1 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:
例えば、続編には消極的なクドカンに代わって、脚本には遊川先生を招聘するとか
2 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/22(火) 23:12:43.08 ID:hJzXdCY00
猫背が気になる主人公に代わって、夏菜を招聘するとか
ヤンキーっぽい能念が主人公
かっけー! おら、尼になるだ!
新キャラ…ゴーリキさん
もちろんトップアイドルの役で。
6 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 05:07:53.68 ID:uTZB6QM10
シングルマザーの花巻さんは印象が暗かったので、ビッグダディの元妻美奈子さんを招聘しよう
7 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 06:19:04.41 ID:kRT7rwW40
小倉「
あまた2」
8 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 06:32:49.73 ID:ftPxCFlm0
全国の海女のいる町と北三陸が姉妹都市に。
親善大使として各地を回る天野アキ。
そこで出逢いと失恋。
最後は北三陸でアマーソニック。
9 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 07:20:21.91 ID:iJ8J+7exO
にゃー
小ネタなし、パクリなし
脚本ノーリミッタの深夜放送
放映決定を一番望みます
13 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 21:11:49.10 ID:nwxKcepG0
次はユイちゃん主人公
愛犬家とかハゼヘンとか巨大スーツケースとかの謎が徐々に明らかになっていく
能年ちゃんがいいとも司会に祭り上げられて久慈ロケが出来なくなり
舞台が北三陸市+上野+仙川から渋谷+アルタ周辺に変更されます。
15 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 22:22:40.91 ID:s6jYNcBj0
2058年
天野アキ 66歳
日本海女教協会会長
足立ユイ 66歳
日本を代表する芸能プロダクション JJJプロダクション社長
16 :
炙りだしたサーモン:2013/10/23(水) 22:32:34.00 ID:O8v621HE0
確かに・・・・
17 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/23(水) 23:20:14.54 ID:kma2P9rp0
アグエロ+ダビド・シルバ+ヘスス・ナバス+ ナスリ+ジェコ+ネグレド+ヨベティッチ+ヤヤ・トゥーレvsロシア本田△ フジテレビが生中継するCLのマンC戦が楽しみ
あの先の話は、微妙に現実とリンクさせてたこともあって
どうしたって続けられないだろうから
あまちゃん2やるんだったら
本編では語られなかったあまちゃんをやればいいんだよ。
要はスピンオフ集だな。
ある日の天野家とか
やさぐれユイが素に戻る瞬間シリーズとか
海女クラブの日々是愚痴愚痴とか
事務員花巻の隠された趣味とか
北鉄繁盛記とか
おめでた弁護士とか
喫茶アイドルに田川陽介とか
スケバン春子最狂伝説も是非
20 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/25(金) 17:03:00.70 ID:0oqE0hNl0
誰も得しない あまちゃん2絶対反対
21 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/25(金) 18:05:50.58 ID:+upgdEcsO
クドカンがイヤがってるうちはやめとけ。
22 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/10/25(金) 18:45:22.17 ID:UYs0/cdS0
あま2は春ばっぱ、あま3はあぎばっぱ。
アギの子は冬彦でニューハーフの海女なる。
アギの夫はストーブさんだが、種はずぶん先輩だな。
とりあえずSONやぶりっ子をカットしてみたあまちゃん1.01、ところどころ未使用
カットに差し替えたあまちゃん1.5などをランダムで流して視聴者を混乱させます
>>15 アキ役を夏ばっば、ユイ役をメガネ会計BBAで
あまちゃん2はやらないを要望
>>21 あまちゃん見てて思ったんだが
クドカンって裏をかく天才だよな。
ってことはよ。
あのポーズも伏線なのかもよw
あまちゃん1ではボツになったメモリーズのサンタコスチューム復活希望
熟年メモリーズ見たい
鈴鹿さんの中の人ライブで潮騒歌わなくて観に来た人がっかりなみたいだし
何かの形でまた歌ってほしい
(多分小泉今日子に対して遠慮してるんだと思うけど)
小泉と一緒だったら歌ってくれるのかな
大人計画排除
>>30 遊川脚本採用で海女カフェ・観光協会・梨明日・天野家が
同時に焼け落ちるシーンからスタートします
32 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/11/01(金) 22:35:15.66 ID:Rflcy2BB0
そして皆が頑張った最終回でまた・・・?
泉谷しげると一緒に被災3県を救えゲリラライブ
カッパ舞いのシーンではドルチェの歌みたいな発声でクワックワッします
あの沖縄の子が主役
実家が寺で今度は尼さんのストーリー
だが東京でアキと出会い沖縄で海に潜りたいと言い出す
沖縄のきれいな海で撮影
GMTのメンバーで唯一アキと北三陸に行ったのが続編の伏線か!?
36 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/11/17(日) 23:03:52.08 ID:pwLTnjCw0
ユイちゃんが小太りヤンキーの愛犬家と恐喝したりバールのようなもので窃盗したり万引きしたり無免許運転したりセックスしたりするストーリーがいい
それかみすずさんの不倫、韓国への駆け落ち、略奪愛、バングラデシュ人へのナンパとか
大人計画根絶あるのみ
天皇が死んで元号が変わった設定にして激怒した右翼が
街宣車でNHKに突撃する処からスタート。
ごちそうさんが面白いからすぅかり過去のモノになっちゃったな。
やらない
41 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/11/20(水) 12:36:26.82 ID:obzSnLHdO
続編やスピンオフはいらないので、撮影したけどお蔵入りになった映像集とか出してほしいな。
たとえば、若春子がブティック今野マネキン相手に金色夜叉とか。
このくだり最高だったわw
ユイ「あきちゃん、それ本気で言ってるの?」
アキ「うん。今年もサンタさんにお手紙書いたんだ。いい子にしてればプレゼントもらえるの。」
ヨシダ「それはいくらなんでも無理があるべ?」
アキ「なにが?」
ナツ「オラもへいだ。高校生にもなって夢見すぎだべ。」
アキ「でも、信じてる子の家には必ず来るの。サンタは信じてないと来ないからね〜。」
ヒビキ「目に余る不思議発言が痛々しい。天然ぶってんじゃねーよ。天然ブス。」
アキ「ブスだというな!」
ヨシダ「いい加減にしろよ!サンタがいるとかいないとか!」
アキ「いいいいるもん!」
ヨシダ「みみみみみたのかよ!?」
アキ「みたもん!」
ヨシダ「じゃあカッパ見たことあんのか!?」
アキ「なんでカッパが出てくんだよww」
ヨシダ「出てくるよォ。カッパも天狗もUFOもツチノコもぉ!」
http://nanpinking.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-3031.html
43 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2013/12/13(金) 23:18:43.83 ID:eccVJZyR0
おら 都知事になりてえ!
川口春奈と体が入れ替わっちゃう
50年後の話で若者メンバー役が全員熟年メンバーに
もう話題にすらならないね。
水口が物色していたご当地アイドルの一人のかんころ餅ガール役で川口春奈が登場
(福士蒼汰に抱き合わせでセット販売)
ごじわんネタもう少し増やしてください
↓一部で一番か二番目に低いあまちゃん(ステマゴリ押しw)
三代目?から一気に落ちたね。
1部
30.8% オープニング
36.2% 浜崎あゆみ
39.2% 三代目
36.4% あまちゃん寸劇 ←www
40.2% サカナクション
36.9% ふなっしーくまモン
40.1% リンホラ
42.6% TMR×水樹
40.9% 花は咲く
そして、二部で、アマコンテンツ終了後に50%とりました。
まごころ第2寮時代の高校クラスメートで子役あがりの売れてない女優として川口春奈が登場
灰野敬二が音楽担当
能年と川口が並んでるところへずぶん先輩の幼馴染み役で清水富美加登場。
能年を見て「顔ちっちぇ!!」川口を見て「顔でっけぇ!!」とお約束のネタをかます
ジョン・ケージが音楽担当
能年玲奈が主演
能年じゃなかったらみない
58 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/01/20(月) 14:33:42.66 ID:WJ94wUy80
>>57 そうだね。あんな面白い表情やリアクション演技する人なかなかいない。
>>56もう個人だろ
ジョン・ケールかジョン・ゾーンの間違えじゃないの
ジョジョ広重が音楽担当
河童の前でカッパ舞を踊り河童が油断した所を捕獲します
62 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/02/05(水) 09:26:41.84 ID:cr9cwnDh0
特にありません
早く作ってください
198X年…
返るべき家を失った春子は東京に骨をうずめようとしていた。
彼女に太巻から電話がかかってくる。「今度うちから出るアイドルのマネージャーをしてくれないか」
一度は断る彼女だったが、アイドルに出会うと何故か惹かれるものを感じ、太巻の妖精を受け取るのだった。
彼女は知らない。アイドルの要望が、後に生まれる時分の娘そっくりであることに…
…こんな感じで1984年の世界に能年が参加するヴァージョンを見てみたい。
65 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/02/09(日) 11:28:31.82 ID:dNn1HCaZ0
太巻の”要請”
”自分の”娘
とりあえずアキ&ユイがいろいろあってラッキーなことに紅白出場する、という夢オチまでのドラマを作ってほしい。
>>65 御指摘ありがとうございます。誤字脱字が多くてごめんなさい。
なんだか妖精で要望で時分のほうがおもしろそう。1984に特異点があるってことだな
そういえばNHkドラマのはつ恋も現代と1984年の二つの時間が舞台になっていたな。
能年という特異点が出現することで二つの物語が混ざっていく展開もありかも知れない。
70 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/02/11(火) 11:54:10.93 ID:GekueOHG0
オーウェルの1984のせいかもしれないけど、1984あたりにひとつの歴史的分岐点があるような小説がけっこうある。
薬師丸がバブルへGO!!でタイムマシンを作ってたんだからwあれで1990ではなくて1984に戻るべき。
NHKはタイムトラベラーの続・続編を能年でつくってほしい
1984年に能年が出るとしても、それは「アキ」ではないと思う。
タイムスリップさせると、むしろどうやって元の時代に戻る等、本来の話と違うところに焦点が当たって、元の世界観が破壊されてしまうだろうから。
もし1984年に出すのなら、その子はアキの姿を借りた誰かみたいなキャラになるのではないかと思う。
妖精さんが正体でした…みたいな展開もあるのかもね。
73 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/02/13(木) 06:06:30.35 ID:1eKk3Gqt0
琥珀の洞窟で地震。
出てみると、アキ、べん、ストーブは1989年へ。
タイムスプークハンターが出てきて状況説明。歴史が変わったと告げる。
東京で春子とパパが大げんか。
芸能界での夢破れた春子(有村架純)にとってもう東京はいるべき場所ではなかった。
彼女を説得しようとするパパだったが、溝はどんどん深くなっていく。
タイムスクープハンター古橋ミナミ(杏)は三人に状況を説明後、おもむろに銃をアキに向ける。
庇う勉さん。弾丸は勉に命中、当たったところから透明な樹脂が噴き出してきて勉を包み込んでいく…
「う、うおおおぉー、ア、アキをたのむー」
「何、軍師官兵衛ごっこやってるんですか!」
と突っ込みながらもストーブはアキを抱えてその場から逃げだす。しかしその時ストーブは異変に気が付く。
アキの記憶がなくなっていたのだ。
琥珀に閉じ込められたアリみたいになった勉さんの横でミナミがつぶやく。
「主目的を捕獲することに失敗しました。捕獲物を基の時間に転送後、任務を続行いたします。
尚、特異点対処法に基づき、現地のエージェントを特殊な交渉術で徴用しました。」
彼女の横には大吉(東出昌大)が立っている。「いくで通天閣」「そのコードネームやめて」
状況を呑み込めたストーブ(withアキ)は、スリーJ事務所に向かうが、入っているビルは1989年当時はなかった。
ストーブ達は喫茶アイドルに向かう。
店長は「熱いだろ?」と話しかける。ストーブは初見だったがアキから話は聞いていて
少し安心する、が次の一言を聞いて唖然とする。
「…なあ、この小泉今日子は」
「キョンキョンって何ですかー!」
ナレーター(有働アナ)「この世界はすでに特異点の影響を受けて少し変質していました。
なぜ小泉今日子か、と言われると脇の下が汗をかいてしまうので、どうか聞かないでくださいね」
そこに太巻が入店してくる。
絶対に作らないでください
必ず失敗するから
そうか、1か月たったのか
>>75 喫茶店には一人の女性が待っていた、が太巻を見かけ途端に
「私、イカ天に出ますからっ!」と叫ぶと喫茶店から出て行った。
呆然とする太巻。どうもその女性をスカウトに来たようだ。困ったストーブがアキの
方を見ようとするも、アキがいない。なんと太巻の目前に立っている。
なんかのスイッチが入ったのか、GMTでの自己紹介を始めるアキ。それを呆然と眺める太巻。
自己紹介が終わって約10秒後、正気を取り戻した太巻がぽつりと言った。
「君、アイドルをやってみないか」
ストーブは記憶喪失のアキが一部でも記憶を取り戻した事に内心喜んでいた。
もしかしたら、アイドルをすることで他の記憶、いや変わってしまったこの世界を
元に戻せるのではないかと考えていた。
太巻「天野アキ。マネージャーを誰にするか…天野?ああ、彼女がいたか。」
あるマンション。とあるカップルに電話がかかってくる…。
その電話は若春子が若正宗の部屋から出ていく直前にかかってきた。
若正宗は電話の内容を伝えるも「冗談でしょ」とドアを開ける若春子。
そこにはアキとストーブが立っていた。
「もう一度芸能界に戻るチャンスなんだよ」「入っていた記憶ないし」
若正宗の説得にも若春子はそっけない。しまいには話を聴くつもりもなくなって
来客者のアキの顔をじっと見ていた。誰かに似ている…?
そうか、鈴鹿ひろ美。彼女の輝きに似ているんだ…太巻が目をつけるのもそうなんだ…
「いいよ、私、彼女のマネージャーを引き受ける」
安堵する若正宗
「よかったぁ〜君、天野アキというんだね。春子さんも天野なんだよ。まるで親子みたいだね」
アキ「馬鹿だなぁ。おら、もう20だ。おらが春子さんから生まれるわけねえべ」
一同笑い出すものの、何かが引っ掛かるストーブであった。
舞台変わって2013年…
喫茶リアスでは、ユイと美寿々が、北三陸駅でアキ、ストーブ、勉さんを見送ってから
店の準備をしていた。東京で彼らが行方不明になったことはまだ知らない。
二人が北三陸市のうわさ話で盛り上がっている間に客(木村佳乃)が入店してくる。
旅行客のようだ。ユイが応対すると女性客はユイの顔を見て一瞬硬直する。
気を取り直した女性客は「村上緑」と自己紹介をした後、大吉に会いたいと告げ店を出る。
美寿々「大作、隅に置けないねぇ」
美寿々から次々に情報は伝わり、大作が仕事から帰ってくるまでには
北三陸市のほとんどの人間の知るところになっていた。
その夜
スナック「梨明日」では大吉がさっそくいつもの面々にいじられていた。
最初は抵抗して、黙っていた大吉も徐々に押されだし、
ついに弥生の「第三セクターが隠蔽か!」のとどめの一言についに折れ、自供し始める。
実は、緑は大吉と春子の共通の知人であった(しかし、春子はそのことを知らない)。
大作が春子の携帯の番号を知る事が出来たのも、彼女のおかげである。
ある程度は納得する一同。
だけど、何故、静岡で住んでいる緑と大吉が出会う事が出来るのか疑問が残った。
どう出会ったのか、の質問に大吉は答えられない。
「本当だ、その部分の記憶が本当にない」
結局、大作の疑惑は晴れる事は無かった…。
同時刻、ユイは自宅でアキに携帯をかけるものの、全くつながらない。
「GMTと遊んでいるのかな…」
彼女はアキたちがこの時間軸から消えていることを想像さえしていない。
舞台は、アキ達のいる1989年へ
若春子は電話の前で思わず叫んでいた
「冗談じゃないわよっ!1週間だけってどういうことっ!」
電話先の太巻は妙に落ち着いている
「足に1億円の保険をかけたアイドルがスキーで骨折じゃ話にならんでしょ。
テレビの週録は調整するけど、イベントの予定はどうにもならない。
どうしても代役がいる。」
(また、影武者が!)この言葉を若春子は必死の思いで飲み込む。
太巻は察したのか
「天野アキ、彼女をこのままにするつもりは無い。歌や踊りをみたが
彼女は何処かでトレーニングを積んでいたようだ。彼女が自分の素性を明かさないのも
その為なのだろう。」
まさか太巻はアキをトレーニングしたのが2年後に設立した自分の事務所である事等知りようがない。
「背景の事なんかどうでもいい、彼女にはポテンシャルがある。このイベントで
何らかのムーブメントを起こせるか注目している。いや、出せるだろう。」
強気な太巻の発言に、ふと若春子はアキに視線を向ける。アキはウオークマンをじっくり聞いている。
「そうなれば正式なプロジェクトも立ち上げられる。この1週間は本当に重要なんだよ…」
アキはウオークマンに聞き入っている。
「ママの匂いがする…」
ウオークマンには小泉今日子の「スターダストメモリー」がかかっていた。
イベント初日。若春子はいら立っていた。
契約期間は1週間で、休んだアイドルのイベントに代打で出て結果を出さなければならない。
どう考えても、勝ち目のある勝負ではない。
その不安はスト−ブにも伝染していた。それを察したのかアキはストーブに語りかける。
「ストーブさんも知ってるように、オラには記憶が殆どない。ついでに言えば
時々オラには意識が飛んでいるときもある。でも、どんな時でも、オラはオラだ。」
アキが切羽詰まった状態であることはストーブにも痛いほどわかっていたはずだった。
そんな彼女を心配させたうえ、気遣いをされる自分は、どこまで無力なのだろうか…。
「ストーブさんの横に誰か女の子がいた記憶があるけど、ストーブさんの娘かどうかさえ判んねえ」
妹のユイの事か、とストーブ。彼女の事だけは、完全には忘れてはいなかったのか…
実は、アキは東京に出かける前にユイに一緒に行くよう声をかけていたが、やんわりと断られていた。
(こんな時にユイがいれば…どれだけアキちゃんにとって心強いだろうか)
「ストーブさん、お願いがあるの…」
アキは練習中にウオークマンを無くしてしまい、探してもらうようストーブさんにお願いする。
観客席側を調べているうちにイベントがスタートする。観客にもまれながらもウオークマンを探すストーブ。
観客はアキの歌に徐々に引き付けられるものの、MCに入ると冷めて行く事をストーブは体感する。
それでもアキは最後の歌で観客を盛り上げることに成功する。それと同時に
ストーブはウオークマンを発見する。手を伸ばすと同じように手を伸ばす人がいる。
その女性の顔を見てストーブは息をのんだ。
彼女はユイそっくりだった。
tes
testes
もう一つ全く同じウオークマンが見つかり、アキともう一人の所有者ドリが顔を合わす事に。
初対面のはずなのにじゃれ合うアキとドリ。まるで姉妹のようだ。
隣でストーブは若春子に提案していた。イベントではMCが弱かった、それは
自分達が静岡の事に疎く、それが観客の気持ちを掴まなかった原因じゃないか、
だから、ドリを現地スタッフとして雇いたいと。
若春子も同じ事を考えていたようであっさりと許可が出る。
アキ「ねえ、ド、ドド、ドリちゃん。下噛みそうだからゆいちゃんと読んでいいか?」
ドリ「だったら本名のみ…」
と言おうとするが、隣でストーブが拝みこんでいたので「…うん、いいよ」
舞台は再び1989年。謎の女(
>>80)が北三陸市にやってきてから一日が過ぎた。
「だから、そんな理由で県外に行くなんてないっぺよ!」
大吉は小百合(あんべちゃん)に必死に釈明していた。一呼吸おいて小百合は黙って一冊のノートを大吉に渡す。
それは大吉の日記だった。それには1989年のある日に静岡に出張したことが書かれている。
大吉は自分が信じられなくなった。何をしていたんだ、1989年のおれ。何とかしないとここに居られなくなるかもしれない…
そのとき、謎の女は琥珀掘りの洞窟にいた。勉は東京に出張していて水口が応対していた。
女の恰好から、琥珀が目的でないことを判断した水口は女に叫んでみる事を進める。
この洞窟は、叫ぶのが目的で来る客がけっこういた。
迷惑にならないよう水口は洞窟を出ようとしたが、女が彼を引き留める。
「大声は出しません。だから、そばで私の一人言を聞くふりだけでもしてくれませんでしょうか…」
そして女は自分のことを話し出す。かつて自分の子供を流産してしまった事。
そしてある人間の一言で自分は立ち直る事が出来た事を。
彼女はその人間を探しにここに来たのだと。
1989年(
>>87は2013年の話でした。訂正します)
古橋ミナミ(
>>74)はある部屋で本部向けのレポートを書いていた。
「特異点は現在地球を中心に半径38万キロメートルを高速で移動中。
その軌道の変化は、ランダムでなくカオス。通過した空間のニューロ粒子を吸収しているため、
通信、時間移動が全くできない状態です」
彼女の後ろには勉さんが時間を止められた状態で放置されていた。
一見、勉さんが琥珀に閉じ込められている様にしか見えない。
ニューロ粒子不足の為、元の時代に転送することもできない。
「しかし、特異点は時折ある人物に接触する事を発見。時間漂流民の一人で、
この時代にタイムスリップした原因であるとも考えられる。自分は顔が割れてしまったため、
エージェントを派遣、この人物に接触を行います。」
現地スタッフを雇い、地方ネタをMCに組み込むことでアキのイベントは盛り上がっていた。
観客が増えその整理の為、新たな現地スタッフを雇い入れていた。
「(若)春子さん、このスピーカーはここでいいんでしょうか?」
そのスタッフの中にはエージェント(コードネーム通天閣)が紛れ込んでいた…
若春子「え?ええ。に、『西門悠太郎』さん、そこに置いてね」
(あー、心臓がバクバクする。その顔で言われるとねえ…)
悠太郎に出会ったのは先日のイベント終了時だった。
驚いた。あまりにも元同級生の(若)大吉にそっくりだったから。
「さあ、オラと一緒にもどるっぺ!」と空耳が聞こえた程に。
未だに彼と顔を合わせるとその空耳が聞こえてくる。
(うー苦手…もしあの口でもし『お母さんが倒れた!』とか言われたら
ホイホイ一緒に帰ってっしまうんだろうなあ。やだやだやだ…)
そう思いながらも必死で笑顔を作る若春子だった。
(他人の空似、だよね。アキ達も知り合いのそっくりさんを雇ったんだし、こういうのって結構いるよね…)
古橋ミナミもバクバクしていた。
「なんで、こんなことになるんですか?うー」
特異点対処法によるエージェント徴用には、タイムパラドックスを防ぐため、
付近の空間に影響を与えない人物が選ばれる。それ以外にも、その人物はかつてタイムスクープ社に取材を受けた、
ニューロ粒子の多い地域など、さまざまな前提条件があり、その中で選ばれたのが若大吉だった。
だから、付近にはエージェントの事を知っている人間などいないはずである、が。
念の為にエージェントの人格データを変更していてよかった。戦前の地下鉄建設の取材の際に収集したデータである。
相手(若春子)も納得したみたいだし、現状の維持を判断したミナミであった。
「もー。これ以上おかしな事なんてナシだからね」と自分に聴かせるように喋るミナミ。
しかし、この判断が後で大変な事態を引き起こすのである。
2013年の大吉も内心バクバクしていた。
一刻も早く謎の女(
>>80)に出会わないといけない。しかし、俺は身動きが取れない。
誰か任せられる人は…。取りあえず種市に携帯をかけてみる。
「すいません。水口さんに頼まれて洞窟の番をしています。
どうも客に頼まれたみたいで、海女カフェに向かったらしいです」
種市は駄目か。じゃあ別の人…って、まて客って誰なんだ?
「ちらっとだけ見たんですが、うまく説明できないなあ…どこか謎の女、というか」
謎の女…彼女だ、違いない。俺の感がそういっている。
隣で吉田が笑いそうな微妙な表情で俺をちら見している。
時間がない、このままでは俺は…
大吉の焦りはまだ収まりそうにない。
同時刻、水口達は海女カフェに着いていた。
水口は洞窟での彼女をふと思い出す。(ほっておくわけにはいかないか…)
舞台はまた1989年へ。静岡でのイベントも4日か過ぎた…。
イベント終了後、悠太郎(
>>89)はゆい(
>>86)に話しかける
「(若)春子さんに何故かなかなか顔を合わせてくれないんですよ」
「そう?じゃあ私に連絡して、私の方から春子さんに連絡するから」
彼女は悠太郎に自宅の電話番号を書いた紙を渡した。
ゆい以外の現地スタッフは、彼女のコネクションで集められている。が、
なかなか集まらなくて、(友達の友達はみな友達)方式で集めた結果、彼女の知らない人物もスタッフになっていた。
悠太郎はそのうちの一人だった。
ふと思ったのか、ゆいは悠太郎に質問する。
「悠太郎さんは、どんなアイドルが好き?」
「いや、特には…」
(…そうだよね、この年になってアイドルなんてね…)
実はゆいことドリには東京に医者を目指している恋人がいる。しかし遠距離恋愛になってから、
彼との付き合いが薄れてきたと感じていた。どうすれば彼との距離を埋められるのか、
高校時代偶然、彼のカバンの中身を見た事がある。そこにはBOMB!やMOMOKO等の
アイドル雑誌があった。アイドルに近づけば何かヒントが見つかるかもしれない…
そこに一緒にイベントの片づけをしていたアキが近づいてくる。
「アキちゃんはどんなアイドルが好き?」
「オラは、そうだな、鈴鹿ひろ美が好きだなあ」
ふと、何かに気付いたのかアキは遠くを眺めている
「あれ?あそこにいるのは鈴鹿さんでねえか?」
「え?いないよ?誰も」
「いたよ、あそこに」「いないけど」「いたって」「いないよ」…
実は鈴鹿ひろ美は変装してイベントを見学していた。太巻に内容を連絡する鈴鹿。
その夜、若春子に電話がかかってくる。
明日のイベントに太巻が見学に来るという。「すごいじゃないか」と言う若正宗だったが、
その言葉にイラっと来たのか若春子がまくしたてる。「何言ってんのよ!」
太巻が来るという事はアキのバックに大手プロダクションは付いていなかったという事。
彼が来る以上、天野アキは彼のプロジェクトに管理されてしまうだろう。
自分達は都合のいいダミー会社みたいなものにすぎない。用済みでポイ。
若春子(またなの?また影武者なの?)
若春子の声で目が覚めたのか隣の部屋から寝ぼけたアキが出てくる「トイレ…」
若正宗はそんなアキを見ながらしみじみと話す。
「…なあ、今はこうなっているけど一週間前まではみんなバラバラだったわけでし。
あ、ぼくと(若)春子さんは別だよ。僕たちはアキちゃんたちの事も考えないといけないじゃないか。
このまま続けてもアキちゃん幸せになれるかな?」
若春子もそれは思っていた。組織も人脈も全く違う。メディアミックスも使いこなす太巻なら、
アキをメジャーに押し上げるのも簡単だろう。彼が本気でそう思うのなら。
なら、彼にそう思ってもらうように明日ののイベントを出来るだけ盛り上げよう。
それが多分、アキにしてあげる最後の事…。
トイレから返ってくるアキを若春子は見つめていた。その眼は母親が娘を見ているようにも見えた。
2013年、水口は海女カフェ付近の海岸にいた。
少し離れた場所では長内六郎・かつ枝と謎の女(
>>80)が淡々と話をしている。
六郎夫妻は息子をこの海で失っている。彼らなら、彼女に話が合うのではないかと思って連れてきたのであった。
その全ては海女カフェの海女達につつぬけだった。
「あの女、大吉だけでなく水口まで巻き込んでいたっぺ」
「魔性だ、魔性の女だっぺ」
いつの間にか「魔性の女」に格上げされた謎の女だった。
1989年。アキのイベントも6日目を迎えた。
このイベントはヒビキ一朗の著書に記載されている。
「静岡に知られてないが、熱いアイドルがいる。持ち歌は無いけど独特のパフォーマンスと静岡ローカルに徹したトークが印象的だという。
にわかに信じられない情報だが、俺は飛びついた。荒巻(太巻)が触手を伸ばしているという情報があったからだ。
場所に行くと変装した荒巻がいた。奴はイベントスペース中央を注視してる。そこにはグランドピアノが置いていた。
なんだこれは?と思う間もなくイベント開始。ピアノの独演から始まった。
何日前から張り付いている奴に聴くと、イベントスタッフの一人だという。
いや、違うな、その情報を俺は認めねえ。この子が本命だ。間違いない。
それは後に出てきたアイドルがブスだったことで証明された。指摘すると隣のファンが反論したけど、やっぱり俺は認めねえ。
あのこは本命に宣伝する為の撒き餌に違いない。ファンが集まったところで本命を出す。
その戦術、俺にはすでに分かっていた。荒巻はステージを汗をかきながら見ている。アイドルシーンはこの子で変わる、そんな予感がひしひしする。
最後に、後に出た奴、ちょっと言っただけで喧嘩するんじゃねえ。
もう一度言ってやる。俺はお前を認めねえ。絶対だからな」
イベント終了後、若春子は勝利したと実感していた。彼女も変装した太巻がいた事を知っていた。
彼がアキのステージを見て小さく震えている。(最後、客と喧嘩していたようだが)
天野アキで彼の思いつかない事をできた。初めて太巻を出し抜いた、そんな気がしていた。
その上機嫌な気持ちが若春子を「今日、一日早いけど打ち上げするわよ!」と言わせることになる
明日のイベント終了時には太巻が現れて、恐らくは美味しくない酒を飲むことになる、
なら今日ぐらいはいい思いしてもいいよね、せめて思い出位は残したいじゃない…
西門(
>>89)は自分の手に向かって何かを話している。「ええ、今夜がチャンスだと…」
もし、そこにアキやストーブがいれば彼が携帯で連絡していると気づいたかもしれない。
しかし1989年の人間には西門の手にある小さなカードが携帯を気付く人間はいなかったのである…
種市先輩がやり手で、二股したが、そのあとばれてふたりにぼこぼこにされる。
>>96 「いいじゃん、もうすべて決まってしまったんだしー」
打ち上げで若春子はすでに出来上がっていた。隣で若正宗がどうしていいか判らずウロウロしている。
「ゆい(
>>86)ちゃん、ピアノかっけー!!」アキは目を輝かせている。
ゆいは外見では「いやいやいやいや…アキちゃんの方がもっとかっこいいよ」とてれていた。
ピアノをつかう案はゆいが使える事を知った若春子が提案した。
ゆいはこんな場面で演奏したのは初めてだった。仕草や表情ははアキを参考にした。
何人かのカメラ小僧が自分を撮影している。中には「この子こそ本命!」と言っている人もいる。
自分もアイドルに見てもらえているかな?東京の彼も振り返ってもらえるかな?
彼女を冷静な目で西門(
>>89)は眺めている。
べたでもいいから話のスジをちゃんとして欲しい。結局なんだったんだって感じだから。
>>99 話のスジ、というかコンセプトとしては、1989年と2013年を舞台に一人の女の生涯に
あまちゃん達が関わっていく、みたいなのを想定していました。
(1989年の「ゆい」ごとドリと、2013年の「謎の女」は同一人物です)
叙述トリックで別人に見せようとしたら、散漫になってしまったのかもしれませんね。
このあと、徐々に何故アキが1989年にに来たのか、誰に会いたかったのか、
みたいな展開になればいいなあと思っています。
>>98 西門(89)をゆい(
>>86)の隣に座らしたのは若春子の判断だった。
(まあ、若い者同士だし、ねるとん紅鯨団みたいな展開もあるかな?「付き合って下さい」「ごめんなさい」みたいな)
ちなみに若春子とゆいは同じ年、さらにゆいには東京には恋人がいる事を若春子は知らない。
若春子がふと見ると、となりのアキの具合がおかしい。ぐったりした状態でユイの手をつかみ、小声で「ママ…」とつぶやいている。
酔っぱらった?いや、アキとゆいにはあしたのイベントの事もあるので酒を飲まない様に言っていたはず。
西門が気付いたのか「アキさんをタクシーに乗せて帰らせましょうか」と言いだして、アキを外に連れ出す。アキの背をさすりながら一緒に外に行くゆい。
「これって一種の送り狼?いや、ゆいちゃんがいるから大丈夫だよね…」
「この量で(若)春子さんが酔うとは思えないんだけど…」
若春子の前のジョッキーを数えながらストーブは疑問に思った。
何かがおかしい、そう感じたストーブはアキを追いかけて外に出ようとする。
西門のバックに足が引っ掛かりひっくり返るストーブ。立ち上がる際にバックの中身を見てしまう。
2013年から来た自分達でも見た事のないような機械。そして銃みたいなものを見つける。
「これは…」
それは勉さんを琥珀に閉じ込めたタイムスクープハンター古橋ミナミがその時に持っていた銃(
>>74)であった。
もうろうとしている天野アキは夢を見ていた。
「どうしてユイちゃんは一緒に東京さ行ってくれないんだー!!」
勉さんの洞窟の中でアキが叫んでいる。ふと周りを見渡すと、隣に誰かいる。
「パパ、ママに会いたーい!!」
そう叫んでいる娘はアキそっくりだった。互いに顔を見てびっくりする二人。
「そっか、おめえはおらなんだな。一緒にパパさがすっぺ」
ストーブが西門(
>>89)を見つけたのは飲み会の近くのタクシー乗り場だった。やっぱり状況がおかしい。
ゆい(
>>86)は完全に西門の言いなりに動いている。普通ならこういう場合、現地スタッフリーダーのゆいが仕切っているはずだ。
これのせいなのか…ストーブは西門のバックを持ってきていた。
「西門君、何をやってるんだ?」
「嫌だなあ、アキちゃんをタクシーに乗せてるんじゃないですか」
ストーブはバックの中身を見せる。西門は中の機械をじっくり見るが表情は変わらない。
やれやれといった表情で「僕に勝てると、思ってるんですか?」
180pを変える西門が言うと迫力がある。どっかの高校のてっぺんとかとってるんじゃないのか。
アキをゆいに預けると西門はストーブの方に歩いて行った。
ストーブはこの展開を恐れていた。何しろガキの頃から喧嘩などしたことがない。いや、人と争ってこと自体ない。
でもアキは守らないといけない。集められるだけの勇気でストーブは叫んだ。
「…お、おぅらをぬぁめるなよおう、足立ヒロォゥシをなめぇるなよぉぉぉ…」
それでも声はかすれていた。
おやじに平手打ちをされた事は何度かある。でも、手を出したことは一度もない。
手を出した途端、何かが変わってしまう、それが怖かったのだ。
西門(
>>89)が迫っている間もストーブはこんな事を考えていた。ストーブは目を閉じて殴られるのを覚悟している。
そろそろ西門のリーチの届く範囲のはず。あれ?何も起こらない。目を開けると西門が大、いや棒の字になって倒れている…
「あれ?」西門は自分が酔っぱらっている事に驚いていた。このアキ捕獲作戦の為に酎ハイを半分ぐらいしか飲んでいなかったのに。
元の若大吉の体が極端に酔いやすかったのを知らなかったのだ。慌てて、来たタクシーに単身で倒れこむように乗り込む西門。
そのタクシーに中の機械ごとカバンを投げ込むストーブ。
(機械さえなくなれば、みんな正常に戻るはず…)極端な考えだったが、自分の中が徐々に落ち着いていくのが判る
「あばよ、棒…」小声でストーブはつぶやいた。
それでも息は上がっている。その場にしゃがみ込み息を整えるストーブ。
後ろで、パンと平手打ちの音と「馬鹿ー!」の叫び声が。
音の方に振り向くとゆい(
>>86)がほほを抑えて膝をついていた。
その横でアキが、怯えたような、怒ったような、微妙な表情をして立っていた…。
「どうして助けてくれなかった?」アキはさらわれそうになったショックで混乱しているとストーブか感じた。
声をかけるべきだと思ったが、アキのほほを涙が伝わっているのを見てしまう。
アキの涙にストーブは躊躇する。アキの叫びはまるで幼い子が母親に訴えてるように見えた。
ゆい(
>>86)も静かに泣いていた。アキの痛みが伝わってくる。でも、自分は何もできなかった…
彼女は泣きながらアキの横を通り過ぎて、何処かへ行ってしまう。
アキはゆいの姿が見えなくなってから、自分が言ってはならない事を言ってしまったのに気付く。
動揺するアキ。何も言えないストーブ。その時、何者かの手がアキのほほをつねる。
若春子だ。「あなた、何やっていたか判っているの?」彼女も正気に戻っていた。
「でも、おら、ひどい事を言ってしまった…」
「仲直りしたいと思っているんでしょ?だったら、とっとと仲直りする!」
若春子はアキにゆいの住所を書いた紙を渡す。「ちゃんと謝るんだよ!」
「うん!」アキは走り出した。
「さて」若春子はストーブの方を浮いた。「そろそろ本当の事を教えてもらうからね。
ターミネーターとかバックツゥザフーチャーとか見てたから、そういう話もオッケイだからね」
どうも若春子も西門(
>>89)のカバンの中の機械を見ていた様である。
(しかし、涙ごときで狼狽えるなんて駄目じゃない。娘が出来てもこの子には絶対付き合ってほしくないわ)
ストーブをみてしみじみと思う若春子であった。
1989年で「ゆい」と呼ばれている村上緑は父親と二人で住んでいた。
深夜、父親に呼ばれて玄関に出るとそこに天野アキがいた。無理矢理笑顔を作ろうとする緑に
「ごめん、許してけろじゃ。『助けて欲しい』のなら、おらの事をもっと知ってもらうべきだったけろ…」
それから二人はお互いに自分の事を話し出す。アキはストーブからの受け売りながらも
自分が2013年からやってきたこと、2013年には緑そっくりの親友のユイがいる事
だけどその時の記憶がほとんどないこと、
悪霊みたいなのが取りついてて知らないうちに悪さをしていること…
(悪霊が取りついてる?最近のジャンプにそういう漫画があったような…じょじょ?)
と普通の人ならツッコミが入りそうなほど胡散臭い話と思うだろうが、緑は信じた。
これまでの付き合いでアキが嘘をつけない人間であることは、緑にはわかっていた。
緑も自分の事を話し出す。医者を目指す恋人が東京にいる事。恋人の気を引くため、彼のすきなアイドルを勉強した事、…。
「だからみ、みみ、どどど、り、りり…ちゃん…」
「『ゆい』でいいよ。この世界にいる間は私があなたのゆいでいるから…」
話し終った二人は何時しかぐっすりと眠り始める。しばらくしてアキだけが目覚め、
傍にあるラジカセの録音スイッチを入れると何かを録音し始めた…。
一方タイムスクープハンター古橋ミナミはタクシーの領収書の事で頭を痛めていた。
隣のソファでは西門(
>>89)が棒のようになって眠っている。
「いったい、どう走ればこんなにかかるのよ、経費で落ちるかなあ」
嫌な気持ちを振り払うため、彼女はこれまでの事を思い出していた。そう、特異点の事を。
タームワープに関わるものに於いて「特異点」は「位置、時間に左右されないエネルギー場」と定義される。
特異点は回転していて、その向きで過去に向かうか未来に向かうか決定される。
特異点が発生すると、周囲の人間を過去に飛ばすだけでなく、平行時空に干渉し隣接次元の情報を元の次元に複写してしまう。
本来ならこの次元に存在しないはずの小泉今日子(
>>75)や薬師丸ひろ子の歌が存在するのはそのせいである。
タイムパラドックスの発生要因になる可能性があるので早急に取り除く必要がある。
タイムスクープ社は総力を挙げ特異点の通過が予想される時空「1993年」に包囲網を引いた。
本来はナビゲーターである古橋もこの作戦に参加した。
…結論から言えば作戦は失敗、それどころかイレギュラーな動きをする特異点に古橋も取りこまれ、
気が付いたら1989年の東京駅に表れてしまった。
特異点は月軌道内のニューロ粒子を全てかき集めている為、古橋以外のタイムスクープ社社員は1989年にタイムワープできない。
本部と連絡も出来ない、特殊な交渉術もうまくいかず西門もでくの棒。
もう、手段は選んでいられない。手荒くても必ず天野アキを捕獲し特異点を回収しなくては…。
ふと、専門書の一文が古橋の目に入った。
「隣接次元の情報転写には共通性があることから、何らかの意思が特異点にあるのではないかという仮説がある」
だったら…私の気持ちもわかってよ。
古橋は明日の為に、必死に眠ろうとした。チャンスは明日しかない。
アキとゆいを迎えに若正宗のタクシーが村上緑の家に着いたのは朝早く。
二人はタクシーに乗り込むと異口同音に、タクシー内で歌の練習をいい?と聞いてきた。
イベント会場の若春子の下に着いたのはそれから2時間後、二人はあわただしく更衣室に飛び込んでいく。
「どこまでも子供だよ。でも、こんな子供ならいてもいかな」と、若春子。
そうも言っていられない、ストーブの話が本当なら今日、あの二人はやってくる。
観客はすでにいっぱいで、チェックもできない状態。ステージ上に上がられてからの水際作戦の用意はしたけど…。
イベント開始。一曲目はいつも通り小泉今日子のスターダストメモリーから始まった。
アキが毎日の様に聞いていた歌でもある。あれ?いつもと感じが違う。
よく見ると、ゆいがアキとデュエットで歌っている。若正宗が遠くで無言のガッツポーズをしている。
タクシー内で練習していたんだ。遅れたのはそういう事だったのね。
観客は盛り上がっている。現地スタッフは観客を抑えきれなくなってきている。
若春子がそろそろか、と思っていると案の定何者かがステージに上がってきた。
計画通り若春子は乱入者とアキとの間に入り込む。
姿を見て驚く若春子。その男は北三陸職員の恰好をしていた。その隙をついて二人目がステージに上がってくる。
その男は恰好こそ普通の恰好だったが、背格好が最初の男と全く同じだった。最初の男がが叫ぶ、
「春子さん、あらと一緒に北三陸さ帰るっぺ!」かれは若大吉だった。そしてもう一人は西門。
互いの存在に気付いた西門と若大吉は、信じられないような表情をして互いを見ている。
「あかん、これではタイムパラドックスが…」ステージのそばで古橋ミナミが力なく大阪弁で呟く「もうだめや…この世界は終わってまう」
観客はざわついていた。ステージ上にそっくりな二人の男が見つめ合っている。演出なのか、それとも…
若春子は、古橋ミナミがステージ下で「タイムパラドックスが…」とつぶやいているのを見た。
映画で見た事がある。未来の自分が過去の自分で会う事で起きるのだったな。
あの映画では未来の自分が過去の自分に逢わない様に隠れていたんだっけ。と、言う事は
「西門君って、(若)大吉という事なのかよ!いやいや、そうじゃなくて、世界が終るってこと?」
異様な空気にのまれたのか、ゆいもストーブ、若正宗、誰一人として躊躇して動けない。
その時アキは、自分の中から声が聞こえてくるのを感じた。琥珀の洞窟で聞いた、もう一人の自分の声(
>>102)
「パパ、見つかった?」「…ううん、でもその前に世界の終わりが…」
「バカだなあ。『sekai no owari』てバンドじゃねえか。くよくよしないでパパさがすっぺ」
…やる事は判っている。男同士が見合いしてそれが危険ならその間に割り込めばいい。
内心、アキは恐怖を感じている。正直、何が起きるか判らない。
一瞬、アキはおじいちゃんの事を思い浮かべていた。不器用だけど、自分の信念を通したじっちゃん
「かっけーよな、じっちゃん」アキは自分に言い聞かせた。
一呼吸してから、アキは前に向かって歩き出すと一言、「さあ!次の歌いくっぺ!」。その声が周りの空気を一変した。
西門と若大吉、二人の間に立つ。何も起こらない…じゃない二人が自分向かって迫ってくる。
「やめなさい!!」となんとステージから古橋が飛び出して若大吉を制止する。続いてストーブが飛びつき動きを完全に静止する。
しかし西門はゆいと若春子の制止を振り切り、更にアキに迫る。そのとき一人の男がステージに現れた。
「俺のメグに何するんだー!!」男はそう言うと同時に西門をぶん殴る。舞台傍の奈落に向かって吹き飛ぶ西門。
「三島、来てたんだ…」起き上がったゆいは半ばあきれて呟いた。
彼はゆいの言うところの、東京で医者を目指している恋人である。名を三島匡(小林ユウキチ)という。
「パパ、来てくれたんだ…」アキの中で再び声がした。嬉しいはずのその声はどこか悲しげでもある。
混乱を収めるため、イベントは数分間中断する事になった。ストーブがその間、MCを行っている。ゆいも
アキ達一同は楽屋に集まっていた。その中には古橋ミナミや若大吉、三島匡もいた。
若大吉は意識がもうろうとしている。しかし、奈落に落ちたはずの西門はその中にはいない。
「彼は元いた時間に送り返しました」と古橋。そして自分がこの時間で行ったことを話し始める。
10日前の時間から若大吉を召還し西門と名乗らしていた事。その時に「アキ確保」の命令を設定していた事。その設定が不安全だった事。
発生しようとしたタイムパラドックスを防ぐため、元の時間に送り返した時に設定の取り消しが上手くいかず、今の若大吉が命令通りここにきてしまい、
皮肉にもそのことがタイムパラドックスを引き起こすきっかけになりかけていた事。
古橋の説明する姿は、何かを謝罪する姿の様にも見えた。
「ちょっとぉ!なんで私とアキちゃんと間違えるわけ?」
「…いや、あの。周りが君の事をゆいちゃんというから、てっきりあっちがメグかと…」
「は?何年か会わないと恋人の顔も忘れちゃうんだ、君は?つーかわたしはメグ、じゃない、ドリだっつーの」
楽屋の片隅で三島とゆいことドリが痴話げんかをしている。三島は高校の友人からドリがアイドルをやっている事を知ってここに来ていた。
流石に顔どころかあだ名まで忘れられてしまったのでは、いつもは大人しいゆいもテンションが高くなる。
アキはそんな二人をニコニコしながら見ている。
「...もう私には手段がなくなりました。助けてください」古橋は言うしかなかった。
特殊な交渉術を使わずに自分の正体を明かす事はタイムスクープ社の社内規定に違反する。
しかし言われた方も何をしていいのやら…顔を見合す若春子と若正宗。
「そろそろ時間だっぺ、ステージに戻らねえと」とアキ。
ゆいもピアノを弾くためアキに続いてステージに一緒に出る。その後ろで三島が二人を見守っている。
二人を視野に入れる。中のもう一人の自分(
>>102)が喜んでいるのが判る。アキは幸せな気分になった。
(だから、次の歌を二人に捧げます。多分これが二人にできるただ一つの事だから…)この、もう一人の決意を、アキは知らない。
110 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/04/19(土) 22:17:09.00 ID:+Ds6kcLn0
種市のチンポ見たいっす
>>109 「それでは聞いてください、『あなたに会えてよかった』」天野アキは、本来ならアキがいる世界にはないはずの歌を歌い始めた。
私たちの世界の歌姫、小泉今日子が1991年に発表した歌である。
ttp://www.youtube.com/watch?v=10VMVBAKBcM 特異点(
>>106)がアキの世界に持ち込んだ歌であった。
タイムスクープハンター、古橋ミナミはようやくすべて、いや特異点の意図を理解する。
「声なき貴方のメッセージソングだったのですね…」うつろな目で古橋はつぶやく…
ゆいごとドリ(
>>109)はピアノを奏でている。三島匡はそんなドリを見守っている。
アキは昨日のドリとの会話を思い出していた。楽しい思い出、だけど…
(ごめん、とうとうホントの事を伝えることは出来なかった…)
二人を見ると、涙が出そうになるアキである。
アキは歌い終わった後、誰にも聞こえない小さな声を聴いた。「…さあ『逆回転』だ…」
呆然とステージを眺めている古橋の連絡装置にコール音が鳴る。「…誰?」
「こちら沢村雄一。特異点のタイムワープでニューロ粒子が回復、連絡が出来るようになった」「特異点のタイムワープ?」
沢村の説明によると、特異点のスピンが突然逆行し、元の時空に戻ろうとしているというのだ。
その後の沢村の説明を、古橋はうわの空で聞きながら、空を眺めていた。
「わかって、くれたんだ…」
アキも空を眺めていた。もう一人の自分(特異点)は、アキから離れたのが判る。
(パパにあえてよかったんだよね…)そう思うと自然と涙が出た。
2013年、アキ達が物産展の準備の為に東京に行った日の翌日
菅原が東京の関係者から連絡を受けたのは、喫茶リアスで遅めの昼食をとっているときだった。
アキ達がまだ到着していないというのだ。
携帯で連絡が取れない事を確認してから、捜索願を出すかどうか悩みだす菅原。
隣で話を聞いていた吉田が、アキ達はまだ北三陸にいるはずと一言。
勉が琥珀を忘れたと戻ると言いだし、誰にも見られなくないという事で自分がその手伝いをしたというのだ。
しかしその後、また東京に行ったのかも知れないし…さらに悩む菅原。
「とっととサイレン鳴らしなさいよ!」あまりの声の迫力に喫茶店内の人が一斉に振り返る。
そこには、ちょうど東京から帰ったばかりの春子がいた。
サイレンの中、春子は自宅に向かっていた。
今すぐにでもアキを探しに行きたい、でもその為にはまず荷物を自宅に置かなければならなかった。
「あの子は、もう…」春子はいら立っていた。
自宅では夏ばっぱが来客と仲良く談話している。
着くや否や「何和んでいるのよ!アンタの大事な娘がいなくなっているのよ!」と春子。
理解できない、といった表情で夏ばっぱは言った。
「アギィ?アギなら二階でずっと寝てっけど」
「何よそれ?親がこんなに心配してるのにのんきに寝てるなんて」
もう何に怒っているのか判らない状態で二階に上がる春子。
春子に続いて二階に上がる夏ばっぱ、そしてつられて来客も二階に上がる。
来客は、謎の女(
>>87)、魔性の女(
>>94)と呼ばれている女性だった。
名前を村上緑という。春子の東京での旧友であった。
1989年の世界でアキから特異点が離れた時、タイムスクープ社によってイベントに参加した関係者の記憶から
タイムパラドックスに関する記憶の修正が行われた。
新たなタイムパラドックスを起こしかねない、2013年から来たアキ達の事や、西門=若大吉の記憶は消去されたものの、
それ以外の記憶はなるだけ元の状態に近い状態で維持された。
例えば、春子と緑は美脚アイドル(
>>82)の静岡のイベントで知り合ったことになっている。
イベント終了後も付き合いが続き、東京で暮らす春子の心の支えとなっていた。
逆に春子が緑のトラブルの相談にのった事もあった。
とある夢、誰かが電話をしている。
「もしもし、春子さん。おら、大吉だっぺ。この書置き(
>>91)の電話番号、春子さんの…
え?違う?…ああ、これはすいません…って春子さんって、天野春子さんの事ですかって?
そうだっぺ、いえ、そ…うです。…天野さんの知り合いで…したか。…今は結婚されてるんですか。」
電話相手の緑が少し笑っている。彼女からは大吉の記憶は消去されていたはずなのが、
なぜか、大吉のある意味失礼な電話に終始にこやかに対応していた。
「よかったら、春子さんの電話番号を教えてもらえますか?できればメールも…」
と言った大吉は、後ろに誰かの気配に気づいて、思わず振り返る。
「オラの夢で一体何をやってるだ!」そこにはアキが立っていた。
「このあほんだらあほんだらあほんだら…」と大吉をフレーム外に追い出してからひと言、
「あー、少し寝過ごしちまったかな、そろそろ眼をさますべ」
アキは特異点が離れた時(
>>111)、記憶喪失は治ったものの、代わりに1989年の記憶をほとんど失っていた。
その状態の変化に体がついて行けず、帰宅後20時間以上眠った後も、意識がぼんやりする。
アキはうつろな目だけ動かして、自分の部屋を見渡している。
(ここは…あれ?おら何か歌たっていなかった?なづかしい歌だったな)
部屋のグラビアを眺めるうちに自分を見つめている人達がいるのに気付く。
(ばっぱ…)緑を見て(ユイちゃん?いや違う、誰だっけ…)
そして、春子が自分を見つめているのに気付く。ママを見て安心したのか、
(何を歌っていたか…もういいか)とアキは再び深い眠りについた。
春子は緑に小声で話しかける
「娘っていくつになっても手がかかるもんだよね。あげようか?」
(何言ってるんだ、この人は)と思いながらも緑はアキの顔を眺めている。娘が生まれていたら、アキと同い年。
「でも、いい子だと思いますよ、アキちゃんは。私の娘だったら茶髪になってたかも」
「この子がいい子なのは寝ているときだけよ。起きてるときはとんでもないから」と春子は少し照れた。
ストーブごと足立ヒロシは監視小屋で寝ているのが発見された。
寝ているヒロシに毛布を掛けるよしえ。それを見守るユイと功。
彼らはヒロシが目覚めるまでそこにいるのだろう。
大吉はスナック梨明日で酔いつぶれていた。
結局、彼は緑に会うことは出来なかった。しばらくの間、その件でいじられる事になる。
勉さんは洞窟近くの林に寝ているのが水口に発見された。
水口は師匠ごと勉さんを背負って山を下っていく。
ふと、昼間の事を思い出す。実は緑はあの後(
>>87)大声で泣き叫んでいた。
その時、洞窟内の琥珀がそれに呼応するように光り輝いていた事を。多分、その事は誰にも言えないし、言う事も無い。
師匠は言っていた、「琥珀は、虫や骨だけでなく時間そのものも閉じ込めているのかもしれん」と。
その光が特異点になって過去に飛び、前日に洞窟にいたアキ達を取り込むと更に1989年に飛んで行った事を水口は知らなかった。
そして、すべてを終えた特異点がもうすぐ帰ってくることも。
タイムスクープ社、古橋ミナミは遠くから水口達を眺めている。アキ、ストーブ、勉さんをこの世界に戻したのは彼女だった。
「これで、後は特異点が戻れば、すべては元通り、か…そろそろ時間かな」
水口の近くに、蛍の様な、火の粉の様な光の粒子が一粒降りてくる。
彼は勉さんを背負ったまま、小声で「スターダストメモリー」を歌いだす。それはもうアキ達の世界にはないはずの歌だった。
光の粒子、特異点は地面を通過して、ある琥珀の中に入ると輝きを失っていった。
彼女の旅は終わったのだ。
それは古橋の仕事が終わったことでもある。けど…それでいいのだろうか。
アキにはタイムパラドックスを阻止してもらった。その恩人をこのままほったらかしでいいのだろうか。
古橋は悩んだが、今は報告に戻らないといけない「タイムアウトします」そう告げると、古橋はこの時間から引き揚げていった。
翌日の午前6時。
天野家では早い朝食をとっていた。夏ばっぱ、春子、それに客の村上緑が一緒に食べている。
そこに二階からアキが降りてくる。が、アキの朝ごはんは無かった。
「オラの飯はー!」
「オラの飯はー!じゃない。なんで私がここに居るか判ってるの?」
え?と思いだそうとするアキだったが、間髪入れずに春子がまくしたてる。
「東京駅で待ってても来ない、携帯は繋がらない。だからあたしが迎えに来たんじゃない!」
「で、3時の番組で出演するから。急に決まったからね。とっとと行くわよ」
(い、いつの間に…)何か言おうとするアキの口に春子は食パンを詰め込む。
「朝ご飯は、駅に用意しているから、そら、急いで急いで」
あっという間にアキと春子は家から出かけて行った。
「あ、緑、ごめんね、今度ゆっくり話そうね」
天野家には夏ばっぱと緑の二人が残された。
「あんだの想い人は見づかっだか」と夏ばっぱ。
「此処にはいなかったようです…でも、アキちゃんの顔を見る事が出来て、ここに来れて良かったと思います」
「遅刻、遅刻、遅刻〜」と春子に掛け声をかけられながら
アキは食パンを咥えたまま、北三陸駅に飛び込んでいく。
中に入った途端、誰かに衝突して倒れこむアキ。ぶつかった相手はリアスの準備をしていたユイであった。
「お…おはよう」「おはよ」見つめ合いながら挨拶する二人。
その後ろに(それ、俺のフラグじゃないの)と言いたそうな顔をして種市が立っている。
「春子さん、言われていた朝ご飯です」と重箱を渡す種市。
「またかよ」とアキ。「まだ卵焼きしか作れないのかよ。そろそろ銀一貫とか作ってくれよ」
(銀一貫って鮨のメニューじゃないんだけど)とユイ、心の中で突っ込み。
「そう思ってだな」と重箱を開ける種市。「見ろよ、ウニを混ぜ込んだ新作の卵焼きなんだぜ」
一つつまんで食べるアキ。「なんだよ、塩っぽいよ。これ駄目じゃん」
ユイもつまむ。「ほんとだ、これじゃリアスじゃ出せないね。ダメ出し!」
更に春子「ちょっと、指名間違ったかな」
(おれ、フルボッコじゃん)と種市。
「でも、パンに挟むとおいしいかも」と食パンで卵焼きを挟んでアキの口に入れるユイ。
(あ、ほんとだありがとユイちゃん)とパンを食べながら目で訴えるアキ。
「アキ、電車来てるわよ」と春子。改札口を通り抜ける直前振り向くアキ。
「ユイちゃん、オラ東京に行ってくる!」「うん!」
その後ろで(俺の存在って何だったの?)と自問自答している種市だった。
120 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/05/26(月) 21:04:15.27 ID:FZMG2fQi0
こういう事態になるとあまちゃん2はもう難しいだろうね
121 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/05/26(月) 21:52:30.75 ID:gZ/4xPkE0
どういう事態?
静かに沈み行くスレだったのに…
123 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/06/29(日) 21:06:18.69 ID:4IWxRCQj0
124 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/06/29(日) 21:11:28.25 ID:NX2uJmw70
>>120 いきなり「あまちゃん3」が始まる
「2」はどうしたんだというツッコミ待ちで
125 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2014/07/08(火) 22:20:04.43 ID:2rJ+Namh0
是非、福田麻由子も出演して欲しいな・・・。
ちょっとだけ…
>>119 午後2時になると喫茶リアスで昼食をとっていた客もいなくなりユイは食器の片づけをしていた。
カウンターの端には勉さんが一人琥珀を磨いている。
昨日の失踪の件は勉さんが忘れ物を取りに帰ったら東京に行けなくなってしまって隠れていたという事でFAされている。
本当は洞窟でタイムスリップして1989年の静岡にいたのだが、その記憶はタイムスクープ社に消去されてしまった。
この失踪事件は「勉のヒロシとアキ隠し」としてあっという間に知れ渡った。
ショックを受けた勉はここで琥珀を磨いている。でも居場所がある事はすぐ立ち直る事だとユイは思う。
春子に連れられてここに来たことが、立ち直る最初の一歩だと思っている。ここは大切な居場所。
「勉さんこれっ」ユイはミートスパゲッティを出す「あの時のお礼だよ」
「ここは、ナポリタンでしょ」と勉
「だって、勉さんアバズレじゃないじゃない」二人、目を合わせて笑う。
「あ、そうそうそろそろアキちゃんがテレビに出るんだ」とユイ、チャンネルを変える。
テレビに気を取られているうちに客が入ってくる。
「はい、いらっしゃいませ」とユイは客の顔を見ると客は少し驚いた顔をしてユイの顔をまじまじと見つめる。
「あなた、ユイ、ちゃんですか?」と客、村上緑(
>>113)は尋ねてきた。
村上緑はアキ達がタイムスリップした1989年で彼女達に出会い、
その世界でユイの代役「ゆい」としてアキを支えていた。しかしその記憶はタイムスクープ社に消去された。
彼女はそのあと、彼氏(
>>108)と結ばれたはず…であったが彼に言われた一言にショックを受け、
自分を追い込んだ結果、流産してしまった。その後、彼女は自分の部屋にひきこもってしまった。
彼との記憶の詰まったカセットテープを延々聴く緑。
ふとあるテープを聴くと誰だかわからないけど懐かしい声がする
「おっす、おら、天野、アキちゃんでガス」(え・・・アキちゃん?)
この時彼女の消去されたはずの記憶が再生された。
テープはアキが、ゆいごと緑の家に泊まった時に録音されたものである(
>>105)。
そしてその言葉はアキの中にいた特異点(
>>117)の言葉であった。
1989年に録音されたはずなのに、彼女はその後の緑を知っていた。流産したことも。
さいごに一言「大好き」…この時、緑は全てを理解した、このテープを録音したのが自分の娘であることを。
「アキちゃんなら、東京に行きましたよ」
ユイはなぜこう切り出したのか自分でもわからなかった。
「え…う、ん。そうね。そろそろテレビ中継だよね」
緑はユイが若い時の自分にそっくりなのにまだ慣れていない(
>>80)。
テレビ中継でのアキの出演。寝不足のアキはボケを連発してアナウンサーにいじられていた。
くすっと少し笑うユイ。もう彼女にはこだわりが無い様にも見える。
「ねえ、あなたはなぜ行かないの?」と緑。
ユイは少しむっとした顔をして「東京は自分に縁のない場所ですから。昔は好きでしたけど」
緑は言い訳をするユイを可愛いと思った。探そうとした娘に会うことは出来なかったけど、
自分に娘がいたら、こんな感じだったのかもしれない。
緑「本当は行きたいんでしょ。東京は嫌い、だけど、アキちゃんの隣にはいきたいんでしょ」
図星を指されたのか何も喋れなくなるユイ。
緑は一本のカセットテープをユイに渡して「このテープは私に元気をくれたから。一回聞いてみて」
それは1989年のアキの声で録音された、
>>127の物とは違う、もう一本のカセットテープだった。
本当は娘に会ってありがとうと伝えたかった。でもユイにこのテープを渡す事はそれと同じ事だと今の緑は思う。
緑の思いはここでかなえられたと思った。
緑が汽車に乗って帰るまで、緑とユイはアキをネタに結構盛り上がった。
その姿は友達の様にも親子の様にも見えたが、それを見ていたのは勉さんだけだった。
>>128のカセットテープをユイが聴くのは少し先の話になる。
東京ではTV収録の終ったアキが上野に向かっていた。その連絡を受けたのはちょっと前である。
GMTのメンバーはそんなそぶりなど見せなかった。今日になってからは携帯もつながらない。ママだって知らなかった。
情報のなさがアキを不安にさせる。誰かの冗談でからかわれたならよかった、とアキは思った。
情報は本当だった。アメ横の目立つディスプレイが消えていた。東京EDOシアターが閉鎖されているというのは本当だったのだ。
「じぇ…」アキは絶句した。