騎手が手綱。追い切りは坂路で55秒4−14秒1。
「先週やっているのでこれで十分。一昨年制した東海Sの時より、今年の方がいいです。叩き3走目でどんどん良くなっています」
カイ食いや爪の不安があるトウコンを手元から離すのは心配という。「でも仕方がない」。
“6年間ありがとう。重賞を取って別れを飾ろうね”
林さんとトウコンからの声が胸に響きました。