三月下旬に久々のアルバムを出す。大阪出身。大阪局での撮影は「実家から通い、暇を見つ
けて地元の友人に会ったりして、充実した時間を過ごしています」と、若者らしい素顔も見
せた。 (藤浪繁雄)
◆力の源になりたい 劇中音楽を担当・菅野よう子さん
「ごちそうさん」の劇中音楽を手掛けているのは、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲
く」で新境地を開いた作曲家・菅野よう子さん。「食べ物が幸せな記憶として降り積もって
いく物語。生きていく力の源に少しでも寄り添えたらうれしい」と話す。料理や食卓の情景
から登場人物の特徴まで、味わい深い管弦楽曲に仕立て、人情物語を彩る。ウィーン・オペ
ラ舞踏会管弦楽団の演奏は、「家庭料理のようなチャーミングな音」にほれ込んだ菅野さん
たっての希望だ。イメージを伝えようと楽団員に料理の絵を見せ、身ぶり手ぶりで説明。
サントラCD「ゴチソウノォト」には、ぬか床のテーマや「オムレットワルツ」など二十八
曲を収録した。「音だけ聞いても『おいしそう』って思ってもらえたら最高ですね」
幼いころから「言葉よりも先に音が浮かぶ」と語る、根っからの作曲家。アニメや映画、C
Mなど求められるまま曲を作ってきたが、「花は咲く」は依頼側に向けてではなく、子ども
のころのように素直に作った。「多くの人に受け入れられて、音楽で世の中に貢献したいと
いう思いが芽生えた」「ごちそうさん」にも、そんな“意義”を感じている。「思いを入れた
音楽を毎朝、ばらまけるなんて大変な機会ですよね」と声を弾ませる。