ゆず『雨のち晴レルヤ』 ドヴォルザーク『新世界より』使った理由
視聴率好調が続くNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』。ドラマの世界観を支えているの
が、ゆずが歌う主題歌『雨のち晴レルヤ』だ。ゆずにとって初となる朝ドラ主題歌。昨年9
月のドラマ開始とともに、視聴者からは「朝の雰囲気によく合っていて心地よい」「歌を聞
いていると、め以子頑張って!と応援したくなる」「聞いていると優しい気持ちになれる」
といった声が出ている。ドラマに出演している東出昌大も、昨年末のNHK紅白歌合戦で「今
日も1日頑張らないと、という明るい気持ちになります」と語っている。音楽評論家の富澤
一誠氏は、この楽曲についてこう評価する。「今回のドラマが大正から昭和にかけての話で
すから、昭和テイスト、和のテイストがないとドラマの内容とリンクしないのですが、この
曲は篠笛の音を効果的に入れるなどして、和の雰囲気をうまく出している。メロディーがす
ごく良くできていると思います」実際、作曲を手がけたゆずの北川悠仁は、曲作りに工夫を
したようだ。そのひとつがクラッシックを取り入れたこと。間奏部分にドヴォルザーク によ
る交響曲第9番『新世界より』のフレーズを入れているのだ。
北川は以前、ラジオでその理由についてこんなふうに語っている。「朝ドラの大正から昭和
という激動の時代と、そのときに流れていた音楽の世界観をすごく大切にしてサウンドを作
っていきました。その時代の音楽とか、もっといえば日本の音楽の歴史みたいなものを紐解
いていったときに…。もともとクラシックで”新世界”という曲があって、それが今度日本に
渡ったときに、日本の中で童謡へと変化していくという面白いプロセスがあるんですよね。
この曲でわれわれが目指していた時代を超える感じ、国を超える感じというのが、”新世
界”という曲の中にすごく凝縮されているんじゃないかと」前出・富澤氏も『新世界より』
を入れた効果についてこう指摘する。