ゆず告白!朝ドラ『ごちそうさん』の主題歌は冒険だった!?
ゆずがニューシングル『ヒカレ』とアルバム『新世界』をリリースする。ふたりの、また新
たな一面が垣間見える本作について、じっくり語ってもらった。――2月12日発売のシング
ル『ヒカレ』の1週間後に、アルバム『新世界』がリリースされるわけですが、アルバム
は、タイアップ曲以外はすごく自由な挑戦をしている曲ばかりですね。作り手は変わらない
のに、ちゃんとブランド力を刷新しているところがすごいと思いました。北川 とらやの羊
羹と一緒ですよね。とらやの羊羹って、長年、まったく変わらない味を提供しているよう
で、実は少しずつ時代に応じて変えてるんです。それは、僕もすごく好きな感覚で。一見す
るとゆずって何も変わらない部分を持っているのに、実は、10年前と比べると全然違うもの
になっている部分もたくさんある。――タイアップ曲も多いのに、ちゃんと全てがスタンダ
ードと革新的な部分を抑えていますね。ピュアな部分だけじゃない、キレイ事じゃない部分
も、ちゃんと音楽で表明している。北川 正直、僕は最初、タイアップが苦手だったんです
けど、『栄光の架橋』を書いた頃から、タイアップであれば自分たちを知らない人にも曲を
届けられることがわかったんです。
それに、タイアップのプレゼンでも、落ちるかもしれないけれど挑戦的な楽曲を敢えて送り
込むようなこともしていて。例えば『雨のち晴レルヤ』なんかはそうです。朝ドラの主題歌
なのにワルツって部分では、ちょっと冒険だったんだけれど、新しい方向性とポピュラリテ
ィの両方が示せたと思う。10周年から15周年の間には、もがき苦しんだ時期もあったけれ
ど、それを乗り越えたら、何をやっても“ゆず”としての音楽のスタンスがブレなくなったよ
うな気がします。――そのもがき苦しんでいる北川さんを見て、岩沢さんが励ましたりする
ことはあるんですか?岩沢 ないですよ! 頑張れよ、なんて言ったことないです。音楽でも
がき苦しむときって、北川も僕もそうだけれど、答えはかならず、曲の中にあるんです。