【木9】Dr.DMAT【大倉忠義】Part3

朝日新聞　週刊番組表

「Dr.DMAT」に出演　大倉忠義

天才的な腕前で難手術に果敢に挑むような、最近流行のヒーロー的な医師ではない。「Dr.DMAT」（TBS系、木曜夜9時）で演じているのは、命を扱う自分の仕事の責任の重さに葛藤し、もがき苦しむ青年医師・八雲響だ。

「戸惑い、命に向き合う時も葛藤する人間らしい医師。こういう感情を持ちながら響が成長していくことがうれしいです」

DMATは、大災害の現場で消防などと連携して治療にあたる、災害派遣医療チームの通称だ。日本では、阪神大震災を機に取り組みが始まった。

現場では助かる見込みがある人を優先して処置せざるを得ない。だが響は、判断ミスで妹を植物状態にさせた過去があり、「自分の手で命を選ぶこと」に抵抗があって。。。。。

関ジャニ∞の一員として、歌番組やバラエティー番組でも活躍中だ。実は、テレビで仕事をする人間として、ある「使命感」を胸に秘めている。

東日本大震災後、テレビからドラマやバラエティー番組が姿を消した。東京でも人々の暮らしが混乱した。「自分に何ができるのか」と心がざわめいた。

その後、バラエティー番組が再開した時、ほっとしながら思った。「僕らの活動を見て、不安だった人が少しでも笑顔になってくれるなら、それが自分が生きる意味かもしれない」

幼い頃経験した阪神大震災も、心に深く刻まれている。仕事で東北の被災地に行く機会もあり、あの時の気持ちは今もふくらんでいる。「大災害が起きた時にはDMATという心強い存在がいる、ということが、みなさんの安心感につながれば」。

静かな声で話した。