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小田切総統 ◆Q1ExssOilE :
(報知)
1+1が2ではなく、無限に広がる夢を生み出した。父メイショウホムラ、母メイショウハゴロモ。
お世辞にも派手とは言えないが、思い入れのたっぷり詰まった配合によってメイショウバトラーは誕生した。
「オーナーも先生(高橋成調教師)にとってもこういう馬が走ってくれているというのは嬉しいと思う。
私たち生産者にとっても希望というか、励みになりますよね」と三木田明仁さん(47)は言葉をはずませた。無事であることの喜びが人一倍、分かる。
今からわずか8ヶ月前の春。脚部不安で1年以上も放牧に出されていたバトラーについて、高橋成調教師は明仁さんに言った。
「これから牧場で速いところをやるが、痛がるようなら(繁殖に)上げよう」
しかし、この言葉が聞こえたかのように、痛がる素振りを全く見せなかったバトラー。現役続行へGOサインが出され、そして今の快進撃がある。
ひそかな楽しみがある。それはインターネットの掲示板でバトラー関連の板を読むことだ。
古くは父母の代のファンから、この味のある配合で生まれたバトラーのファンまで、書き込まれた様々な声を読んでいるという。
「好意的なものが多くて、嬉しいですね。休んでいた時はなくなったんですけど、また“復活”ってタイトルのバトラーのやつが出てきたんですよ」と笑みを浮かべる。
バトラーの母、メイショウハゴロモが初戦を勝ったのは4歳(当時5歳)夏、実に21戦目だった。
バトラーの6歳にしての活躍も晩成タイプだった母の血のなせる業なのかもしれない。
「前走は惜しかったし、頑張ってほしい。何とか無事に、ですね」
父も母も届かなかった頂点への挑戦。その力をフルに出し切れば、悲願はきっと成就する。