ごちそうさん:好調朝ドラ支えるレシピ…料理監修者に聞く
毎朝おいしそうな料理が登場するNHKの朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」。平均視聴
率が20%を超える人気を誇る(ビデオリサーチ調べ)。料理監修を担当するフードスタイ
リストの飯島奈美さんに、ドラマで重要な役割を果たしているぬか漬けの作り方などを聞い
た。「ドラマで紹介した料理を『食べてみたい』などと声をかけられることが増え、期待の
大きさに驚いています」と話す飯島さん。毎朝放送される反響は想像以上だったという。
「ごちそうさん」は、東京の洋食屋に育った食いしん坊の娘め以子(めいこ、杏さん)が、
大阪市役所に勤める西門悠太郎(東出昌大さん)の家に嫁ぎ、料理を通じて温かい家庭を作
ろうと奮闘する物語。毎週のドラマの内容に、テーマとなる料理がうまく絡んで進行してい
くのも、見る側の「おいしそう」度を高めている。料理をいかにおいしそうに見せるか。ポ
イントは「湯気」という。スタッフと細かく打ち合わせながら、タイミング良く本番に料理
を出すのが、フードスタイリストとしての腕の見せどころだ。「明治から昭和にかけての物
語ですが、当時は洋食文化が入ってきて、食文化が豊かになった時代。オムライスなど当時
生まれた料理が、今では当たり前のように食べられているなど、私自身、いろんな発見があ
ります」と飯島さん。東京出身なので、東西の味の違いなどについては、大阪料理監修の広
里貴子さんと協力しながら工夫している。放送中に、和食が国連教育科学文化機関(ユネス
コ)の無形文化遺産に登録されるという大きなニュースが飛び込んだ。飯島さんは「高級料
理でなくてもいい。もっと各家庭で和食を意識して作ってほしい」と訴える。「手間がかか
る」とされ、何かと敬遠されがちな和食。「だしを取ったりして、毎日きちんとするのは確
かに大変。週1回でも、2週間に1回でもいいので、きちんと手間をかけて料理する日を決
めてみては」自由な発想で工夫するのも、料理を楽しむコツ。