平成17年度 新人騎手総合スレッド part3

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54こんな名無しでは、どうしようもないよ。
東スポ7/3付、取材のウラ側現場ノートより。


ディープインパクトの圧勝に沸いた05年ダービーの陰で、元ダービージョッキーがつぶやいた。
「デムーロ→アンカツ→武豊。もはやダービーはトップジョッキーしか勝たないレースになった。
俺みたいな下手な乗り役は、昔に生まれて幸運だったのかもしれない」。
声の主はメリーナイスで第54回ダービーを制した根本康広調教師(49)。
もちろん師が二流だったわけでも、懐古にふけっていたわけでもない。
一貫してドライビジネスになった現代の厩舎運営。
そこに抱く寂しさと危惧が冒頭の言葉に込められている。

師はかつてこう語ったことがある。
「俺は師匠(橋本輝雄元調教師)に恵まれた。
デジタル式にリーディング上位が選ばれる時代なら、メリーナイスに出合えたかどうか。
人の絆が人を育てる。そんな空気が当時はあった」。

だからこそ師は時流に逆らって人材育成に全力を注ぐ。
自分を支えてくれた先人に恩を返すべく、所属の佐藤聖也を騎乗させる。
実績のない新人騎手がデビューから毎週3頭以上の騎乗馬を託される裏で、
関係者に頭を下げ奔走する師匠の姿がある。
「聖也が競馬学校を留年して泣いて電話してきた夜、
絶対に騎手にしてやるって約束したから。中途半端にはできないさ」

今やまれな熱き師弟愛。
これが数年後のダービーで実を結ぶかはまだ分からない。
だがシビアな乗り替わり劇が繰り返されるたびに、そんなドラマを見たいと思う。