☆北村友一☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
386こんな名無しでは、どうしようもないよ。
80年代後半から続く''武豊1強時代''の牙城を崩しにかかったのは地方出身の雄・安藤勝と岩田。
一方競馬学校出身騎手はまだひ弱だが、昨年の新春対談登場の吉田隼人&藤岡佑介をはじめとする
新興勢力に台頭の息吹がうかがえる。その07年代表といえるのがデビュー2年目、一気にブレイクした
田中博康、北村友一の東西コンビ。彼らはいかに勝ち星を量産したのか?08年の展望は?余すことなく
語ってもらった。(構成・虎石 晃)

実に馬が合う2人
−−−競馬学校の同期で大の仲良しだったとか
北村 はい。(田中)パクは最初から馬が合った。おとなしそうな感じだったな。
田中 ユーイチの第一印象は…黒かった。もちろん顔色のことだけど(笑い)
北村 まじめには見えないかもしれないけど、筋トレなんかはセッセとやっていたよな。
田中 そうそう。今は筋肉が硬くなるから控えているけど、あの時は勇人(的場)も入れて3人で毎日やっていた。
北村 落ちこぼれグループで皆最初は下手っぴだったけど、徐々にマシになっていった。
田中 いや、ユーイチだけどんどん先に行っちゃった。昔から天才だったもんな。
北村 天才じゃないよ。
田中 いや、馬への当たりが柔らかくて鞍ハマリがいい。根っからの馬乗りだよ。
北村 自覚はないんだけど。ただ、試験をやるたびに順位が上がっていった。
−−−デビュー以後はユーイチが逃げて、パクが追いかける展開…
田中 見せ場だけは作ろうとモガいた(笑い)。
北村 パクは学校時代から努力家だった。1年目はダメだったけど、このままじゃ終わらないと思ってた。
田中 1年目は馬に乗せてもらうだけでいっぱいいっぱい。騎乗馬ゼロの週をなくすことに必死。
    勝ち負けは二の次だった。
北村 パクは07年はメチャクチャ乗った。僕より100戦以上も多い。少し回してほしい(笑い)。
田中 いろいろな人にお世話になったけど、特に先生(高橋祥調教師)には感謝。
    騎乗依頼を受けた厩舎の先生には必ず競馬場でひと言かけてくれたみたいだし…。
北村 それはありがたいな。自分は騎乗馬に関してしがらみに固執したくない性分で早々にフリーになった。
    多くの厩舎の馬に調教でまたがることができるし、動きやすい。

387こんな名無しでは、どうしようもないよ。:2008/01/08(火) 20:33:02 ID:lLH4paHZ
勝利量産の秘訣は
−−−北村君は現在エージェントをつけている
北村 1年目から契約している。一人じゃなかなか馬を集められないし、特に関東にはツテがないから。
田中 僕も将来的につける可能性はなくはないけど、先生にまだ早いって言われている。
    よほど信頼できる人でないと苦労も多いみたいだし。
−−−07年躍進の理由は?
北村 年始めの''ここは絶対結果を出さなきゃ''というレースで勝てたのが大きい。厩舎の印象が良くなったし、
    別馬も依頼してもらえるようになった。運がよかったかもしれないけど、1着を求められる時に結果を
    出せたのが勝ち星につながった。
田中 春の新潟では1日に3勝というのがあったし、人気薄の馬でも勝っていたよね。
北村 ただ、ケガがホントに痛かった(落馬骨折で3か月間休養)。まだ復帰したばかりだけど、思うように
    体が動かない。いったん休むと元に戻るまで時間がかかる。
−−−田中君は40勝をオーバー
田中 積極的な競馬を心がけて結果が出た。先生からも日頃から前々での競馬を、と再三言われてきた。
    厩舎がなぜ減量騎手を乗せるのかを考えろ!といつも起こられた。
北村 僕はエージェントが騎乗チェックしてくれる。第三者の目は大事。
    それにしてもパクは追えるようになったよな。
田中 いやいや。ユーイチだって中山初騎乗の日のオールカマーで2着(シルクネクサス)。
    僕ははるか後ろ(ルーベンスメモリー=14着)で、勝ったのかなと思ってた。


それぞれの目標
−−−08年の目標は
北村 07年以上に結果を残すこと。もっと技術を磨かないと…。とにかく追えないから僕は。
    リプレーを見ても、馬を動かし切れていない。
−−−関西のお手本は?
北村 岩田さんは当然追えるけど、身近では川田先輩。どうしたらああなれる?
田中 僕に振るなって(笑い)。でも、競馬に乗れば乗るほど''追える、追えない''というのがあることを感じる。
    昔は誰が乗ってもそうは変わらないと思ってたけど。
北村 例えば岩田さんならもっと上の着順だったな、という時が結構ある。直線のアクションだけでも全然違う。
−−−アドバイスをしてくれる先輩は?
田中 僕は大野さんが一番身近な存在。ボロクソに言ってくれて勉強になる。あとは松岡先輩。
    ヨシトミ(柴田善)さんは「見て学べ」って(笑い)。もう次元が違う。
北村 僕は藤岡(祐)先輩。レース直後のアドバイスが身にしみる。
−−−田中君の目標は?
田中 数字にはこだわらない。08年は減量が取れるからもっとうまくならないと勝ち星は落ちる。
    ダービーにはあこがれがあるけど、まずはコンスタントに乗りたい。最近特に気をつけているのが''斜めの移動''。
    道中ではなるべく内を回り、4角でスムーズに外へ出す乗り方。松岡さんに教わったんだけど、実際は難しい。
北村 07年の夏にミッキーチアフル(牡=音無)という素質馬に巡り合えたのは財産。
    ただ、2勝目を狙った前2走(12月9、23日)で負けてしまって。
    せっかく「来年はミッキーとクラシックを狙います」と宣言しようと思っていたのに。
    いつ乗り替わってもおかしくない立場だから…。
田中 僕は自厩のコマンドールクロス(牡)が楽しみ。1000万に昇級してからパッとしないけど、素質は高い。
    あとはブルーマーテル。能力を引き出す形になった500万勝ち(7馬身差)は爽快だった。
    あんなインパクトのある騎乗がいつもできれば…。それが重賞ならなおいい。
北村 自分が乗りたいと思う馬が身近にいるのはいいこと。その馬に見合う騎手になろうと、自然に努力するからね。

388こんな名無しでは、どうしようもないよ。:2008/01/08(火) 20:33:49 ID:lLH4paHZ
理想のジョッキー
−−−理想の騎手は?
北村 うーん、特にはいない。イイとこ取りでいきたいですね(笑い)。武豊さんのレース勘、
    伸二さん(藤田)のガッツ、幸さんの人柄…。 
田中 馬乗りと人間性ではヨシトミさんが僕の中では抜けている。ただ、身近な目標は吉田(隼人)先輩。
    競馬のことをすごく考えているし、若手の中では一番うまいと思う。
−−−夢は?
北村 G1を勝つこと。G1なら何でもいい。凱旋門賞じゃなくても(笑い)。
田中 うん、G1は勝ちたい。
−−−ガッツポーズは?
田中 僕は絶対にしない。岡部さんやヨシトミさんはしないから。したとしても軽く、だね。
北村 練習はしていないけど…僕はするかな。池添先輩が派手にやっているし、格好いいから。
    これから研究を始めることにします(笑い)。


田中博康(たなか ひろやす)1985年12月5日生まれ、埼玉県出身。美浦・高橋祥厩舎所属。
デビュー年は4勝止まりだが、07年は菊花賞でG1初騎乗を果たし、勝ち星も40勝ラインをクリア。
騎乗数は関東でトップクラス、いまやローカルのみならず主場開催でも欠かせない騎手の一人。
研究熱心で厩舎関係者からの信頼が厚い。吉田隼、松岡に次ぐ関東若手の成長株だ。

北村友一(きたむら ゆういち)1986年10月3日生まれ、滋賀県出身。栗東・田島良所属→現フリー。
06年デビュー組の中では最多の14勝を挙げ新人賞を受賞。07年は落馬負傷のブランクがあったが、
45勝まで数字を伸ばした。徹底したローカル回りが量産を導いた形だが、テン乗りでの勝利も目立ち、
馬の個性を瞬時に把握する能力にたけている。冷静な騎乗ぶりはキャリアを感じさせない。
次期''天才騎手''候補。

>>386-388